ショートストーリー 9条をめくって戦争が
東アジアに東西に長い国というか南北に長い国というか
とにかく細長い国J国がある。
J国には戦争を放棄した第九条の憲法が定められている。
自衛隊はあるが
この軍隊らしき自衛隊は先制攻撃は出来ない。
自国がやられそうになったとき始めて受動的に
自衛隊は行動する。
ところがとある年に
この憲法九条を改正して
専守防衛だけでなくて
積極的に普通の軍隊として国を守り
世界平和のために
他国にも攻め入ることが出来る法律を作ろうとした総理がいた。
幸いこの総理が属する党は
与党である他の党とあわせると
議席の3分の2はある。
憲法改正するのに十分な議席である。
総理はこの際と思い憲法改正に踏み切った。
幸い議案が通ったが
やっかいなのは憲法を改正するかどうかの住民投票が待ち構えていた。
その住民投票も無事終わり
改憲派が五十一%占めて憲法改正が実現しようとしていた。
ところがある都市で護憲派と改憲派が激しくぶつかり合い
騒動が起きた。
そしてその騒動は全国の都市に波及していった。
デモから暴動へ
暴動から戦争に発展した。
国が憲法九条を巡って二分され
そのために戦争にまで発展していった。
戦争を放棄した憲法九条があるこの国が
自ら国を二分して戦争を始めたのだ。
ああ何たる矛盾!!!