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仙田未果(三)

 県道が通っている橋をくぐったから、そろそろ国道とさよならするポイントが近づいてくるはず……。車のディーラーは……。

 地図アプリの画像で見た景色と、実際に行って見た時の景色が違っていることがたまにあったりするから、それは絶対にやめて。と祈りながら車を走らせる……。

 あ、あった。昨日地図アプリで見た感じとそっくり。よかった。

 未果は左にウインカーを出し、青信号ということも確認し、周囲に気をつけながら車のディーラーがある交差点を左折して、国道に別れを告げる。

 曲がってすぐの突き当りの看板に、駅は右と出ていることにも少しホッとして、予定通り右折する。

 さっきまで通っていた国道をくぐり、目印にしていた信号のある交差点を左折する。そうするとまた国道をくぐる形になるはずなんだけど……。

 なった。よかった。この道を真っ直ぐ行って、信号のある交差点を二つ通り過ぎて、信号のない交差点を過ぎてすぐの所に、目的地のファミリーレストランがある、はず……。

 信号のある交差点を一つ、また一つと通り過ぎて、信号のない交差点が見えてきた。その先に、あってと祈る。通りは街路樹で店とかへの入り口が見えにくくなっている。優先とはいえ、一応気をつけながら信号のない交差点を通り過ぎると、街路樹の間隔が少しあいた前方の左側に、こういうテナントが入っていますよという大きな看板が見えた。その中に、指定されたファミレスの名前を発見。ちょっとテンションが上がる。ビルの一階がファミレスで、地下の駐車場に入る感じになっていれば、絶対に間違ってないはずなんだけど……。

 昨日調べた時は大きな看板が出ている場所の近くがビルの出入り口になっていた。アクセルを離してやや減速し、頃合いを見て左にウインカーを出す。出入口のやや手前でさらに減速した時、アプリで見た景色とおんなじで、一階にファミレスの日除けテントが見えた。やった、と思いながら歩道の人とかに気をつけながら左折する。あ、地下の駐車場に入る感じにもなってる。またややテンションが上がる。三十分は誰でも無料みたいだ。駐車券をとってバーが上がるタイプで、その幅が、思ったよりもちょっと狭い。この車には一度も傷をつけたことがないから大丈夫だとは思うけど、慎重に、慎重に車を走らせ、発券機との距離がギリギリ過ぎたけど、なんとか無事にバーを通り抜けられた。ふー、関門脱出。時間も余裕を持って出たから充分ある。

 地下へと下っていく通路は明かりがついているものの、薄暗い。大抵こういう所はそうなんだけど、今日はなぜか、地獄へと自ら進んでいるみたいに思えてきて、笑えるようで笑えない。車で下ってくにつれ、上がったテンションも下がってくのを感じる。なんとなく窓も閉めたくなって、窓を閉めてから車のライトをつける。

 左にカーブするように下っていくと、トンネルの出口のように先が明るくなった。下りきって地下駐車場内に出ると、場内は外のように明るい。そのせいなのか、通路の左右に車が止まっているからなのか、地獄だと思っていた自分がバカみたいに思えてきた。

 ライトを消して、空いている所を探す。三台の車、太い柱、三台の車、太い柱、というような感じで、左右に車が止まっている。ランチ時のせいか、今の所一つも空いていない。どうしよう。あ、空いてたと思ったら、小さい車が止まっているだけだった。外の入り口で『空』か『満』の表示を見落としただろうか。もしそうで満車だとしたら、バーは開かないよねと思いながら右へ曲がるという矢印通り右に曲がる。曲がっても、車は埋まっていて、空いている気配がない。しばらく進んで、角まで来ると、エレベーターはそこですよという表示を確認しながら、空いてないので右に曲がる矢印通り、また右に曲がる。この駐車場は、ぐるりと一周するような感じになっているみたい。さっきよりも長めにまっすぐ進み、ないかなないかなとまた右に曲がり、もしやもう一周するのと思っていたら、あ、あった。小さい車が止まっているわけでもない。左側に一台空きがある。未だに教習所で教わった通りのハンドル捌きをして、見事一発で入れられた。

 車の時計を確認する。時間は、十二時十一分。予想通り早めに着いた。パーキングブレーキをかけて、ギアをPに入れて、ライトは消したし、窓は閉まってた、と、最後にエンジンを切る。

 ふう、よかった、無事に着いて……。

 と安心してる場合じゃない。どうしよう、もう店に行こうか、まだ車にいようか迷う。リトルキャンディーの人は、もういるのだろうか……。ファミレスって、予約とかできたっけ? とケータイで調べると、一部の店舗は実施しているみたいで、すごく都会、というわけでもない所にあるこのお店は、その一部に入っていなかった。だとすると、きっと混んでいるから座れない。待合室で会ったら、それもそれで気まずい気がする。

 もしかして店にはいかず、この地下駐車場で契約をすることになるんだろうか。探偵とはいえ、探偵じゃないような仕事をしているかもしれないから、人の多い場所に出入りできない気もするし、公な場所で堂々と話せる内容でもないから、そのほうがありがたい気もする……。

 十二時十五分になった。社会人として、十分前には到着しないと。

 よし、行こう。

 ……ダメだ、全然腰が上がらない。サンバイザーについている鏡を見て、顔をチェックして、ぱっつんの前髪をチェックして、肩丈にある毛先は、ちゃんと内側を向いている。特徴を伝えるためにパっと浮かんだネイビーのブラウスもちゃんと着て来ている。ふんわりとしたデザインが好きで買ったこのブラウス。いつ買ったのか記憶にないくらい前のだけど、未だにお気に入りランキング一位になってしまっている。下のデニムもそうだ。薄めの色合いが気に入って買った。お店で見た時と家に帰って見た時の印象が全然違うー。なんてこともなく、今も縒れずにがんばってくれている。未果もがんばらなくちゃ。と思っても、全然腰が上がらない。

 ……時計は、十二時十七分。ファミレスが一階にあるとはいえ、もうさすがに行かないと。とサンバイザーをしまっても、ビクともしない自分の身体。

 よし。さあ。ほら。と決心した自分の気持ちとは裏腹に、動かない自分の身体に溜め息が出る。こんなに重かったっけ、私の身体……。

 あの時は、恐怖心というやつで全然足が動かなかった。だからこそ合流地点を克服してホップし、カーナビを使わずにがんばってステップを踏んだのに、ジャンプするにはまだまだなにかが足りないみたい。あの人に会って、気絶したりしないだろうか。

 理と別れることになるのだから、このままなにも知ることなく、単に別れたいと宣言して、別れ話を進めていけばすむ話じゃないだろうか。

 ダメだ、変なことを思ってしまった。それはさすがに中途半端過ぎる。理のことを知りたかったんだから、ちゃんと知って、ちゃんと別れなきゃ。そうしないと、前に進めない──。

 コンコンッ、と運転席の窓がいきなり叩かれて、ピクッとしてハッと右を見ると、腰を折るようにしてこちらを見る男性と目が合った。男性が頭をぺこぺこして申し訳なさそうに会釈していなければ、キャッー! と悲鳴を上げていたに違いない。

 スーツを着ているその男性は、名刺も手にしていて、見て見てと指差している。

 ん? と見ると、『リトルキャンディー』という事務所名、『志田壮亮しだそうすけ』という名前、『あなたの気持ち、すぐに叶えます。今すぐお電話を』という謳い文句、それから、電話番号が書かれていた。志田壮亮という名前が書かれてあること以外、未果が沙友里からもらった名刺とおんなじ。ずっと名刺と睨めっこしていたから確実にそうだとわかる。それとあと、裏にはホログラムがあるはずなんだけど、という未果の表情を察してか、スーツを着ている男性は裏も見せた。ホログラムの位置も、模様もおんなじ。リトルキャンディーの、志田壮亮さん。

 未果は志田さんに向かってぺこっと会釈をし、ドアを開けると、

「仙田未果様ですね」

 と志田さんが膝を折って屈み、お世話になっているディーラーの方みたいに行儀よく尋ねた。

「はい」そうですけど? 

 と未果は首を傾げるようにうなずいた。

「驚かせてすいません。私は契約などの事務を担当している志田壮亮と申します」

 事務担当……。てっきりここにはあの人が来るとばかり。そうか、分担しているのか。未果が勤めている歯科医院も、仕事が分担されている。沙友里が勤めているアース探偵事務所もそうだった。考えてみれば当たり前かもしれない。

「ここは中継地点になっておりまして、ここから私共の車で個室がある他の店に移動してもらい、そこで正式に契約をさせてもらう運びとなります。よろしいでしょうか」

 店内でも駐車場でもなかったけど、やっぱり人目のつかない所へ行くんだ。「わかりました」と未果は納得する。

「お手数おかけして申し訳ありません。契約内容を他人の耳に入れたくないものですから」

 そうですよね。未果も同じなんで「全然大丈夫です」と助手席に置いてあったハンドバッグを持って出ようとすると、志田さんはディーラーの方というよりも、立ち上がって執事のようにドアを広げ、隣の車に当たらないように支えてくれた。

「すいません、ありがとうございます」

 未果が車から出ると、志田さんは静かにドアを閉めた。未果は車にピピっとロックをかける。

「では、こちらになります」

 志田さんが歩いてきたのにも気づかなかったなんて、なにをやってるんだかと志田さんのあとをついて行く。志田さんも止められなかったのか、未果よりも遠い、駐車場の出口に近いほうへ向かっている。外のように明るいとはいえ、やっぱ外とは空気感が違う。

「あの車になります」

 前を歩いていた志田さんが指したのは、車種にあまり詳しくない未果でも車種がわかる有名な高級車だった。高級車は見慣れているけど、艶感がうちにあるのとは格段に違い、すごく黒光りしている。

「おう、志田」

 未果の後方から、志田さんを呼ぶ声が場内に響いた。こ、この声──。

 志田さんは驚いたようにビクッとしてサッと踵を返した。未果も振り返る。

 お、お祭り男と思われるあの恰好……。それなりに遠いから顔までハッキリわからないけど、あの時と同じ、ギラリと光るオーラがここまで伝わってくる。曲がり角の所に立っているのは、絶対にあの人だ。

「今ちょうど呼ばれた所なんだ。場所を変えるのやめないか。……なんだ? どうした?」と止まっていたあの人はこっちに向かって歩いてくる。「おや? もしかして依頼してくれた方ですか?」私に言ってると思って、未果は身を竦めるようにしながらコクっとうなずく。「それはそれは。すいませんいろいろお手数おかけしてしまって」お手数だなんてそんな。と未果は首を横に振る。「なんだ志田くん、依頼主の方がかわいいからって、独り占めしようとしちゃダメじゃないか。まったく」とあの人は冗談ぽく言った。だんだんとハッキリしてくるあの人の容姿。「いや、そうじゃないか。俺より早く仙田未果さんに接触し、嘘の報告をして、事を穏便にすませようとしていた所か」……え?「うちには志田壮亮なんて奴、いないもんな?」……は?「なあ、志田くん」未果は反射的に志田さんを見ながら、後退っていた。

「なにを言っているのかよくわからないのですが、なんなんですかあなたは」

「俺? やっぱ知らないのか、ぽっちゃりぎりぎりの男と、童顔のモフモフ女しか」あの人は、未果と車三台分くらいあけて立ち止まった。「約三ヶ月前、君らがリトルキャンディーを初めて知った時、もっと深く調べておくべきだったなあ。そうすれば俺のことを知れたのに。ああ、違うか、それ以上調べられる能力がなかっただけか」とあの人はわざとらしく言った。「もっと君らに能力があれば、君が志田壮亮ではなく、本名は谷川誠二だということも、普段国花警備保障で働いているということも、そこでホームセキュリティーを担当しているということも、『曲芸過激団』に属しているということも知られずにすんだかもしれないのになあ」

 あ、これもあの時とおんなじ、もうなにもかも知っているんだ。探偵になった沙友里が言ってた。あの時あの人が言ったことは、全部本当だったって。

「あのすいませんが、なにがなんだかほんとにさっぱりです」志田ではなく、谷川という人は、丁寧に否定した。「もしかしてけっこうお飲みになられているのでは」

「めでたいから? フッ」あの人は鼻息を出して笑った。「俺は素面しらふだ。この恰好はこっちの特徴を伝え忘れていたから、わかりやすいと思ってしているだけ。この言葉の意味が理解できれば、君は計画を変えなくてはならないことに気づく。その前に、お惚けをしていた恥ずかしさが込み上げてくるかもしれないが」

「……それはつまり、お二人はすでにお知り合いだということですか」

「おお」とあの人は仰け反って驚いた。「なかなか頭が回転するじゃないか。そうだ。そこに気づいた今、どうする? このまま計画を押し通すか? 一つ言っておいてやると、君と違う役割の倉科くんは、エレベーターのドアに挟まれながら眠っているぞ」

「それはそれは、貴重な情報をありがとうございます。こちらの情報が筒抜けみたいですね。さすがリトルキャンディー。もうすべてを知っているとみていいんですか」

「ああ、君らが情報漏れを防ぐためにあらゆる場所で監視していたことから、どこでなにをやっているのかまでもう全部知っている」

 バッ、と谷川が、警棒のようなものを出した。「なら、ここで始末するしかないようですね」谷川の雰囲気が、物凄く刺々しくなった。

「それはありがたい。心配するな。谷川くんもここで眠ってもらうだけになる。なぜなら? 俺にやられたことを知ってもらい、手っ取り早く君たち全員を片付けてしまいたいからね」

「理由をお聞かせしてもらえるなんて、舐められたもんですね」

「舐めちゃいない。俺が舐めるのは、カップアイスの蓋くらいだ」

 ……な、なんだろう。八年前に聞いた時よりかはちょっとおもしろいかもしれない。

「……バカか」と谷川は刺々しく言い放った。「お前らは知っちゃいけないことを知った。未来はないと思え」

「危ないっ──未果さん上」

 あの人の声につられ、上を見る。え? なになに? なんにもないよ。コンクリートの天井があるだけ。

 ──ドンッ。という音が未果の身体に響いてきた。覚えのある感覚だった。音がした方向に目を向けると、あの人が谷川の肩を片手で掴み、もう片方の手は谷川の腹部に当たっていた。持っていた警棒がカランコロンと落ちて、転がって、止まった。

 あの人の手が谷川から離れると、谷川はドサッと倒れた。

 二人の距離は車五台分くらいはあったはず……。それなのに……。

「すいません」あの人は振り返り、「おケガはありませんか」と踵を返した。

 あの人のギラリとした黒目と目が合って、あ、はいと未果はうなずく。

「よかった。ちょっとお待ちくださいませ」あの人は倒れていた谷川の腕を持って、谷川を引き摺りながら、「未来はあったねえ」と駐車してある車の陰に消えた。少しして現れると、「よかった。いやあ、こんなに早く接触してくるとは思っ、ていたんですけど、予定通りにいかないのがこの仕事でして」と未果のもとへ歩いてくる。

 未果には、予定通りにいっているようにしか見えない。未果と接触する前に、谷川を仕留めるつもりだったんだろうか。

「お久しぶりです」あの人は未果の前で立ち止まると、法被の懐から名刺を出して、未果に差し出した。覚えてくれてたんだ。「改めてご挨拶させていただくと、わたくし、『リトルキャンディー』の董山曇と申します」

 トウヤマ、ドン……。未果は会釈して名刺を受け取る。名刺に、名前が書かれている。董山曇、ていうんだ。謳い文句が、『心願成就。今すぐお電話を』に変わっている。

 未果は名刺なんて持っていないから、免許証ぐらいしかない。それを出すのはちょっと違う気もするから、「私は、仙田未果と言います」と挨拶だけをする。

「はい、すいません、名前も名乗らずに。こっちの特徴とかも伝えずに」

 全然そんな。と未果はブンブンと首を振る。

「いやあでも、あの時の方だとは最初思いませんでしたよ。もしかしてあの時の名刺、持っていてくれたんですか」

「え、あ、いや、その、……友達が持っていて」

 未果は正直に言って、ハンドバッグからお財布を出し、中から名刺を出して見せる。

「おお」と正面に立つ董山さんはちょっと貸してと言うように、名刺を手に取った。珍しそうによーく見ている。「これ、けっこう貴重なんですよ」

「そ、そうなんですか」沙友里の言っていた通りだ。

「はい。今の事務所を立ち上げるために作ったやつなんですけどね、ほら」と未果に名刺を見せて、「名前が書かれてないでしょ? だからすぐに名前ありのやつを刷り直したんです。でもよく考えてみたら、僕の名前はある時期まで出さないほうがいろいろプラスに働くだろうということになって、そのままにした物なんです」

「そ、そうだったんですか」

「はい、それにこのパターンの名刺、あなた方にしか渡してないんですよ」

 董山さんが差し出した名刺を未果は、そ、そうなんですか? と肩を竦めながら受け取る。

「新しい名刺と宣伝文句が違うでしょ」見てみてという感じだったので、未果は気づいていたけどお財布をしまい、もらった二つの名刺を片手に一つずつ持って交互によーく見る。「この今渡した名刺は仕事の幅を広げようとして新しく作ったものなんです。この名刺もまだ、仙田未果さん、あなたしか持っていないんです」

「そ、そうなんですか?」

「はい。なんか、とても深い縁を感じませんか」

 縁。あ、はあ。と未果はなんで縁を感じるのかよくわからないまま、二つの名刺を見てうなずき、「あの、あの時は本当に、ありがとうございました」とお礼を言う。「なん、とお礼を言ったらいいのか」自分でもたどたどしくなってしまっているのがわかる。

「ああ別に。ほんと、縁みたいなものですから」

 縁、ですか。「そ、それと、今回も、よろしくお願いします。夫の件」

「こちらこそです。そうですね、その件はここでお話するのもあれなんで、車で移動しながら理さんの調査結果をご報告させてもらいたいのですが、よろしいですか」

 もう、ホントにわかってるんだ。すごいですねと言っても却って失礼な気がするから、「あの、調査代はおいくら、ぐらいになるんでしょうか」

「調査代、ですか? それは頂けません」董山さんは大きく手を横に振った。「依頼人の方を危険な目に遭わせてしまったのに、調査代をもらうなんて、それこそ如何わしい探偵がやるようなこと。無償で理さんの情報を提供させていただきます」

 え? 無償? 無償って無料ってことだよね。「……そ、そんなことって」

「あるんですよ」董山さんは被さり気味に言い、「僕の車こっちなんで」とエレベーターがあるほうへと歩き出した。

 ほんとに? 本当にそんなことなんてあるの? それこそ詐欺とかじゃないよね? と思いながらも、未果は理のことが知りたくて、小走りで董山さんのあとをついていく。

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