42.酒場にて
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ケーナちゃんと別れた俺は、ギルドのようなものに所属している人物が集まりやすそうな場所を探すことにした。
ということで今俺が探しているのは酒場のようなもの。
まず、俺の意図としては酒場を探すことに2つほど理由がある。
一つ目は北の魔女についての情報収集。
そしてもうひとつの理由が、荒事が起きた際に凍結魔法と守護魔法のみで通用するのかどうかという戦闘データが欲しいからだ。
……戦闘データと言っても、これはあくまでもおまけみたいなものでメインは北の魔女の情報なんだけどな。
ということで、再び昨日の深夜と同じ道のりを行く。
現在歩いている道はどちらかと言うと原宿のような、商店街に近い場所だ。
そして俺が今考えている理想の場所は歌舞伎町のような歓楽街。
これは俺の偏見だが、ならず者は女と酒を好む傾向がある気がする。
ちょうどこの時間なら深夜までダンジョンみたいなところでモンスター狩りに勤しんでいたハンター達が帰ってくる頃だろう。
そう思って、俺はあえて人の流れに逆らって人口が少なそうな方を目指して歩く。
そのまま数十分歩いていると、徐々に戦闘用の服装を着ている人も増えてくる。
そして程なくして視界に一般人が映らなくなった。
「この辺りか?」
人の感じ的にこの辺りに酒場はあるはずだ。
「あった」
路地裏のあたりを注視しながら歩いていると、酒場らしい看板を吊り下げた薄汚い店を発見した。
ベルを鳴らしながら扉を開ける。
その瞬間、部屋の中から漂ってくる酒と肉の焼ける匂い。
その芳醇な香りは、本来の目的を忘れて昼食を摂ってしまいたくなるくらいには俺の視界に魅力的に写った。
だがしかし、悲しきかな今の俺には昼食よりも大事な任務がある。
俺は大柄で「筋肉こそ物理」のような体型をした男性に声をかけることにした。
「すいません、相席いいですか?」
俺はなるべく子供に見えるように話しかける。
「あ? おいおい、ここがどんな場所かわかってんのか? ジブンみたいな餓鬼は帰んな」
そして、その筋肉もりもりマッチョマンは案の定俺の作戦通り煽ってきた。
「いいじゃないですか。座らせて頂いても」
俺はそれに対してあくまで真摯に対応する。
「あぁ? 餓鬼がイキってんじゃねぇぞ!」
しかし、それに筋肉もりもりマッチョマンは大声で脅してくる。
その声で、酒場内が俺と筋肉もりもりマッチョマンに視線が集中した。
俺にヤジが飛ぶ。
大半はやっちまえとか、いわゆる戦闘をほのめかすものだ。
「僕は情報が欲しいだけなんですけど……」
「甘えたこと言ってんじゃねぇよ。情報だってタダじゃないんだ。欲しいなら俺から力ずくで奪ってみやがれって、な!」
そして、状況は俺が予想したとおりに運ばれていく。
……さて。それじゃあ実践でどれだけ俺の魔法が効くのか試すことにしようじゃない。
「ではお言葉に甘えて」
戦闘開始と行きますか!




