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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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東桜寺学園

文字数がなかなか増えない

頑張らないと

いつもと変わらない景色だ。いつもの通学路、送迎される小学生に学校へ登校する生徒。学園に着いてみれば皆元気に友達に挨拶をして仲良く一緒に登校する人がほとんどだ、俺は1人だけど…。


「見て、あの人が噂の高等部の人だよ」

「成績が最低なんでしょ?何でこの学園にいるんだろう?」

「ね~、なんでだろ?」


そこの小学生の子達、ボソボソ小声で話しているつもりだろうけど丸聞こえだよ。努力を99しても才能の1で差が出てしまうんだよ、中等部でそれを感じさせられたよ。

君たちみたいな優秀な人達には俺の事はわからないと思うけど…。

そんな事を思っていると、周りの人たちがざわざわ、ガヤガヤと騒ぎ始めた。


「東桜寺先輩だ」「いつ見ても綺麗」「今日は良い事ありそうだ!」


東桜寺(とうおうじ) 怜華(れいか)、東桜寺学園創設者の東桜寺家本家のご令嬢だ。まさに完璧な人間、綺麗な黒髪に整った顔立ち、スタイルも整っており勉強も運動もでき人望もある故、この東桜寺学園高等部の生徒会長である。

そして、


「あら、柊ちゃん!おはよう」


俺の幼馴染で初恋の人でもある。


「おはようございます東桜寺先輩」

「敬語じゃなくても良いのよ柊ちゃん。私たちの仲でしょう?」


変な言い方をしないで欲しい、ただでさえ立場が悪いっていうのに先輩の発言でさらに悪くなってしまう。

誤解だから!ただの幼馴染なだけだから!周りの視線が怖い。

先輩はこの学園で平凡な俺にも優しく話しかけてくれる恩人だ。

先輩のおかげで俺はこの学園にいるようなもんだからな。


「変な言い方しないでください。俺と先輩は幼馴染なだけですよ。」

「確かに幼馴染だけれど、ただの幼馴染と一緒にしないでほしいわね。私は柊ちゃんの、柊ちゃんは私の全てを知っているでしょう」

「誤解を招くような事言わないでください。そんなことないですよ」


先輩でも俺の事で知らない事もあるだろうし、俺は周りにいる人たちより知っているつもりだけど先輩の事を一番知っているわけではない。

俺より先輩の事を知っているのは先輩の親友である、姉さんと姉さんの妹である春乃。

あと1人、


「おはようございます怜華さん」


俺のクラスメイトであり生徒会副会長の獅子原(ししはら 秀一(ひでかず、先輩の恋人らしい。

らしいと言うのも本人が言っているだけで詳しくはない。コイツと仲良いわけでもないし。

本人曰く生徒会のメンバー全員と交際しているらしい。

ハーレム主人公かよ!まぁ、顔も良いし頭も良いからモテるんだろうな。


「おはようございます獅子原君」

「一緒に登校しませんか?」

「ごめんなさい、葉山君と行くから今日は行けないわ」


そんな言い方すると、


「そうですか。ではお先に」


と言って先に校門に歩いていく。

見えたよ、先輩には見えないように俺の事を睨んでいたのを。


「それじゃあ、行こ!」

「…はい」


クラスでどんな扱いされるやら…。

憂鬱な気持ちのままクラスに向かうのだった。


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