-朱璃ー
この世の中はおかしいと思う。
人々は王によって支配され、貧富の差は激しく
巻き上げるように月々高い税金を支払う。
腐りきった世の中にうんざりする。
偉そうに踏ん反り返って治療する医者
見下すような視線を送る女官たち
一体何が違うというのだろう。
同じ人間だというのに
生まれが違うからって、
育ちが違うからって、
誰が偉くて、誰が偉くない
そんな世の中、絶対に間違っている。
「おや、朱璃様。」
「三和じい。」
「ここに来てはいけませんぞよ。
お父上は今、大事な仕事をしていますからな。」
「でも、さっき神官たちは出て行ったよ。
もうお仕事終わったんじゃないの?」
「お父上にはやることがたくさんあるのです。
さぁ、向こうでじいと遊びましょう。
何がいいですかな。御手玉でもしますか。紙芝居でも読みますか。」
「どれも飽きたよ。
書物が読みたい。白西国の書物。あそこの国の書物は面白いから。」
「本当に朱璃さまは書物がお好きですな。」
「知らない世界を知るのは面白いよ。
わからないことがわかっていくのは、楽しいもん。」
「そうですか。
じゃあ、この間新しく入荷した書物でもご覧になりますか。」
「うん!」
朱璃と呼ばれた小さな女の子はまだ8歳だった。
この女の子がのちに、世界を変える革命家となる
少し、短いですが
これからもがんばっていこうと思います!
桜桃