Noise&start
初めて描きました!
やはりところどころ納得いかない部分もあります。
しかーし!温かい目で見ていただけると嬉しいです!
目が覚めた瞬間、視界に砂嵐が走っていた。
ノイズ。
まるで壊れたディスプレイのように、現実がチカチカと点滅している。
音もおかしい。風の音すら“遅延”して聞こえる。
「……また、か」
この感覚は、初めてじゃなかった。
現実がまるごとバグっている。
もう慣れた。というより、俺の存在自体が“バグ”なのだ。
視界の奥に、透明なウィンドウが浮かび上がる。
【ようこそ、《聖環神世界 -Sacrarium Deusphere-》へ】
アカウント:検出されませんでした。
状態コード:404_NOT_FOUND
ステータス:存在しない
俺の名前も、数値も、存在すらも──画面には何一つ表示されない。
それもそのはずだ。俺は……この世界に“いないはず”の存在だからだ。
⸻
ある日突然、俺の現実世界は“リセット”された。
家族も、友人も、記録も、思い出も──俺の存在を証明するものすべてが消えた。
学校の名簿に名前はない。
両親に話しかければ「どちら様?」と返ってくる。
スマホの顔認証も効かず、銀行口座も消えていた。
そして、ログイン画面が現れた。
【ERROR:あなたの世界は見つかりません】
再接続しますか?
[はい]/[いいえ]
俺は──迷わず「はい」を選んだ。
それがこの世界、《聖環神世界》へのログインだった。
⸻
「……さむっ」
草も木もない、白灰色の平原に、俺は独りで立っている。
大地にはグリッドのような線が走っていて、まるで未完成のテストサーバーのようだ。
風景は一見リアルなのに、どこか不自然な静けさがある。
音も匂いも薄く、空気に情報の密度がない。
──ここは構築途中の世界だ。
「よく来たな、ログイン者」
突如、背後から声が聞こえた。
振り返ると、そこにいたのは……顔がモザイク状に崩れた“管理者”のような存在だった。
ローブの下からはコードのような触手が垂れていて、足元にはエラーログが浮かんでいる。
「貴様は、存在しない者。
本来ならば、我々の世界にログインする権限は──ない」
「でも、来ちゃったんでな。バグとして」
「貴様は『終端存在』だ。
……警告する。この世界に干渉することは、再崩壊を招く」
俺は笑った。
「もう崩壊してるだろ。最初から、完成してない」
手をかざすと、空間にノイズが走る。
まるでスクリーンに傷が入るように、空が割れた。
「これが……スキルか?」
ウィンドウが再表示される。
【スキル起動:《構造破壊》】
効果:空間、因果、記録の断裂。再構築権限:有効
「ふざけてるな……こんなの、まるで“管理者用ツール”じゃねえか」
そう。俺のスキルは“戦闘用”でも“支援用”でもなかった。
これは――世界そのものを編集・上書き・破壊する、運営権限だった。
管理者は沈黙した。
そして低く、機械のような声で言った。
「貴様はバグではない。存在の未定義領域……」
「なあ、質問していいか?」
「……なんだ」
「この世界、完成する気あるのか?」
「――それは、お前次第だ。“存在しない者”よ」
風が止んだ。
空がエラーを吐いた。
その時、俺の脳裏に、一つのフレーズがよぎった。
【存在を上書きしますか?】
Yes/No
「やってやるよ。全部……書き換えてやる」
神の作りかけの世界なんざ、
俺が、ログインし直して創り直す。
存在を拒まれた俺が、
世界そのものを“エディット”する物語が、ここに始まる。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
著者のGAP.2222Oです。初投稿になります。
タイトルはド派手ですが、内容は意外と哲学寄りな部分もあり、
「なろう系×SF×異世界×存在論」というわりと無茶なジャンルを目指しています。
この物語の主人公は“チート能力”というより、“世界編集権限”を持った異物です。
チートで無双して「ざまぁ!」で終わる話ではなく、
「世界そのものをどう扱うか」「存在とは何か」みたいな重たいテーマも、ゆるやかに扱っていけたらと考えてます。