表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIRISU-アイリスー  作者: 桜桃
鳴無鳥の章
9/17

ー平常心ー namiya-side Ⅱ




「朱璃さま!!」


「な、なあに?三和じい。」


「なあいにじゃありませんぞよ!

 なんですか、今のは!」


「今の?」



きっと、さっき私を助けたときのことを言っているのだろう。




「無茶をするのにも、程があります!!」


「そ、そんなこと言ったって、

 ほっとけないでしょ!?いたいけな少女に大の大人が手をあげてるんだよ!?」


「ですが、怪我をしたらどうするんですか!」


「そんなの、旅してるんだもん。

 怪我ぐらいするでしょ。」


「いいえ、いけません!

 あなたは、紅南国の王女なんですよ!

 怪我なんかされたら、王に顔向けできません!」





・・・・王女?




私今、とんでもないこと聞いてしまったような気がする。


どういうこと?


朱璃が王女?





そりゃ、白い肌に綺麗な髪。


良いところに育てられたみたいなのはわかるけど・・・


あの勇ましい戦いぶりと


男よりもカッコいい雰囲気。





・・・王女?






「もう!三和じいが余計なこというから、

 ナミヤがおかしくなっちゃったじゃない!」


「え?ナミヤ?」


「さっき、連れ去れそうになっていた女の子だよ。

 私が助けなかったら、この子がどうなっていたか・・・

 それでも、三和じいは文句いうの!?」


「で、ですが・・・」


「王女だろうが、平民だろうが、人間は人間だもん!

 私は怪我しちゃいけないけど、ナミヤならいいの?

 そんなのおかしいよ!

 そんなこと言う三和じいはだいっきらい!」




さっきまでの勇ましい表情とはうってかわって、


涙をいっぱいにためた朱璃・・・いや、朱璃様はとっても可愛かった。





「まあまあ、そのへんでいいじゃないですか。

 朱璃も、三和じいも。」


「シナ・・・」


「シナさま・・・」


「三和じい、朱璃の言っていることはもっともです。」


「は、はあ・・・」


「ですが朱璃、三和じいの気持ちも考えてあげなさい。

 小さい頃からあまりお父上に会われていなかったあなたにとって、

 三和じいは父親みたいなものじゃないですか。」


「・・・うん。」


「遅々とやの心配する気持ち、わかってあげなさい。」


「はい・・・」





しゅん、と小さくなってこたえる朱璃様の姿に私は思わず笑をこぼした。





「どうかした?ナミヤ。」


「い、いえ!

 ただ、王女様って嫌なひとばかりだって思ってたから・・・

 あ、ごめんなさい・・・」


「ううん。いいんだよ、それに朱璃でいいよ?」


「え?だ、だけど・・・」


「この旅は、私が王女だってことはナシだから。」


「でも・・・」


「ね?お願い・・・」


「は・・・いえ、うん!」





あんな風に、頼まれたら・・・断れないし。


それに、朱璃って呼んでいいなら・・私こそ大歓迎だよ・・・




にっこりと微笑んだ。







次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ