肆 悩む若人、付け入る狐
会議は恙無く終了した、不貞腐れる秋嘉と後始末に勤しむ者幾人かを残して。懸念材料は喧嘩相手に誘われ晩餐会に出席すべく颯爽と去って行った、再三罵倒したい相手(元親友)が既に影も無く彼の不機嫌さは増して行った。
「悪いけど、職員が萎縮するから」と小声で秋嘉の耳元に囁いたのは。
書記を務める…、確か「シウス・クレマス」うっかりその名前を口にしていた。不味い、敬称も付けずに呼び捨てなど、秋嘉は自分の顔色が悪くなったのを自覚した。「え?」聞き咎められて如何 弁解しようかと瞬間悩んだ秋嘉、けれど相手は知っていたんだと何故か意外そうに呟いている。
不思議なのは此方も同じだ、寧ろ議員末席と(今回の一件で)認識されながら司会進行に携わる人物を知らないだろうと推測されていたのが理解できなかった。美人で寡黙&(その思考回路が)謎と来れば、集りたくなる心理でもはたらくのだろうか、
信者に同意など絶対しないが、女性的な声質に聞き惚れないでもないのかも知れない。(「というより此れは…」)あまり詮索しない方が賢明だろうに、寡黙に固執する理由が知れてしまったのだ。余計な情報は要らない、
「奥に小部屋があるから、」と差し出された鍵と議長の椅子を示された秋嘉は首を傾げる。用件が済んだ彼は足早に去って行った、周囲に聞き耳を立てる者も居ず。そもそも書記が此処に居た事すら認識していなかったらしく、狐狸に化かされたような気分で唆された場所に歩いて行った。
以後、彼の姿を目撃した者はいない…行方の知れない滝津之目は数ヵ月後そのまま職を辞した、
『狐』は書記を小間使いにしただけ。その正体を知りたく ば 次の話を読むべし、
(この時点で未だ書いて無いのですが、2015/02/11 17:00現在のはなし(笑))




