破壊
急用の為、早くに投稿する事にしました。
申し訳ありません。
トカゲの首を刎ね飛ばした後、俺は死体に近づいた。
どうやら実戦で戦えるレベルにはなっているようだ。
だが、まだ足りない。
もっと強くならないといけない。
俺はそう思って森に近づいて、木を切り刻んでいく。
なかなか進歩できず、3つの刃しか飛ばす事が出来ない。
仕方ない、今は別の事をしよう。
そう思って、小さいボールを2つ作る。
それを浮かせて、俺から少し離れた所でぶつけると、
パァン!
と破裂した。
これは、圧縮した魔素の大きさで違うのかな?
それとも圧縮しまくった魔素をぶつけた方が良いのかな?
考えるより実践してみよう。
俺はそう思って、まずは魔素を圧縮して大きめなボールを2つ作る。
俺が飛ばせる限界まで飛ばしていき、そこでぶつけた。
バァァンッ!!!
轟音を立てて爆発した!
衝撃波が肌に当たる。
なかなか大きい爆発だった。
次に、ゆっくりとだが魔素を圧縮していく。
そうして出来たのは、いつものサイズだがより圧縮して作ったボールを2つ。
先程と同じように飛ばす。
バァァンッ!!!
先程と同じぐらいの轟音!!
火薬を用いていない故か、熱波は来ないが衝撃波が肌にビシビシと当たる。
どちらも変わらないぐらい強い爆発だった。
そして俺は、閃いた!
大きく、より圧縮した魔素の塊を作り衝突させれば、一番強い爆発を引き起こすことが可能ではないかと。
俺はそう考えて、魔素を圧縮していく。
すると、圧縮する事に集中し過ぎている所為で1つしか、この大きな魔素の塊を作れない…。
仕方なく、今まで作っていたボールを左手に作る。
塊に近づき、魔素を操り衝撃に耐えられるように魔素を圧縮して作った膜を体に張る。
「これをこの塊に…」
俺はそう呟いて、全力でぶつける。
瞬間!
衝撃で吹っ飛ばされる!
地面に体を何度も打ち付けながらも、ようやく止まる。
起き上がろうとしても体が動かない…。
強すぎる衝撃の所為で体を覆っていた魔素の膜が消滅している。
耳が激しく痛み、爆発音の所為か聞こえにくいが耳鳴りがする。
辺りは砂ぼこりで、見通しが悪い。
「おい!どう……だシュウ!!今…爆…は!!」
「シュ…!!…た…発し……!!?」
どうやら2人にも爆発させたのがばれたのか、2人が森の方から走ってくるのが影で見える。
2人が倒れている俺を見つけると、顔が青ざめている。
「リーシャ!」
アルが何かを言っているが、上手く聞き取れない。
「わかってるわ!!天聖治癒」
リーシャが魔法を使ったのか、リーシャの手から温かい光が俺に降り注いでくる。
アルは、その様子を真剣な表情で見ている。
少ししてから、体が動くようになってきた。
それに、耳が聞こえる。
「大丈夫かシュウ?」
「体に異常はない?」
「うん…ありがとう」
俺は2人にお礼を言って、起き上がる。
「何があったんだ?」
アルが俺に聞いてくる。
「その…魔素を圧縮した物同士を勢いよくぶつけると、爆発するのを知って…それを使いこなそうと思って…」
俺がそう言うと、2人共怒っている…。
顔が、直視できない…。
「シュウ?あれを自分から起こすなんて何を考えているの…?」
「流石にオレも、ちーとばっかし頭に血が上ってるぜ?」
それから俺は、2人に散々怒られてしまった…。
自分を大切にしろと。
2人が言うには、駆けつけて俺を見た時は、死んでいると思ったらしい。
首と腰以外の関節が変な方向へ向いていたらしい…。
俺自身は、全く体に痛みが無かったせいでわからなかった。
それと、自分で一番後悔したのは、リーシャが買ってくれた防具が砕け散ってしまっていた…。
リーシャに謝ったら、怒られてしまった。
防具なんていくらでも買ってあげるから、もっと安全に気をつけて!と。
「良いシュウ?これからは危険なことしない?」
「…な、なるべく」
「リーシャ、シュウまたやる気だぞ」
「シュウ!!!」
アルがいると、隠し事をしてもバレテしまう…。
それからも2人の説教は終わることは無く、夕方になるまで俺は2人の顔を見れず地面を見つめていた。
それから今日は帰ることになり、俺は立ち上がる。
すると、
「ここ…どこ?」
いや、場所はさほど変わっていない。
そう言ってしまう程、地形が変わっていたのだ。
地面は砕けているし、そこに生えていた草木も無残な姿になっている。
そして、禍々しい木が生えていた森の一部が消し飛んでいた。
これを、俺がしたのか?
そう思っていると、
「これを直すには、少し時間が掛かりそうね…」
リーシャがそう言う。
するとアルは、
「今やらなくても良いんじゃねえか?またここを離れる時で良いだろ」
と言って、森の方へ歩いて行く。
「…そうね」
リーシャもアルの後に付いて行こうとして、足を止めて俺の方へ振り返る。
「行くわよシュウ」
リーシャはそう言って、俺に手を伸ばしてくる。
「ありがとう」
俺はそう言ってリーシャの手を握る。
すると、
「まだ言いたいことは終わってないわよ」
リーシャはそう言って、俺の手を握る。
握るというよりも掴んでいる…。
「その…ごめんなさい」
「ダメよ…シュウには私がどれだけシュウの事が大切かわかって無いみたいだから、じっくりと…ゆっくりと話しましょうね?」
リーシャの顔を見ると、リーシャは微笑んでいるが、雰囲気が怖い…。
それから、俺が破壊した森を入っていき、テントに戻る。
テントの所は被害はなさそうで安心した。
だが、あの技はあまり使えないなと思う…。
一発が強い分、周りにいる人にまで被害が及ぶ可能性がある。
だが、もう少しうまく使えそうな気がする…。
2人を説得出来るかが問題だ。
夕食を食べて、2人にお説教されて、2人を説得しようとした瞬間アルが、
「シュウ、そういえば名前決めたのか?」
俺に聞いてくる。
「名前?」
「ほら、シュウって自分にしか使えない戦い方するじゃねぇか」
「ま、まぁ、そうだね」
「なら、魔法名?技名?を決めねえとな」
「それって必要なの?」
「技を使う時にパッと使えるようにするにはその方が良いんだぞ?一回一回技の手順を考えながらだと、相手に先制攻撃されるからな」
アルが説明してくれる。
つまり、技名を言うことでイメージしやすくて体で覚えている技を即座に使う事が出来る様になるって事だろう。
だが、問題がある…。
俺には…ネーミングセンスがない!
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