表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/72

第13話 追放した回復術師が、ハーレムを連れて「ざまぁ」と言いに来た①

 × × ×



「それで、一体いくらもらったんですか?」

「40万ゴールドだ。一人頭10万だな」

「結構シケてますね。あいつ、稀代の呪術師じゃなかったんですか?」

「まぁ、そんだけ高額の賞金が掛かってれば、先に冒険者が倒してるしな。所詮、生き残るのが上手かっただけの小悪党だよ」

「なるほど、そう言う事ですか」



 言って、シロウさんは役所から出てくるなり、1万ゴールド紙幣が10枚入った封筒を俺たちに渡した。



「やったぁ!キータさん、今日は肉食いましょうよ~」

「そうだね。シロウさんとモモコちゃんも、一緒にどうですか?この先に、美味しいステーキ屋があるみたいなんです」



 こうして誘わないと、仕事の話が無い限り、シロウさんは「俺が居ると楽しくないだろ」などと訳の分からないことを言って、勝手に気を使って一人でどこかへ行ってしまうのだ。



「私は、シロウさんが行くなら行きます」

「なら、ここまで結構長かったし、久しぶりにうまいモン食べるか」

「当たり前じゃないですか。シロウさん、またどっか行くつもりだったんすか~?」



 そうと決まれば、話は早い。目星を付けてあるステーキハウス、『フルハウス』へ向かおう。



「僕、三枚くらい食べよっかな~」



 ウキウキで妄想を膨らませているアオヤ君を見ていると、俺も必要以上に楽しみになってきてしまった。この子、こんなハツラツとした顔をする時もあるんだな。

 そう思った時、俺たちとすれ違った冒険者パーティーの一人が。



「きゃ……っ!」



 後ろを歩いていたシロウさんに、ぶつかってしまったようだ。少し走っていたようだから、少女の方から当たってしまったのだろう。



「悪いな、嬢ちゃん。大丈夫か」



 振り返ると、彼は手を差し伸べていた。しかし、転んだのはモモコちゃんくらいの歳の少女であったらしく、シロウさんの見た目に随分と怯え震えてしまっていた。



「おい、あんた。俺の仲間に何をしてるんだよ」



 声の聞こえた方を見ると、後を追っかけて来た黒いマントのようなローブを羽織った男が、シロウさんを睨みつけるように見上げていた。



「体、当てちまってな」

「本当にそれだけか?随分と怯えているようだが」



 まぁ、客観的に見ればそうなるよなぁ。



「く、クロウ様……」



 少女は、未だ立ち上がらずにそう呟いた。しかし、いくら何でもビビりすぎじゃないですかね。



「彼女は、男性恐怖症なんだ。だから、早くそこをどいてくれ」

「なんだあんた、随分態度悪いな」



 言って、シロウさんはそこを退くと、俺たちの方へ歩いてきた。

 ……ん。今、どこかで聞いた名前が呼ばれたような。



「……待て、お前」

「あぁ?どっか行けっつったり、待てっつったり、なんなんだよ」

「お前、ひょっとしてシロウか?」

「そうだけど、お前俺の知り合いか?」

「シロウさん、彼クロウですよ。ほら、後ろに居るのはアカネです」

「ん……。おっ、言われてみれば確かに。全然雰囲気違うから、気づかなかったぜ。元気だったか?随分、髪伸びたな」

「ふん、やっと気づいたか」



 なんか、話しかけてきた割りには全然口を開かないな。どうしたんだろうか。



「アカネも一緒だったか」

「お、お久しぶりです」

「おっす。そんじゃ、元気でな」

「いや、ちょっと待てよ!」



 急に大声を上げたからか、モモコちゃんがクロウの顔を顔を睨んだ。



「キータさん、こいつ誰すか?僕、早く肉食いたいんですけど」

「回復術師のクロウ。前にうちのパーティにいたメンバーで、モモコちゃんより強いよ」

「マジすか。そんなやべえ奴に絡まれてるって、結構ピンチじゃないですか?」

「……どうだろうね」



 クロウの表情は、どうしてか俺には、少し幼く見えた。



「どうした?」

「この子たちを見ろ。俺は新しいパーティを作ったんだ」

「見りゃわかるよ、よかったじゃん」



 後ろには、アカネの他に、獣の耳を生やした少女、やたら巨乳の美女がいる。



「これを見て、何とも思わないのか?」

「あぁ、よかったなって思うよ」

「だったら、何故俺をクビにしたんだ?俺は、お前の言った事が間違っていると証明しただろう?」

「……どういう意味だ?」



 その口調に、アカネを含めた女性陣が少し肩を震わせた。別に、今のは怒ってる言い方じゃないんだけどね。



「だから、理由を聞かせろと言っているんだ」

「お前、そんなに聞きてえのか?もう終わった事だし、お前も新しい場所で元気にやってるじゃねえか」

「俺にとっては、まだ終わってないんだよ」



 そんなに、根に持ってたのか。



「……ふぅ。お前さん、俺の言うこと聞く気、全然なかったろ?」

「俺の方が、強いからな」

「そうすっとな、死ぬんだよ、俺らが」

「は?」

「だからさ、たしかにお前はクッソ強いだろうけど、勝手されると死ぬのよ。俺らみてえなパンピーはさ。単純に、バトルの頭数減っちまう訳だからな」

「シロウさんって、言うほどパンピーすか?」

「アオヤ君、しっ」



 アオヤ君の口を閉じたが、そのせいでもう一方のイラついている影に気が付かなかった。



「ふざけるな!だったら、あの時に説明すればよかっただろ!あんな恥をかかされて、こっちはどれだけ辛い思いをしたと思ってる!」

「ガルルルル……」

「あっ、いけないっ!」



 そう思った時には、もう遅かった!何故なら、モモコちゃんは既に飛び上がっていて、拳を引いて構え、クロウに向けてそのまま勢いよく振り下ろしたからだ!

「面白かった!」


「この後どうなるんだ?」


と思った方は、


下の☆☆☆☆☆から、応援をお願いします!


面白ければ☆5、クソなら☆1と、素直な感想をお待ちしてます!


よければブックマークして続きを待っていただけると幸いです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] シロウ△さんかっけい [気になる点] シロウさん、妻子を病死で失ってたのかぁ。しかも状況的に遺伝性。 ん? 十八の時、妻子のために旅立ち拒否して、現在三十四。モモコは現在十七。……亡く…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ