表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/83

69.望まぬ邂逅

1


 数時間ほど魔法を練習したあたりで違和感を感じた。

 ……魔法が全く身についていない。


「『低周破動ウェイブノイズ』」


 魔法を発動してみるが、以前の感覚で唱えたそれは全くと言っていいほど反応を示さなかった。

 光が現れるとか、キーンという音が聞こえるとか、そういうわけでもないのに、ただ魔力が吸われている感覚。

 ……この魔法だけは、他の魔法と勝手が違うのか?


「『低周破動ウェイブノイズ』」


 今度は別の体勢で魔法を使ってみるが、同じく魔力を消費して全く反応が返ってこなかった。

 ……まぁ、これは音響兵器と言って差し支えなく、発動者本人に一瞬だけでも体をうごかせなくなるような音が届くのは問題だから聞こえていないだけかもしれないが、それにしたっておかしい。

 とにかく今日の練習はここまでにして夕食を摂ろうと振り返り少し歩いたところで、後ろから(・・・・)声がかけられた。


「君が噂に聞く器の少年だね?」


 こいつは、いつ俺の後ろに立った?

 先程まで魔法を練習していた時には人影は微塵も見えなかった。

 そして、振り返った直後に後ろから声をかけられるとは、それこそ瞬間移動して現れたとしか思えない。


「……人違いだと思いますよ」


 振り返って一応シラを切っておく。

 見たところ日本人っぽいイケメンの顔立ちの青年だ。

 髪は黒く、肌は白い。瞳の色も黒。

 転生者かその類か? それにしても、放たれているオーラが尋常じゃない。

 闘技場で戦っていた四人、あの人たちが全員束になってチート並みに連携が取れていたとしても勝てる相手には見えない。


「隠さなくてもわかるさ。僕も君と同じ器を持った男だからね」


 男はそのまま腰を折り曲げながら礼をした。


「申し遅れました、僕はハヤト・クレセント。本名は橘花隼人タチバナハヤト、僕も君と同じ召喚者だった」


 そう言って目の前に立っていたのは、今俺が手に持っている魔道書の著者本人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ