1話 いきなり死にました
初めての投稿です
よろしくお願いします(ꈍᴗꈍ)
海は美しく輝き、空は青く晴れ渡っている
海に面した都市でありこのメーデイア帝国の首都でもあるカルラはとても活気に満ち人々は平和に暮らしている
海から奥の山脈までの広大な土地には白を基調とした大小の家が所狭しとひしめき合い、中腹辺りからは裕福な商家の屋敷が、さらにその奥は貴族の屋敷が建ち並ぶ
山脈の麓の広大な土地はこの国を治める皇帝の居城が、これもまた白を基調とした城壁が空の青さとの美しいコントラストを描いている
上空からこのカルラを見れば白い壁に赤やオレンジの屋根、きらめく青い海の光で輝いて見える
そんな都市のほぼ中心部に突然ブロッコリーが生えたかのように緑が生い茂る丘が存在する
丘と言ってもそこそこの大きさがあり、頂上は大昔に使っていたが今は何かの祭事にしか使われない無人の神殿が存在する
神殿があるためか、この丘は長い歴史の中でも都市開発で手を触れられずカルラの中心に残る形になってしまった
荷馬車を操る男はもうじき太陽が海に沈みそうな真っ赤な夕日を感じながら馬を急かしていた
約束の品物を届けなければならないのに手間取ってしまい、少しでも近道をしようと普段は使わない丘を猛スピードで走っていた
男の右側は御者台に座っている男の目線辺りまで丘が削られその上は木々が生い茂りその奥に神殿がある
もうじき頂上の神殿付近に差し掛かると一旦道は平らになり長い直線が続くので男は更にスピードを上げた
手綱を激しく馬に打ったと同時に男の真横の茂みから何かが転がり落ちてきた
男は驚き慌てて手綱を引いて馬を止めようとしたが間に合わずそれを轢いてしまった
ようやく馬を止めた時には落ちてきた物は荷馬車のはるか後方に転がっている
「な、なんだ…?」
男は馬車から降り後ろに転がっているいる物に恐る恐る近づいた
最初は石かと思ったがはねた感じが固くなく動物かもと思いながらそれに近付いた
薄暗くなり始めた道に転がっていたのは人だった
次回より順次主要キャラ達が登場します
お楽しみに!