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雨野鈴架(二)下編「紗季の終幕」

 電話を切った鈴架は、すっかり頭から外れていた臼井のメッセージを見る。

〈曇さんが三村宅にて修験者撃破。回収済み。監視班の一部拠点がご近所やったから、もろもろワイが片付けた。すごいやろ〉

 すごいすごい。

〈一応やけど向こうはんはまだ行方不明になった原因を特定できておらんはずや〉

 そうみたいだね。

 あっちは一般の目を気にしながらやらないといけないから大変そう。こっちは曲芸のホームだからそういう面では楽なのか。

 でももうさすがに密林でもないこの状況下で、白い息は出ちゃってるから、『右辺うへん』の仕業だということまで確信したかもね。曲芸にだってそれなりの情報がいってるだろうし。

 やっと始まったんだね、水面下での戦いが……。

 鈴架は大きく息を吸って、フウーっと白い息を大量に吐く。

 もくもくとした真っ白な息が空中に漂って、次第に薄くなって消えていく。

 それでもここに府羽たちが来ないのは、洞窟で待つことのメリットがあるからなんだろうけど。鈴架は『堰壁』を唱えて、ケータイをポッケにしまう。

 メリット不明。聞いとけばよかった。

 ……と思ってもさすがにもう連絡は来ないみたい。

 だよねー。いいもんね。いい感じにお肉も消化されてきたし、心境も違う。

 理と話したいと思ってるなら、連れてってあげようじゃないの。

「やる気が漲ってきたよ、いろんなこと知れて」

 鈴架は目を閉じたままの紗季に話しかける。

 ……首が折れ曲がったまま倒れている紗季から、なにも返ってこない。もうさすがに話す気力もないのかもしんないけど、もうちょっと話したいからここは荒行と思って、

「──そんなことやってたらタヌキになっちゃうよ」

 鈴架がいきなり驚かせるような声を出すと、

「うそでしょ」と同時に紗季はゴホッゴホッと咳き込んで、けっこうな血しぶきが飛んだ。

 消えるのを待ってから、「……よかったね。ならずにすんで」と鈴架は膝を折ってしゃがむ。

 首が折れ曲がっている紗季は、一瞬開いた目をまた開けることなく、薄い笑みだけを浮かべた。ならこっちから一方的に話すのもありか。

「紗季が襲い掛かって来るなんてこれっぽっちも思ってなかったから、かなりビビったよ」

 また薄い笑みを浮かべた紗季から、「……油断大敵ね」と、してやったりの掠れた声が聞けた。

「紗季もね。意識なんて失ってるから、紗季の人生それなりに知れちゃった」

「……さすがリトルキャンディー」

「でしょ」鈴架はごほんと喉を整えてから、「家族と直接会えないけど、遠くからなら見れる日が来るかもしれない」とポッケから飲むゼリーを出して、「受け取ってよ」と紗季に差し出す。やっぱり、長く生きてもらわないと。

 目を開けていなかった紗季は、目を開けて飲むゼリーを見ると、また目を閉じた。

「……だからって、私が飲むと思って?」

「飲まない、か」鈴架は差し出した手をひっこめる。「これにだって飽き飽きしちゃってるんだもんね」

「そうよ、それに、介護は受けないって決めてるの」

 介護……。「いったい紗季は、何歳なわけ」

「あのね、言ったわよね」

「言ったね。女性に年齢を聞いちゃダメって」曇はたぶん、紗季の年齢に驚いてたんじゃないかな。「でも介護をしてもらうほどの年齢には見えないね」

「あのね、介護が必要な年齢と、決定するのはやめてくれるかしら。そんなにいってないわ」

「いやだって介護って言うから。じゃあせめて、お子さんの年齢くらい教えてよ」

「……それ言ったら、ある程度年齢がわかっちゃうじゃない」バレた。「けどいいわ。教えてあげるわよ。鈴架ちゃんかわいいから」でた。もうひっかからない。「娘が二十六。息子が二十四よ」

「そんな大きな子が?」曇も驚くわけだ。娘は私と同い年。「よく言われるでしょ。そんな大きな子がいるようには見えないって」

「また、言われたくて言ったみたいになっちゃったわね」

「否定はしないけど?」

 紗季が、微笑んだように見えた。

「でもね、それだけじゃないのよ。したいもんなのよ、自慢の子の話は」紗季は口だけを動かし、二人とも有名な大学を卒業したことや、娘は素敵な旦那さんと結婚したことや、息子は上場企業に就職し、可愛い彼女がいることなどをゆっくり話した。聞いていない、紗季の旦那さんのことなども交えながら。「親に似て困るのよね、ほんと」

「そこは親に似ず良かったわねほんと、じゃないんだ。というかそう言われるのちょっと期待してたでしょ」

「するわけないじゃない。私のどこがダメだっていうのよ」

「ダメじゃないけど、ダメでしょ。紗季はここで、一生を終えようとしてる。自慢の家族になんて説明するつもり?」

「だから、終わらないわよ」

「だから、終わるよ」ちょっと強めに返す。「突然いなくなったら、心配するでしょ、探すでしょ。きっとみんなにだって自慢の家族」

「だから私がいついなくなってもいいように、家族にはちゃんと手紙を書いてあるの。私がいなくなった理由も、ちゃんとそこに書いてある。私を探すことに、限りある人生の時間を費やして欲しくないから。もちろん、家族が狙われるような情報は書いてないから手を出さないでね。私たちと相対してるってことは、そういうことでもあるんでしょ」

 お察しがいいようで。鈴架はうんともすんとも言わず、「紗季がいなくなった理由の中に、こういう生活を始めたきっかけみたいなものは、書いてあるの?」と聞くと、紗季がええとゆっくりうなずいたから、それはそれですごい決断のいることだったと思う。でも曇の影響かな、言いたいことが込み上げてきた。「読んだ家族はどう思うんだろね」

「そんなの、ガッカリするに決まってるでしょ。私だってわかってるわよ、世間に顔向けできるほどの、親でも妻でもないことくらい。でもね、胸は張れるの。そういう人生は送ってきた。良くも悪くも、人の背中は伝わると信じてる」

「伝わるかな。家族のために、自分のためにした決断。そんな間接的に言っても。どうせならさ、突然いなくなった時の手紙じゃなくて、直接会って、いなくなるかもしれない理由を伝えたほうがよくない?」

 目を開けただけの紗季が、ちょっとイラっとしたのがわかった。鈴架は気にせず続ける。

「今からでも遅くないよって言いたい所だけど、紗季を来迎堂に収容しなくちゃいけないから、どうがんばっても家族を遠くから見ることくらいしかできない。だからね、どうせ打ち明けるなら、紗季が苦しくなった時に、話し合いの場を作って、明るくて、笑顔の絶えない家庭をみんなで築けるよう模索するべきだったんだよ。私はこの明るくて笑顔の絶えない家庭生活に飽き飽きしてきてしまいました。このままじゃ私はあなたたちに暴力を振るい、家庭が崩壊してしまいます。それは嫌なんです。この生活は私の夢でしたから。続けたいんですこの生活を。だからお願いします。刺激をください。予想もできない刺激を私にくださいって」

「今更過去を蒸し返すなら、即家庭が崩壊しないアドバイスをくれるかしら」

「してるよ。崩壊しそうなら、そこで崩壊しないよう食い止めなきゃいけなかったんだよ。手紙で回りくどくじゃなく、面と向かって直接言わなきゃいけなかったんだよ。直接言えば伝わる。一度でダメなら何度でも。納得してくれるまで何度でも。ここでしぶとく立ち上がってきた紗季なら、きっとできたはず。なのにしなかった。だから紗季は、ここで人生を終える破目になった」

「言ってくれるじゃない。リトルキャンディーだからって、なに言ってもいいと思ったら大間違いよ」

「力づくで止めてみる? できないよね。紗季は弱いから。中途半端だから」

「黙りなさい」今までにない強い口調だった。

「黙らない」鈴架は負けじとさらに強い口調で返す。「ここで紗季と私は出会ってしまった。もう知り合い以上。知り合い以上の紗季には強くなって欲しい。阿阜里の地に宿る力を持つなら尚更、強く長く生きて欲しい。生きていれば、家族に会いたい思いを強く持っていれば、家族と会える日が来るかもしれない。だから飲んで」鈴架はずっと持っていた飲むゼリーをまた差し出す。

「大きなお世話してんじゃないわよ」さらに強い口調で応戦してきた紗季の腕が、ピクッと動いた。ピクッとしただけだった。ゼリーを払おうとしたのかもしれない。「私は強いから年上を諭してもいいんですみたいなその態度、うざったいわ」

「うざったくていい」鈴架は負けないよう強い口調を続ける。「強いものは弱い知り合いを助けるべき。だから私は諭すよ。『力』に飽き飽きしただけの紗季じゃ、私には勝てない。なんでかわかるよね? なんで本来現れるべき拝礼が紗季に現れないのか、自分でも気づいてるんでしょ? 大事なのは、なんのわだかまりもない心、虚心坦懐。負い目があるんでしょ? 刺激を求めにいった自分に」

「あるわけないでしょ。私が進んだ道に、なんの蟠りもないわ」

「なら見せてよ。明るくて、笑顔の絶えない家庭を求め続ける、紗季の真髄をさ。そしたら私を超えて、紗季の夢の続きができるかもしれない」

「つくづく嫌ね、その言い方。ええいいわ。見せてあげようじゃない」

 紗季の充血した目が、パチッとこれでもかと見開いた。

 鈴架は立ち上がった勢いでスッと後方に飛び、紗季との距離を空ける。

 紗季はゆっくりと首を動かして、正常な首の角度に戻り、立ち上がろうとする。

「キイイイイイ」

 奇声を上げながら四つん這いになり、プルプルふるえながら地面から膝を離し、手を離し、これでもかという大きな奇声を発して立ち上がった紗季は、プルプルふるえながら鈴架を見た。

 常軌を逸した目。頬はげっそりやつれ、泥がついているというだけじゃ言い表せない顔色。唇も荒れに荒れ、口端が白くなり、着ている警備服のような上下もボロボロ。崩壊が始まってる中鈴架に何度も打たれ、話すのも、目を開けるのも大変だったろうに、感じさせることなく、また、立ち上がるなんてね。

 健康極まりないのに、お腹空いたとか疲れたとか、ブーブー言ってた鈴架と大違い。

 紗季の口から、白い息が出た。まさか──。本来あるべき真髄の爆轟じゃないけど、痛みだって相当激しいだろうに。すごいよ、飯塚紗季。

 鈴架は決心して、ずっと持っていた飲むゼリーをポッケにしまう。

 紗季はゆっくり一歩、二歩と前に出た直後、急速にスピードを上げ、大きく腕を振りながら突進してくる。悍ましい圧力が、鈴架の身体を振るわせる。だからって、

「そんなんじゃ私には勝てない」

 鈴架は、《白智》爆轟と唱えた。

 右足を大きく一歩引いて、弓を引くように構え、左手の拇指ぼし食指しょくしの間から紗季を見据える。

 大きく腕を振りながら突進してきた紗季が、右腕を大きく振りかぶった。なんのフェイントもなく、右の拳を鈴架のお腹目がけ振ってくる。

「上等」

 鈴架も照準を紗季のお腹に定め、紗季の拳をかわすことなく、右の掌底を紗季のお腹に突き出す。

 ズドンッ。鈴架と紗季、二人の《白智》が互いのお腹に衝突した。紗季の《白智》が鈴架のお腹に響いてくる……。ただ、それだけ。悲しいことに、ただ、それだけ。それしか感じない。身体の状態はもとより、『天人師てんじし』である鈴架の《白智》に、分家ともいえる紗季の《白智》が勝ることはない。鈴架より紗季の真髄が強かったとしても、授かった地場の濃度、土台ともいえるキリクの濃度が、纏う力を逆転させてしまう。

 鈴架が感じた鼓動はすぐに消え、夜、キラキラ光る下界に憧れた。降りたかった。降りたくても降りられなかった。なんで降りられないの? わかってる。今降りても誰の役にも立てないからでしょ。でも降りたい。こんな狭い所から抜け出して、キラキラした世界をもっと見たい。クッソーっと思って爆轟した《白智》の礼が、紗季の真髄を打ち砕く。

 ミシッっ、と紗季の真髄がへし折れる音と同時に、鈴架の掌底が紗季のお腹に食い込み、ボンッと紗季を後方へ吹っ飛ばすと、紗季は何本もの木を薙ぎ倒してバンッと一本の大樹に減り込んだ。

 鈴架は白い息を吐きながら、木が倒れてできた道を歩いていく。

 途中で、紗季は大樹から剥がれるようにして、地面に落ちた。

 鈴架は、安全な領域で立ち止まる。

「……やって、くれるわね」

 まだ喋るかと思った紗季の横目と、鈴架の目が合う。紗季の口から、白い息は出ていない。

 うつ伏せで倒れている紗季に、もう喋らなくていいよとか言ったら、私の勝手でしょとか言われそうだから、「当たり前じゃん。私二位だから」と白い息が出る。

「……そうだったわね。五十位の私が、勝てないわけね。……ちょっと待って。騙されないわよ。普通は一緒でしょ」

 もう強い口調じゃなく、笑いを誘うような感じだった。

「あ、そうだった」

 鈴架はハニカミながら、自分の短い髪をちょっと触る。

「……騙そうとしても無駄よ」

「騙そうなんてしてないけど」

「……どうだか」紗季はゆっくり手をついた。起き上がる気だ。でも、中途半端な所でどさっと、弱々しく倒れた。「力が、入らないじゃない」そりゃそうだよ。「ァアー」と小さな奇声を発しながら、紗季がゆっくりと仰向けになった時、ズボンのポッケからスルッとケータイが落ちた。紗季は気づいてないみたい。

 そういえばさっき、ケータイが鳴って紗季は目覚めたんだった。「紗季、ケータイ落ちたよ」と紗季に知らせる。

「そう」と言っても、腰元に落ちたケータイを取ろうとしない。真っ直ぐ上を見ていた紗季は、チラッと鈴架を見てから、「悪いけど、取ってくれる? こんな体勢にもなるはずじゃなかったのよ。貴重な体験ね」

 本来あるべき真髄が粉砕されたわけじゃないけど、「そうやって動けたり、普通に話せたりすること事態、すごいことだから」と紗季を褒め称える。

「あら、じゃあ普通は卒業できてるのかしら」

「そうだね、抜かれたね」

「うれしい」紗季が、微笑んだ気がした。「……不思議な気分ね」紗季は呟いた。「全身が、内側に吸い込まれていく感じ。すごく、穏やかな気分」

 紗季の顔色や手も、青白さが加わってきてしまった。崩壊が始まっている紗季に一撃を加える時、覚悟していたことだけど、「それは、『金鼓』に穿孔ができて、紗季の精根が斎殿に吸い取られていくという、完全崩壊への最終段階。そうなると、もうあとには戻れない」

「……そう」

 紗季はぼそっと呟いた。

 でもまだ時間はあるはず。「私は人の呼吸で起きているのか眠っているのか判断できるんだけど」と紗季に近づきながらちょっと嘘を吐き、「さっきケータイが振動して紗季は目覚めた」と紗季の所まで来ると、「大切な人からの連絡かもしれない。見たほうがいい」と腰を折って、紗季の腰元に落ちているケータイを拾う。

「なにそれ。じゃなきゃ、私の意識は戻らなかったと言いたげね」

「そう、戻らなかった。だから人にケータイ見られるの嫌かもしんないけど」もう字を読めるほどの視力もないだろうから、「私が見ていい?」

「……しょうがないわね」

 画面を表示させると、一件のメッセージが表示されていた。誰からかはわからないようになっている。

 紗季からロックナンバーを聞いて「見るよ」とケータイを開けると、『親愛なる息子』とあった。やっぱり家族から。自分で『親愛なる息子』と名前を変えたっぽい。

 新しい部分だけを見るようにして読むと、紗季が叶え続けてきた夢の生活を、垣間見た気がした。

「『親愛なる息子』さんからです」足元で倒れている紗季に、鈴架はハッキリ伝える。「〈お母さんやっぱ今日唐揚げがいい〉だって」

 ……紗季は目を瞑っていた。なんの反応もない。

「紗季?」と名前を呼んでから、「『親愛なる息子』さんが、〈お母さんやっぱ今日唐揚げがいい〉だって」ともう一度ハッキリ、大きな声で伝える。

 ……紗季の目が、開いた。

「……もう甘えんぼさんね」紗季が、笑みを浮かべた。「悪いけど、返信してくれる? ……唐揚げは、貸金庫にあるって。……それから、みんな、愛してるって」と呟いた。「あーこれ、遺言じゃないから。いつものことだから」

 ……いつものことね。「りょうかい」

 鈴架は紗季が言った通り文面を完成させ、メッセージを息子に送った。「はい送ったよ」

 ……目を瞑っている紗季から、なんの反応もない。

「紗季? 送ったよ」

 もう一度、大きな声で伝える。

 そしたら紗季が、今までにない笑みを浮かべた。ドキッとするほど、すごい綺麗な笑顔だった。

「……ありがとう」

 掠れのない声で紗季が言うと、紗季の笑顔だった顔や手が萎んで皺皺になり、線香のように頭から煙が出始めてしまった……。紗季の精根が全部、斎殿に吸い取られてしまった証……。

 もう、紗季の意識は、ここにはない……。

 飯塚紗季の、人生が終わった。

 鈴架はしゃがんでケータイを置き、煙の出た頭から灰と化していく紗季を見つめる。

 伽羅きゃらの、いい匂いがする。

 曲芸過激団『松』所属、飯塚紗季。あなたは未知数だった鈴架に構わず、スルーしてこの地下を出ることもできたはず。最後の最後に、愛する家族と会うこともできたはず。なのにしなかった。

 紗季は、鈴架に奇襲をかけることを決めた。負けが濃厚でも、何度も立ち上がって挑んできた。胸を張れる人生を貫くために。家族に示すために。

 紗季の思いが家族に伝わるかどうかはわからない。でも、食の影響もあるとはいえ、二十六歳と二十四歳の子供がいるとは思えないほど、ラクトンいっぱいの若々しい姿を纏っていたことは確か。なぜ纏えたのか、それはきっと、紗季の人生がキラキラ輝いていたから。

 そう思うのは、ちょっと浸り過ぎだろうか……。調子良すぎだろうか……。

 いいよね、そう思っても。紗季の笑顔に、ドキッとしてしまったんだから。

 キラキラ輝く紗季とここで出会えたこと、誇りに思います。こちらこそ、ありがとう。

 飯塚紗季の人生に敬意を払い、鈴架は安らかに、と合掌した。

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