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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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説明

最近リーシャが出てきていないせいで、タイトル詐欺みたいになって来ていると感じます…。

マズイです…。

ヴェロニアさんに付いて行き、階段を上って彼女の後ろを歩きながら周りの見る。

どうやら、建物の構造とかに違いはあまり無さそうだ。

そうして見ていくうちに、前を歩いていたヴェロニアさんが立ち止まる。

鍵穴に鍵を差し込んで鍵を開けると、扉を開けて中に入っていく。

俺も後に続いて部屋の中に入ると、室内は少し変わっていた。

何やら魔導具が置かれている。

俺が部屋に置かれている魔導具を見ていると、ヴェロニアさんが背負っていた荷物を床にドシンと置いて、魔導具から少し出ている部品を軽く押し込む。

すると、そよ風が起き始める。

風が俺の肌に当たり、やや涼しくなる。

これって…冷房機って事なのかな?

俺がそう思っていると、


「どっこいしょ…。それで、えーと‥名前何だっけ?」


ベッドに腰掛けたヴェロニアさんが俺にそう聞いてくる。

そういえば自己紹介がまだだったな…。


「遅れました。俺の名前はシュウと言います」


俺が自己紹介すると、


「ヴェロニア・ヴィリヴァだ。質問されて答えたが、バルナルド・ヴィリヴァの子孫である」


ヴェロニアさんも自己紹介をしてくれる。

自己紹介の言葉に続けて、


「それで、少年はうちに聞きたい事があるんだったね?何が聞きたいんだ?このヴェロニア・ヴィリヴァに」


そう聞いてくる。

俺はヴェロニアさんの言葉を聞いて、遠回しの質問はしない方が良いと察する。

少しだけだがこの人と行動を共にして気づいたが、ヴェロニアさんは自分にとって最善な事しかしない。

つまり、ここで変に遠回しに質問して時間を浪費するのはダメだ。

俺は一度深呼吸をして、


「ヴェロニアさんが牢屋に入れられる程の嘘は何ですか?」


そう質問する。

その言葉を聞いたヴェロニアさんは、


「…うちは、バルナルド・ヴィリヴァの手記に書かれていた事を皆に言っただけ」


そう言った。

その言葉を聞いて、バルナルド・ヴィリヴァの手記に書かれていたという事を推測する。

だが、俺の頭程度ではすぐに察する事なんかできない。

ここは…賭けに出てみよう。

俺はそう思い、


「…異世界。こことは違う世界であり、全ての者達が魔法を使う事が出来る世界がある…と書いていましたか?」


ヴェロニアさんにそう質問してみる。

すると彼女の表情に大きな変化が現れた。

その表情は、凄く驚いていると同時に、俺の事を怪しむ様な表情だ。

すると、


「な、何でそこまで…。うちはこことは異なる世界があるって言っただけなのに…。どうして手記に書かれている内容を知っているの…」


どこか怯えた様子で俺にそう聞いてくる。

良かった、ここで異世界の内容が書かれていなかったら追い出されていたかもしれない。


「俺が…。その異世界から来たと言ったら、信じてくれますか?」


俺は動揺しているヴェロニアさんに更にそう質問する。

すると、


「そ、それは本当か!でも確かに少年は魔導具も使わないで様々な事をしていたな!」


ヴェロニアさんが少し興奮した様子でそう聞いてきた。

凄い勢いで俺に近づいてきた。


「では、少年は魔法を使えるのだな!どんな魔法だ!」


そして、ヴェロニアさんが俺にそう質問してくる。

だが、その質問に俺は言葉が詰まってしまう…。

俺は魔法が使える訳では無いのだ。

これで魔法が使えないと言ったら、信じてくれない可能性がある…。

不安に思っていると、俺はある事に気が付く。

ヴェロニアさんは何で俺がこちらの世界に来れているのか理解していない。

つまり、彼女が持っているかもしれないバルナルド・ヴィリヴァの手記には、あの扉の事に関しては書かれているのか分からない。


「正直に言います。俺は魔法は使えません」


俺は色々と考えながら、ヴェロニアさんの質問に正直に答える。

すると、ヴェロニアさんの興奮した目がどんどん冷めていく。


「でも、その代わり魔素を扱う事が出来ます」


俺がそう言うと、聞いた事が無い単語が出てきてヴェロニアさんは首を傾げる。


「魔素って何?」


俺にそう聞いてくるヴェロニアさん。


「魔素って言うのは、この世界のどこにでも存在する魔法の源です。魔素があるから魔法や魔術、魔導具が使えます。魔法などを使おうとすると、魔素が反応してそれぞれの現象を引き起こすんです」


俺が彼女に魔素について説明すると、


「…??」


よくわかっていない様な反応だ。

仕方がないだろう、見た事が無いものを信じてくれと言ったり、そういうモノがあると説明してもよく分からないと思う。


「説明するより、実際に触れてもらった方が良いですよね」


俺はそう言って魔素を操り、右腕の魔拳を作り出す。

そうしてヴェロニアさんに近づいて俺の右腕を伸ばす。


「この腕は魔獣にやられたの?」


すると、俺の右腕を見てヴェロニアさんがそう聞いてくる。


「まぁ、そんな所です。それより肘から先を触ってみて下さい」


ヴェロニアさんの質問にそう答えて、彼女に右腕を触る様に伝える。

すると、ヴェロニアさんは少し怪しむようにしながらも、おそるおそる肘から先に手を持ってくる。

そして魔拳に触れた瞬間、


「ッ!?何かある!?硬くて太いのが!」


興奮した様子でそう言ってくるが、その発言はアウトなやつです…。


「これは魔素を圧縮して作った腕なんです」

「なるほど…。最初は嘘を吐いている様にしか聞こえなかったけど、実際に触れてみると信用も出来るね」


俺の魔拳をなでなで触りながら、ヴェロニアさんが俺にそう言ってくれる。

これで、少しくらいは信用してくれたかな…。

その後、ヴェロニアさんが満足するまで魔拳を触らせ続けていた。

そしてヴェロニアさんが満足すると、俺から離れてベッドに座り直す。


「面白い事を知れたよ。つまり、少年の話から推測すると、魔素があるから魔法も魔術も魔導も成立しているという事であり、君が魔素を扱えば強制的に魔法などの現象を打ち消す事が出来るんだね」


ヴェロニアさんが俺にそう言ってくる。


「その通りです」


俺が頷きながらそう言うと、


「…分かった。少年の事を信じよう。それで君は何でうちに接触してきたの?」


ヴェロニアさんが俺にそう聞いてくる。

俺はその問いに、


「一部の人でも良いので、他の人をこの世界に連れて来たいんです」


堂々とそう答える。


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