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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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覇魔化

魔震を受けても立ち上がるのか…、頑丈過ぎじゃないか…。

俺がそう思いながら、再度魔素を圧縮させていく。

魔人化の攻撃も魔震もダメージを負わせられないなんて…。

すると、


「前にも思ったが、面白い攻撃を仕掛けてくる。…そうだな。貴様の体も取り込んでやろう」


ガレスが俺の事を見てそう言ってくる。


「そんな事、させないわよ」


すると、ガレスの視線から俺を見えなくする様にリーシャが俺の前に立つ。


「あぁ。シュウは渡さねぇ」


そして、俺の前に立つリーシャの隣にアルがやって来る。

それを見たガレスは、顔をしかめる。

その瞬間、ガレスの体を覆うように黒い壁が現れる!

あれは、怜華さんの魔法だ。

だが、


「消失」


怜華さんの魔法はガレスの魔法で簡単に消されてしまう…。

その一瞬の隙に、リーシャとアルがガレスに攻撃を仕掛ける!

俺も2人に協力したいが、今は少し出来ない。

もう少し、圧縮しないと…。

俺はそう思いながら、自分が行っている作業を止めない範囲でガレスの動きを止めようと魔翔剣を飛ばす。

だが、魔神の力を取り込んだガレスは魔素の過剰な反応に気づくのか、魔翔剣を避けたりしている。


「あと少し、あと少し…」


俺がそう独り言を呟いていると、遂に魔素を上手く圧縮する事が出来た!

そして、その圧縮した魔素を体に細胞全てに浸透させていく…。

魔人化を超える魔人化…。


「ぐ…」


圧縮した魔素は、体に浸透させると外に溢れようとして、体の内側が破裂しそうな痛みと不快感が常に感じる。

それに魔人化の時と違って、数分しか使う事が出来ないのが難点なのだ。

攻撃をする毎に、圧縮した魔素が霧散してしまう…。

だからこれを使うなら、一気に終わらせるしかない!


「覇魔化ァッッ!!!」


俺はそう叫んで、一気にガレスに元に瞬間移動の速さで移動する!

突然現れた俺に、リーシャとアル、ガレスすら驚いている。


「リーシャ!アル!退いてくれ!これは力の加減が出来ない!」


俺がそう言った瞬間、リーシャがアルの体に触れる。


「転移!」


リーシャとアルが一瞬で消える。

それを確認して、


剛魔拳ごうまけんッ!!」


ガレスの体を全力で殴りつける!


「がはッ…」


俺の一撃で吹き飛ぶガレス。

今ので2割くらいの魔素が霧散した…、早く倒さないと!

俺はそう思い、今だに吹き飛んでいるガレスの元に一瞬で移動して、


剛魔靭脚ごうまじんきゃくッ!」


ガレスの体を全力で蹴り上げる!

俺の蹴りで、空中に飛んでいくガレス。

残り…半分!

地面を力一杯蹴り、空中に放り出されたガレスの元に跳ぶ!

見ると既に体の様々な所がボロボロに折れている。

このまま一気に打ち倒す!

俺がそう思った瞬間、


「ごはッ…消失!」


ガレスが魔法を放ってくる!

ギリギリで躱すが、右腕の魔拳が消し飛ばされる。


「この…」


俺はガレスが魔法を使えない様に顔面を殴ろうとした瞬間!

背中に痛みが走る…。

どこからか現れた剣によって背中が斬られている。


「一太刀でも与えられれば、十分だ」


ガレスがそう言った瞬間、俺は失敗に気が付いた。

このままだと、ガレスの魔法によって取り込まれる!

俺がそう思った瞬間!


「転移!」


リーシャが俺のすぐ傍に転移魔法で移動してくる。

リーシャは俺の体に触れると、すぐに魔法を使ってガレスから離れる。

マズイ…、もう魔素が切れる。

そう思った瞬間、体に浸透させていた魔素が霧散していく。


「天聖治癒ッ!」


地面に座り込む俺に、リーシャが俺に回復魔法を使ってくれるが、


「な、何で回復しないの!」


俺の背中の傷が治らない事に気づいたリーシャがそう言って、更に回復魔法を使おうとする。


「ごめんリーシャ。さっきの使うと、少しの間だけ魔素も操れないし支援や回復魔法の影響もないんだ」


俺がそう言うと、リーシャが驚いた表情をする。

覇魔化の後遺症は、魔素を操る事が出来なくなるのと、回復魔法などの支援魔法の影響が出なくなるという事だ。

こうなると、俺は本当にただの人間になってしまう…。


「リーシャさん、柊ちゃんの事は任せて下さい」


怜華さんが俺の側に来てそう言うと、


「…すぐに終わらせて来るわ」


俺と怜華さんにそう言う。

すると、俺が蹴り飛ばして空中にいたガレスが落ちてくる。


「ごほ…がはッ…」


ガレスの体もすでにボロボロになっていて、他者から見たら俺達が優勢に見える。

だが、


「ふ‥ふははは‥」


ガレスが立ち上がると、ボロボロになっている体が回復していっている。

すると、


「回復させるか!」


一瞬でガレスの背後を取ったアルがガレスに攻撃を仕掛ける!


「これで最後にしよう」


ガレスがそう言った瞬間、ガレスが消える!

アルの蹴りが空振り、突風を起こす。


「上よ!」


リーシャがそう言って、皆が上を見るといた。

だが…。


「マズいわ。あの魔法は…」


空中にいるガレスの背後に、巨大な魔法陣が形成されている。


「世の理に存在する形無き刃よ、我が体に宿りし力を喰らい、二度と目覚めない深淵の闇へと誘え、魔光まこうッ!」


ガレスが詠唱をして魔法を放つ!

真っ黒な光が、様々な所に落ちる!

そして、俺の方に迫ってきた瞬間、


「無限に閉ざされた扉、開く事は無し、禁獄」


怜華さんが魔法で俺と怜華さんの周りを支配領域にする。

すると、リーシャとアルが戻ってきて怜華さんの支配領域に入る。

そして、その瞬間にガレスの放った魔法が怜華さんの支配領域に入った瞬間、


「消滅せよ」


怜華さんがそう言うと魔法が消え去る。

だが、


「く…」


怜華さんが膝を付いて座り込む。


「怜華さん!」


俺が慌ててそう言うと、怜華さんは俺に笑いかけて、


「大丈夫よ。思った以上に…体に負担が…」


そう言う怜華さんだが、見ると汗が滲んでいる。

リーシャとアルを見ると、2人は疲れを見せていないが、少し不安そうな表情をしている。

おそらく、2人だけなら簡単に倒す事が出来るのだろう。

だが、俺や怜華さんを護りながら戦えば、それだけ2人の負担が大きい…。

俺はリーシャ、アル、怜華さんを見て、皆の事を想い浮かべる。

皆を護るためなら…。


「リーシャ、ガレスの動きを完全に止める事は出来る?」


俺がリーシャにそう聞くと、


「シュウの為なら、それぐらいお安い御用よ」


リーシャはこんな戦いの真ん中にいるとは感じさせない笑みを俺に向けてくれる。


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