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シノビーツ・ナイトコア  作者: 駿河ドルチェ
要塞国家エンデラと不死族
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賢石

「背中なら、(すき)があると思ったか、人間」首が一回転してヴィネリアがこちら側を見た。それにつられるようにヴィネリアの体が高速にまわり、千景を弾き飛ばした。千景は反応こそしていたが、勢いを殺しきれず、体を地面に激しく打ちつけた。この世界に来てからの初めて受けたダメージらしいダメージ。ただ単純な打撃のダメージだったためそこまでの痛みはなかった。


 すぐに飛び上がる様に立ち上がった千景に「こざかしい、何をした、人間」ヴィネリアが低い声ですごむ。千景が二刀で切り刻み、ボロボロになった手を、観察するように見ている。


――攻撃は効いている、ただ溜める時間が作りづらくどうしても攻撃が浅くなる。このまま少しずつでも削りきるか、ただ……


 直線距離にして100メートルはあろうかというムカデの半身を持った大女のヴィネリアに対して、少しずつ削るというのは、時間がどこまでかかるかわからなった。


 その時唐突に「助太刀しようじゃないか!」という声が(とどろ)いた。千景とヴィネリアが同時にそちらの方を向く。助太刀すると言った声の持ち主が続けざまに『シャイニング・スフィア』と大声で叫んだ。そう言った瞬間に、目が眩むような光がヴィネリアと千景を覆った。千景は、着ている忍者装束のおかげで状態異常には耐性があるのですぐさま、視界を取り戻した。


 目に写ったのは、巨大な光の玉がヴィネリアの半身を抉り取り、上空に打ちあがった後静止したところだった。予想外の手痛い攻撃を受けたヴィネリアは、この世の終わりを告げるような絶叫を発した。更に痛めつけるように光の玉は、ヴィネリアに向かって小さな太陽のように光を照射し続けた。『実存照鏡(じつぞんしょうきょう) 破魔の型』と同じような効果の魔法かなにかか。あれは浄化の光。黒い蟲の集合体もその光を嫌がる様に、ヴィネリアの体から離れ、逃れようとしていた。


――これをやったやつのことが気になるが、今はヴィネリアを殺しきるのが先か


 千景は『転火(てんか)』を繰り返し、速度と攻撃力をあげる。限界まで近づいたその瞬間に、ヴィネリアに向かって一気に距離を詰めた。そして神滅刀『天奏一華(てんそういちか)』だけが持つ固有刀技能『桜花一閃神滅』をヴィネリアに叩き込んだ。振り下ろされた刀の軌跡(きせき)を追う様に大量の花びらが舞い散る。


「貴様ああああああああああああああああああ」それは千景に言っているのか、光の玉を放った主に言っているのかわからなかった。ヴィネリアの体のあちらこちらから、勢いよく黒い煙が噴出していくが、光の玉の光に焼かれた後消えて行った。


 ヴィネリアは「うお……ぐうお……」と声にならないぐぐもった音を発しながら、力なくムカデの部分の足が折れ、体が地面に横たわらせた。千景が終わったかと思った瞬間に、パーンという炸裂音がして、何事かと周りを見回すとヴィネリアの体は消え失せそこには代わりに巨石のような大型の『賢石(けんせき)』があった。


『賢石』は『倭国神奏戦華(わこくしんそうせんか)』内の敵を倒した時に出てくる素材情報やドロップ情報が詰まった、中央に桃色の発行体がある青いガラス石のようなもの。


――なぜここに賢石が……


 千景が賢石を見て衝撃を受けている時に「やるじゃないか」と男の声で話しかけられた。

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