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25話 人形の家


「遠回りしてそこまで行く! それまで動くな!」

「わかった」


 カラの声に僕は頷くと、そこら辺の岩に腰掛けた。

 そして水筒にいれた水を飲む。


「おっと」


 閉めようとした手元が狂って水筒が地面に落ちた。


「ん?」


 そんな地面に目を移して、僕は違和感を覚えた。何か白いものがある。


「これって、あの翻訳機が入っていた箱の材質に似てるな」


 触れてみるとつるつるしている。

 何かが地面に埋まっているみたいだ。

 僕はそれを掘り出した。


「タイル……?」


 修復してみると、それはただの白い四角いタイルだ。なんてことはない。


「でも、タイルがあるってことは、この辺に人がいたんだ」


 僕はそう思った。


「他に何かないか?」

「アレン様!」


 その時、セドリックとカラが僕の所に駆けつけてきた。


「良かった無事で……。どうかしましたかアレン様」

「セドリック、これを見てくれ地面にタイルが埋まっていたんだ」

「タイル……タイルがあるところ。それは例えば家とか……?」

「やっぱりセドリックもそう思う?」

「ええ。近くを探してみましょう!」


 こうして僕達三人は、あたりを探して回った。


「アレン!」

「どうしたの、カラ」

「これ……見てくれ」


 それはただの洞穴に見えた。だけど大きく違っていたのは、白い扉がついていたことだ。

 蔦や木に囲まれていたけれど、紛れもない人工物だ。


「これ……家だ……。そうだよね、セドリック!」

「ええ。入ってみましょう」

「うん!」


 僕達はその白い扉に手をかけた。だけどびくともしない。


「んぎぎぎぎぎーっ、駄目だ」

「アレン様、『修復』をかけてみては」

「そうだね……扉を修復!」


 扉に向かって修復をかける。あれ……これは……タダの扉じゃない……。


「うーん、直しても開かないぞ」

「カラ、僕に任せて」


 僕はその扉の前に立つと、翻訳機をかざした。するとスーッと白い扉は左右に開いた。


「開いた! アレン、開いたよ」

「うん。中に入ってみよう」


 僕達はその洞穴の中に入ってみた。


「暗い……」

「ちょっと待って……」


 僕は壁に手をやる。これも修復だ。一気に魔力が抜けて行く感覚がして、その代わりに壁のランプが点灯した。


「わっ、火がついてないのに灯りが……」

「なんでしょう、これ」


 カラはそれを見てひっくり返りそうになっているし、セドリックは首をひねっている。


「これは、うーんと……雷の力で灯りがついているんだ」

「雷……?」

「うん。ここの設備はそれで動いている」


 僕も初めてそんな動力があるって知ったから上手く説明できないや。


「そのペンダントで開いたんですね」

「うん、なにかの鍵って情報はこのことだったんだ」

「ほう……」


 セドリックは自分のペンダントを見つめた。


「開け……!」


 そして廊下の奥の扉にセドリックはペンダントをかざした。


「……なにも起こりませんね」

「セドリックのは複製だからかもね」


 僕はオリジナルの翻訳機を扉にかざしてみた。


「あっ、開いた!」


 またさっきみたいにスッと扉が開く。


「ここは……」


 その先に恐る恐る足を踏み入れた僕達は息を飲んだ。


「家だね……」


 デザインはこのペンダントみたいにつるっとして素っ気ないけれど、そこに置いてあるソファやテーブルは間違いなくここが生活空間であったことを示している。


「家具か。あるとありがたいね」

「そうですねぇ」


 でも僕達は筏で来ている。大きい家具は無理だな。


「椅子の一つくらいならいいだろうか」


 そう思って、僕は小さめの椅子がないかと視線を移して仰天した。


「うわああああ! 死体だ!」

「えっ」


 僕の悲鳴にカラが尻餅をついた。


「アレン様、落ち着いてください。こんなところに死体があったとしても骨になってます!」

「あ……そうか」

「良く見てください。人形ですよ」


 そこには女の子の人形が椅子に座って目を瞑っていた。


「なんだ……」


 まるで生きている人間みたいだ。人間だったら十代半ばくらいだろうか。紺色の膝丈のドレスに白いエプロン。……なんだかメイドさんみたいな格好をしている。


「なんでこんな馬鹿でかい人形なんか……」


 僕がその人形に触れた途端、とんでもない量の情報が飛び込んできた。


「うわっ!」


 今度こそ、僕はひっくり返った。

 これは……ただの人形じゃない……!


「セドリック、この人形を持ち帰るぞ」

「えっ、大変ですよ」

「いや、この人形は大変なものだ。きっと僕達の助けになるよ」

「それって……」

「うん。持って帰って『修復』する。このペンダント以上に複雑だけど……」


 やってみる価値はある。

 僕はセドリックとカラに手伝ってもらい、洞穴から人形を椅子ごと運び出した。


「面白い」

「続きが気になる」

「次回も楽しみ!」


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