表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シノビーツ・ナイトコア  作者: 駿河ドルチェ
要塞国家エンデラと不死族
54/76

レガリスタ

「それでだ千景(ちかげ)……」


「なんだ」


「あれのことなんだが……」手に持った武器らしき十字架で賢石(けんせき)をもう一度さした。


「賢石のことか?」


「賢石……そうか、うん、そうだな、あの賢石のことなんだが、俺が持って帰ってもいいか?」


――賢石にあるドロップ情報等はすでに取得してるが、文字化けしているのか字が読めない


「あれが必要な理由はなんだ?」


「俺達に必要なものなんだ、それ以上は答えられない」


「それじゃあ、あれは渡せないな、ヴィネリアを倒したのは俺だ、あれにはまだ利用価値がある」


「そうか、じゃあどうしたら譲ってくれる、あれを持っていくのが俺の仕事なんだ」


「情報がほしい、まずはザックフォード、お前が何者かだ」


「情報か、答えられる範囲のことは誠実に答えようじゃないか、ただ言えないことは言えない、俺は聖魂騎士団所属聖遺物回収特務部隊『レガリスタ』のメンバーってとこかな」


――聖魂騎士(せいこんきし)……虎徹がアジトを潰した時に、そこにいたやつらを引き取ったやつか、聖遺物(せいいぶつ)……


「賢石が聖遺物ってことか?」


「そうだ、だから俺が回収する」


「なぜ俺とヴィネリアがここで戦っているのを知っていた、タイミングがよすぎる」


「言葉を貰ったかな、俺が言えるのはここまでだ」


「聖杯のことについて何か知っているか? どこにあるのかとか、俺はそれを探してるんだ」


「聖杯か……ありかは知らない、俺達も探している」


 ザックフォードは自分が言った通り、誠実に答えているように見えた。


「他になにか?」


「知りたいことは大体そんなところか」


「そうか、ならもういいか」ザックフォードが手を振ると、崖の上の岩陰から数人、ザックフォードと同じような鎧をつけた者たちが出てきた。そして「おいっ、運び出せ!」と命令をした。千景はその様子を見て、水音と宙音がいる丘のほうに向かった。


――賢石が持っている情報は抜いてあるから、ザックフォードが持っている情報を聞き出せた分得したか。聖杯のありかは知らず、探しているか……そういえば『アルタヴァンピエスタ』の生き残りが水音達の方に突っ込んでいったが、まあ心配ないか


 千景は、加速して丘に向かっている途中背後から、強烈な爆発音が響いた。なんだ、と後ろを振り返り、身構えると、賢石が粉々に砕かれ、中から人型の何かが出てきた。なんだあれ、千景はザックフォードの元に加速して舞い戻る。どこかの司祭のような聖職服を身に纏った少女が、ザックフォードの仲間が担ぎ上げ運び出していた。


 千景は、ザックフォードの近くまで行くと「俺は石はくれてやるといった。ただその中身には言及していなかった。違うか? こちらが知らないからといって、騙しうちのようなことは許せないな、それはアンフェアーだ」


「おいおいおい、冗談はよしてくれよ、お前は、箱だけ渡して中の商品を渡さないというつもりだったのか、俺はお前の質問を受けてそれにきっちり答えた。そうだよな? お前は一回立ち去ったんだから、俺の答えに満足したんだろ? これはもう終わった取引だ」


――しくじった。賢石と勝手に決めつけて、ゲーム内と同じようなものだと思い込んでた。中に人がいるなんて想像すらしていなかった。無理矢理連れ帰るか。


「沈黙だな、納得してくれたと俺は取るぜ、わかってくれてなによりだ、心配するな、俺達は騎士だ、下種な扱いはしない」


「本当だな」


「約束しようじゃないか、このザックフォードの名にかけて」そう言いながらザックフォードは周りにいる騎士たちに引き上げるように手で合図した。


――しょうがない、今回は引く


「わかった」


「わかってくれてなによりだ」と言ってザックフォードは悠然と騎士たちの後ろをついていった。


――思い込みはだめだ、聖魂騎士、教会の手の者か、あそこは何かを知っている


 千景は一回深呼吸をして、水音達がいる陽光の丘をもう一度目指して加速した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ