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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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勝負 

申し訳ありません。

今日の投稿は急な私用の為、予告せずに早めに投稿しました。

ザールさんの攻撃を見て、ただの魔法ではないことに気がつく。

ザールさんが、俺達の方へ帰って来る。


「いつも通り師匠の技は凄いですね!」

「近くにいると、蒸発してしまいそうです」


ヤニックとアルベールさんがそう声を出す。

俺は、ザールさんの体を見ると、背負っている大剣が赤く光っている。

つまり、あれはザールさんの魔法ではなく、背負っている大剣が魔法を使っているという事だ。

俺がそう思っていると、ザールさんが、


「これが俺の大剣、竜焔剣の力だ」


そう言ってくる。


「それが前に言っていたドラゴンの素材を使用して創った剣の威力ですか」

「あぁ、今のはあの程度の威力にしたが、もっと強い炎も出せる」


ザールさんがそう言うと、


「どうだ俺の師匠の力!お前の魔法なんかより強いぞ!」


ヤニックがまるで自分のことのように話してくる。

確かに強い…。

だが、これは初めての事態なので色々気になる事がある。


「それって、ザールさんはMPを消費してるんですか?」

「消費はするが、他の魔法よりかは少ない」

「もう一度見せてもらうことって可能ですか?」

「あぁ」


俺が頼むとザールさんは、大剣構える。

俺は魔素の動きを見ようと、目を凝らす。

すると、やはりザールさんも少し光っているが、赤く輝いているのは大剣の方だ。


「炎斬!」


さっきよりも激しく燃えている炎の斬撃が草原の地面を焦がす。

あの大剣が魔法?を使っているのはわかった。

俺の予想だが、ザールさんがMPを大剣に注いで、大剣が炎を出しているのだろう。

大剣を背負い直したザールさんが、俺達の方へ戻ってくる。


「ありがとうございます」


戻ってきたザールさんにそう言うと、


「君の魔法は変わった魔法だが、何魔法なんだ?」


ザールさんが、俺に聞いてくる。

俺の魔法…、何て言えばいいんだ?

俺がそう思っていると、


『シュウのは魔素を使っているから魔法であって魔法ではないわよね…。とりあえず、無難に風魔法の応用って事にしておきましょう』


リーシャが助け船を出してくれる。


「俺の魔法は…風魔法です」


俺がそう言うと、


「そうなのか…良い魔法を使う」


ザールさんがそう言ってくる。

俺はザールさんに頭を下げると、


「お前、風魔法が使えるのか~?」


ヤニックが俺に聞いてくる。


「あぁ、使える」

「なら、俺と勝負しようぜ」

「勝負?」


ヤニックが俺を指差してそう言ってくる。

だが、俺には勝負する意味が分からない。


「何で俺が?」


俺がそう言うとヤニックは、


「ヴェルーズ冒険者ギルドの期待の新人の座を賭けて俺と勝負をしろ!」


俺に勝負を仕掛けてきた。

コイツはどうしてこんなに面倒くさい奴なんだ…。

俺がそう思っていると、


「いい加減にしろヤニック」


ザールさんが止めに入る。


「ヤニック…ザールの言う通りですよ。しつこいですよ」


アルベールさんもヤニックにそう言うが、


「俺はコイツが気に入らないんですよ!」


ヤニックが止める2人に言い返す。

これはもうどうしようもないな…。


「わかった。勝負しよう」


俺がそう言うと、ヤニックは、


「よし!じゃあ、今からだ」

「おいヤニック!」

「ザール…彼も良いと言ってるんです。大人しく見物人になりましょう」


ザールさんがヤニックに何か言おうとしたが、それをアルベールさんが止める。

それからザールさんとアルベールさんが俺とヤニックから離れた所に行く。

ルリィも2人の所へ行かせる。


「良いか?どちらかがぶっ倒れるまで終わらないからな!」

「はいはい…」


ヤニックが俺に言ってくる。


『シュウ、どうするの?』

『とりあえず、剣は使わないよ。下手したら斬り殺しちゃうし…』

『私が手伝いも必要なさそうだし…』

『それに、試してみたい事があるんだ』


俺はそう言いながら、リーシャの声に明るさというか元気がない。

リーシャの様子がおかしい。


『どうしたのリーシャ?』

『私…シュウと戦う事が出来なくなって少し寂しいわ…』

『リーシャ…』


俺がリーシャと話していると、


「行くぜ!」


そう言ってヤニックが突っ込んでくる!

だが、刀は抜かないで納刀したままだ。

ヤニックは走りながら、俺に向かってくる。


「…魔拳」


ヤニックが魔法を使わないのだ。

俺も近接攻撃の魔拳で戦おう。

それに、これが試してみたい事だ…。

そう思って、右腕になっているリーシャを覆う様に魔素を圧縮する。


「はぁぁ!」


そうしていると、一瞬で鞘が目の前に現れる!


「うおっ!」


俺は寸前で避ける。

後ろに下がりその場から離れると、


「チッ!避けやがって」


ヤニックは自分の持っている刀で肩をトントン叩いている。

あの速さ…加速魔法だな。

俺がそう思っていると、


「まだまだ行くぜ!」


ヤニックはそう言って、刀で殴ろうとしてくる!

ただ、コイツの加速魔法の使い方は凄いと思った。

速さに強弱をつけて、俺が反撃しようとするとスピードを緩めたりしてくる。

逆にスピードを速めて、一瞬で俺の間合いに入ってきたりする。


『この男、なかなか加速魔法を上手く使うわね』


リーシャが、褒める程だ。

だが、コイツの攻撃を観察しているうちに、コイツの弱点がわかってきた。

コイツは必ず加速魔法を使う瞬間に、左足で地面を蹴る。

後は、コイツの動きを把握するしかないんだが、これに関しては速すぎてヤニックの動きが見えない…。


『シュウ左!』


リーシャが合図をしてくれるからこそ、ヤニックの攻撃を避ける事ができる。


「チッ…意外にしぶといな」


ヤニックが俺を睨みながら俺に言ってくる。

コイツ、意外に強かったんだな…。

俺はそう思いながら、もう一度リーシャを覆う様に魔素を圧縮していく。


「はぁぁ!!」


ヤニックが迫ってくるが、そこまでの速さは無い。

普通にリーシャで殴ってしまったら、真っ二つに斬り裂いてしまうが、魔素で覆えば殴る事も可能だと思ったのだ。


「魔拳!」


瞬間!

ヤニックの顔面を殴った!


「ぶへ…」


ヤニックが吹っ飛んで地面に倒れる。

そのまま起きる気配がないので、近くに行くと完全に気絶している。

やりすぎた…。

そう思っていると、


「ほっといてかまわない…」

「1時間もすれば気がつくでしょう」


俺達の勝負を見ていたザールさんとアルベールさんが来てそう言った。


「ご主人様!お疲れ様です!」


ルリィが俺にすり寄ってくる。

可愛いから、つい頭を撫でるとルリィは更に頭を俺に向けてくる。


『シュウ、後で私も撫でてね…』

『う、うん』


リーシャが低い声で言ってくる。

すると、


「それよりもシュウさんの魔法、風魔法ではないですよね?」


アルベールさんが、俺に言ってきた。


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