今夜は…寝れない
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皆が部屋から出て行ってしまったので、俺は1人でティシール様の部屋に行くために城の中を歩いている。
そして、扉の前に辿り着き扉をノックする。
「入れ」
ティシール様の許可を取り、俺は扉を開ける。
すると、ティシール様は俺の事を見て目を見開いている。
俺はティシール様の座っている所まで行き、
「戻りました」
そう言うと、
「…娘達には会ったか?」
ティシール様は俺にそう聞いてくる。
「はい。先程合ってきました」
「なら良い。娘達に会って無かったら、ここから投げ落としていた所だ」
俺の言葉を聞いたティシール様はニヤリと笑ってそう言うと、
良かった、ちゃんとティア達と会っていて。
俺が静かに安心していると、
「無事で良かった。ティアリス達が酷かったからな」
ティシール様がそう言ってくる。
「そんなに…だったんですか?」
俺がそう聞くと、
「あぁ。身だしなみを気にするティアリスが、あそこまで身だしなみを気にしなくなった時は流石に驚いた」
ティシール様がそう言う。
その言葉に、
「さっき会ったらすぐに湯浴みに行きましたよ」
俺がそう言うと、ティシール様が少し笑う。
そして、
「家に帰るんだろ?後で食材を持たせてやる。感謝しろ」
俺にそう言ってくるティシール様。
「ありがとうございます」
俺がお礼を言うと、
「世界を救った救世主が、食材などで礼を言うな。後に何でも好きな物を言え。何でも良い、絶対に手に入れてやる」
ティシール様がそう言う。
「…考えておきます」
ティシール様の言葉にそう返すと、
「あぁ。では私は仕事に戻る、シュウは散々寂しい想いをさせてきた娘達を可愛がってくれ」
ティシール様がニヤッと笑ってそう言う。
何だろう…、少し邪な考えを感じる…。
俺はその後、ティシール様の部屋を出て城の中を歩く。
「…どうしたら良いんだろう…」
俺は歩きながら呟く。
怜華さん達の問題だ。
「あれ?」
…でも、怜華さん達は危険が無い元の世界に戻れたんだよな…。
なら、無理にこっちに戻って来ない方が良いのではないか…。
寂しいけど、怜華さん達が傷つかないならそちらの方が良いのではないか。
俺はそう思うと、そう言う考えが頭の中を支配する。
そうして城の中で皆を待つ。
それから少しして、皆が一斉に俺の所に戻って来た。
ティアの部屋で会った時よりも、皆綺麗になっている。
なんていうか、気持ちが晴れやかになったのか、表情が華やかになっている。
「待たせてごめんなさいシュウ」
リーシャが俺に謝ってくるが、考え事をしたせいでそこまでなった感じはしない。
「ううん、大丈夫だよ。リーシャ達はさっぱりした?」
「えぇ。とりあえずは…ね」
リーシャは俺の質問にそう答えると、俺の左腕に自身の腕を絡ませて来る。
後ろにいる皆がズルいとリーシャに文句を言うが、リーシャは俺の事を見て微笑むだけ。
すると、
「ティアリス様、ティシール様がこちらを…」
騎士の人達が荷車を用意していた。
そして、そこには様々な食材が…。
「おぉ~、凄い…」
俺が食材を見ていると、
「ん?おいこれって…」
アルが俺の隣に来て食材を見た瞬間に何かに気が付いたようだ。
「どうしたのアル?」
俺が隣に来たアルにそう聞くと、
「まぁな~…」
アルは顔を引き攣らせながらそう言う。
「どうしたんですか?」
ティアも他の皆も荷車に入っている食材を見て、
「「「?」」」
ルリィとコレットさん、エルネットさんは何かわかっていない様子だ。
だが、
「「「…」」」
ティアとエルミールさん、リザベルトさんは何やら顔を赤くしている。
その後、俺達は荷車を引っ張って家に帰った。
だが家の惨状を見て、皆が悲鳴を上げる。
それからはルリィとエルミールさんが主体となって皆で掃除になった。
そうしているうちにどんどんと日が暮れていき、家が綺麗になると同時に皆がくたくたになる頃には夜になっていた。
皆で食事を作って夕飯を食べてお風呂に入る。
皆が入っている間に、俺は1人で怜華さん達の事を更に考えてしまう。
「……」
もしここと元の世界の時間の流れが一緒なら、皆はすでに元の世界で1ヶ月過ごしている。
ここでの1ヶ月と元の世界の1ヶ月では、全く違うだろう。
「…情けないな」
俺は独り言を呟いて、頭を掻く。
これじゃあ、元の世界にいる怜華さん達が心配するに決まっている。
もっとシャキッとしないと!
俺はそう思って立ち上がる。
「よし!」
その後、皆がお風呂から出た後俺もお風呂に入り、皆で眠る事になった。
…のだが。
「ど、どうしたの?」
俺の目の前に広がっているのは、皆で眠る大きい魔性のベッドに薄い下着を着けている皆が俺の事を待っていた…。
俺が皆の事を見ながらそう聞くと、
「言ったでしょシュウ?今夜は眠らせないって…」
リーシャが俺の元にやってきて俺の左腕を掴んでベッドの方に引っ張ってくる。
「うわっ!」
リーシャに押されて、俺はベッドの中心に倒れ込む。
すると、倒れ込んだ俺に皆が近づいてくる!
「り、リーシャだけなんじゃないの!」
俺がそう言うと、
「何言ってるんだよシュウ~。そろそろオレ達にもそういう機会があっても良いじゃねぇか~」
アルが俺に顔を近づけてながらそう言ってくる。
「あ、アル…」
アルから少しだけお酒の匂いがする。
普段は豪快なアルだが、こういうやりとりの時は乙女の様になる。
そこがアルの可愛い所ではあるが、無理をしているのではないかと心配をしてしまう。
「…はむ」
俺がそんな事を思っている内に、俺の耳を口に含んでくるアル。
「オレだって…好きな人に甘えたくなる時はあるんだよ」
アルは俺の耳から口を放して耳元でそう言うと、もう一度俺の耳を口に含む。
そうしていると、
「その…シュウさん」
ティアが俺の傍に来る。
「ど、どうしたのティア?」
俺がアルの舌に弄ばれながらティアにそう聞くと、
「その…わ、私の幸せの為に、…サンレアン王国の発展の為にも、世継ぎを…作りましょう」
ティアは顔を赤くしながらそう言ってくる。
世継ぎ…子供。
「契って…下さい!」
俺にそう言って、キスをしてくる!
その瞬間、嫌な気配がした…。
見ると、部屋の壁の一部が黒くなっている。
俺知ってるよ、あの黒いのってあの人の魔法だよね…。
ティアの震える唇を感じていると、黒い壁から出てくる…。
「柊ちゃん?何をしているのかしら?」
瞳の光を失い、深い闇を宿した瞳で俺の事を見つめる怜華さんがそこにはいた‥。
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