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3話 何も覚えていない

少しずつ物語が動き出します

どうぞお楽しみ下さい

(*´ω`*)

メーデイア王国の首都カルラ

王城は大陸の深層部へ続く山脈の麓にあり、王城から海へと緩やかな下り坂になっている

そのため王城からは貴族達の屋敷、商人たちの館、平民たちの家が一望できる


ナナイの屋敷はわりと王城寄りにあり、ナナイの屋敷からも海まで一望できるので自慢の屋敷である


とは言っても今ナナイがいる屋敷は本邸から一番遠い別邸で、ここはナナイが診療所として使っている館だ


ナナイは海からの風を心地よく感じながら窓辺に立って海を見ていた

不意に振り返ると

「ちゃんと食べなさいよ」

と部屋のベットに腰掛けて座っている少年に声を掛けた


少年は「はい」

と言いながら、ベットの横にあるテーブルに置かれたスープとパンに手を伸ばした


スープをほおばる少年を微笑みながらナナイは眺め、ほんの2日でここまで回復するとは…と驚いていた


少年は斬り付けられ、更に馬車に轢かれ、一時は心臓も止まっていたのに奇跡的に息を吹き返したのだ


道に横たわる少年の遺体の側で無力感に襲われていたナナイだが、突然少年が血を吐き出し息をし始めた


最初は何が起きたかわからなかったが、すぐさま我に返り思考を巡らせた


少年は左肩から腹部まで切られている

そして大量の血を吐いたという事は肺を損傷していると考えられた

ナナイは少年が吐き出した血で気管を詰まらせないため、持って来た鞄からチューブを取り出し口から喉の奥へと差し込む


少年は苦しいそうにもがいているが、気道を確保する事が最優先だ


マルクスはナナイと違い、まだ事態を把握出来ていない


「マルクス!馬車を!!

この子を診療所まで運ぶわよ!」

ナナイに怒鳴られ、やっと我に返ったマルクスはすぐに部下達に指示を出した

「待機してる馬車をここへ!

急げ!!」


こうして少年はナナイが作った診療所に運ばれ、一命を取り留めたのだった


ただ…問題もあった

ナナイがどうしたものかと悩んでいるとドアがノックされた


「どうぞ」

ナナイがそう言うとドアが開き、マルクスとマルクスの補佐官が入ってきた


「お、少年!食事が取れるようになったか」


少年はスープを飲む手を止めてマルクスを見つめた

キョトンとした顔がとても愛らしい

まだ多少、幼さも残ったその顔は恐らく一目見ればレディ達を虜にしてしまうほど整っている


そうハッキリ言えばイケメンなのだ

イケメンにサラサラのプラチナブロンドの髪、紫の瞳と非の打ち所のない超イケメン!

ナナイは心の中でガッポーズを決めている

この超絶イケメンを診察する為、しばらく間近で拝めるのだ


「話しをしてもいいか?」

マルクスはナナイに確認する


「少しなら」

恐らく無駄だが…とナナイは心の中で呟いた


マルクスは少年の側まで行くと

「やあ、俺はマルクス・ジェファソン

紫騎士団の副団長だ」

ニッコリと微笑みながらマルクスは声を掛けた


マルクスは超絶イケメンとまではいかなくても、それでもイケメンと呼んでも誰も文句は言えないくらい整った顔立ちをしている

マルクスが微笑めば顔を赤らめ喜ぶ令嬢もいるだろう

ナナイは喜ばないが…


少年は座ったままマルクスを見上げ、スプーンを置くと

「はじめまして」

と答えた


「良かったら君の名前を教えてくれ

もう2日もここにいて、ご両親も心配してるだろうから」


少年は少し驚いた顔をしてからマルクスから視線を外し、下を向きながら答えた


「すいません

僕、何も覚えてなくて…」

マルクスやナナイの背景も少しづつ書いて行きたい思います

どうかお付き合い下さいね


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