裏の奴隷館
読みにくいと思います。
後日、書き直す予定です。
宿を出て、昨日のおっさんが話していた奴隷館を目指す。
やはり、町の者は朝だというのに飲んだくれてグデングデンの者もいる。
そんな町を歩いているうちに、奴隷館に着いたようだ。
『ん~、建物は綺麗だけど入りずらい』
『入るのよシュウ!』
リーシャに言われておずおず中に入る。
「いらっしゃいませ、どのような奴隷をお望みですか?」
中に入ると俺に声をかけてくる小太りな男。
「エルフはいますか?」
「申し訳ありません。今、エルフはいないのです」
俺が訊ねると男は頭を下げながら言ってくる。
「そうですか。ありがとうございます。失礼します」
そう言って俺は本命の裏の奴隷館を探そうと扉から出ようとする。
裏の奴隷館の事を聞き出そうと思ったが、他の奴隷館の事を教えてくれるとも思わない。
すると、
「師匠、大丈夫ですよ。次行きましょ次」
「そうだな」
「諦めてはいけませんよ」
どこかで聞いた声が聞こえた。
振り返ると、奥の通路から出てくる3人組。
『嫌な予感が…』
『私もそう思うわ…』
そんな事を思っているうちに3人のうちの1人が俺に気付く。
「ん?君は確か」
やはり、ザールさんとその一行か…。
つまり…。
「あ~!テメェ!生意気な新人!今日は…女はいないん…だな?」
ヤニックと言ったっけ?
毎回俺に絡んでくる奴。
だが、今日は俺が1人だと気付いたのかどんどん可哀想な人を見る目になっていく。
変な事でも考えている顔だ…、失礼だな。
ヤニックは俺に近付き、肩に手を置いてくる。
「新人、女に振られたからって奴隷を買うなんて止めな」
なんてこと言ってくる。
失礼過ぎるだろコイツ。
「振られてないですよ」
「あれ?そうなのか?」
そう言うとヤニックは俺から離れる。
「ところで3人はどうしてここに?」
俺は純粋に思った事を聞くと、ザールさんの顔が曇る。
マズいこと聞いたかも…。
そう思うと、
「誤解されるのは嫌だからな」
ザールさんが呟く。
「ここじゃ営業の邪魔になる。外に出よう」
そう言って俺とザールさん一行は奴隷館を出る。
奴隷館を出て、奴隷館の脇の小道に入る。
カツアゲの場面みたいだ。
「俺達がヴァランス帝国の奴隷館にいるのは、ある理由があるんだ」
「理由?」
「あぁ、まず俺が世間ではドラゴン殺しと呼ばれているのは知っているか?」
「はい、知っています」
確か最初にこの人達に会った時に周りの冒険者がそう言っていた。
「実は俺はドラゴンを殺してはいないんだ」
「え?」
「ドラゴンを傷つけ追い払ったに過ぎない」
「追い払う?」
「俺の故郷はサンレアン王国から東の国でな。出稼ぎに来ていたんだ。こちらの方が魔物が多くて金になったからな。俺ともう1人の仲間と一緒にヴェルーズを拠点に魔物を狩っていた。半年に一度、故郷に帰る事にしていたんだが、ある時に帰った時に俺達の村は焼け野原になって無くなっていた。理由はドラゴンだ。奴が俺達の故郷を襲って皆散り散りになってしまった。俺は故郷でドラゴンに敵討ちをするために残り、仲間は皆を探しに旅に出た。だが、俺はドラゴンを殺すことは出来なかった。切り落とした羽や尾を素材にこの大剣を作ってもらい、名を上げて故郷の皆が俺に気づいてくれるか、情報を待っているんだ」
「それで、情報があってここに?」
「あぁ、東の顔立ちの女が奴隷館にいるのを聞いてな」
この人も壮絶な人生を送っているんだな…。
「それで、君はどうしてここに?」
「俺はエルフに用事が出来たんですけど、森に入るのにエルフの力が必要な事を知って、あるエルフを探しているんです」
「それは、もしかしてエルフの長が殺されたというものか?」
「はい、知ってたんですか?」
「情報屋の知り合いから聞いてな」
流石一流冒険者、人脈は広いようだ。
「だが、何故君が?」
「ヴェルーズのギルド長に頼まれまして…」
「……そうか。ならこの道を真っ直ぐ進んで右に曲がった所にある、小さな小屋が建っている。そこに行くと良い」
そう言うと、ザールさんは2人を連れて去ってしまった。
深く聞いてこないのは何かを察したのだろうか。
考えていても仕方ない。
俺はザールさんの教えてくれた道を歩いていく。
真っ直ぐに歩き、右に曲がると広い空き地にポツンと建っている小屋がある。
ザールさんが言っていたのはあそこか。
そう思い小屋に歩いていくと、
『これは…』
リーシャが何かに気がついたのか声を出す。
『どうしたの?』
『この下に人がいっぱいいるわ』
人がいっぱい…。
もしかしてここが裏の奴隷館か?
しかも、下と言う事は地下。
普通の奴隷館は建物があり、そこに奴隷がいるはずらしいんだが、この裏の奴隷館は小さな小屋に奴隷がいるんじゃなくて地下に奴隷がいるのか。
ここまで小さいと奴隷館とは思えないもんな。
そんな事を思いながら、小屋の扉をノックする。
すると、
「何だい?」
と扉が開き、老婆が出てきた。
「…ここにエルフの奴隷がいますね」
俺がそう言うと老婆は目を細めて俺を見る。
「…入りな」
少し間があり、そう言われて俺は中に入る。
小屋の中は普通の部屋のようだ。
「ここにエルフがいると?」
老婆は手を広げて俺に言う。
「この下にいますよね?」
「…そこまで知っているなら誤魔化せないね」
そう言うと、老婆はベッドを退かす。
見ると、そこには穴があり、梯子があり下に行けるようになっているようだ。
「付いてきな」
老婆はそう言って下に下りていく。
俺も老婆を追いかけて下に下りる。
下に着き見ると、暗い牢屋に松明で明かりがわずかにある程度。
「こっちだよ」
声が聞こえて、そこに歩いていく。
歩いている途中で牢屋の中を見ると、様々な人がいる。
『あれは竜人ね』
『竜人?』
見ると、男の人が鋭い眼つきで俺を見ている。
『そう。人の姿をしているけど、ドラゴンの姿にもなれるし理性もあるのよ。強いしね』
この世界には本当に様々な種族がいるんだな。
「こやつだよ」
老婆が牢屋の前で立っている。
その牢屋の所に行き中を見ると、いた!
綺麗な金髪に尖っている耳、服も質素な物ではあるがちゃんと着ている。
「…殺してやる」
これは…大変そうだ…。
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