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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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結城真海VS魔王レラジズ

ヤニックが魔王レシオンと戦っている頃、真海も魔王レラジズと交戦していた。


「おらおら!どうした女ァ!前より弱くなってるんじゃねえか!」

「くっ…好き勝手に言って…」


レラジズの連撃に、真海は苦戦している。

魔王レラジズとて馬鹿ではない。

前回真海と戦った時に酷い目に合っているレラジズは、真海の魔法を食らわない様に注意しながら真海に攻撃しているのだ。

だが真海も、そんなレラジズの攻撃の仕方に気が付いている。

どうすれば良いかな…、前みたいな攻撃は警戒されて上手く出来ないだろうし…。

真海はそう思いながら、レラジズの攻撃を躱す。


「筋力増強」


真海は魔法を使って、レラジズに攻撃を仕掛ける!

だが、


「おっと!そう簡単には捕まらないぜ」


レラジズはそう言って、真海から距離を取る。

真海とレラジズが戦い始めてから、すでに何度も同じ事を繰り返している。


「外傷復活!」


真海は自分から距離を取ったレラジズに魔法を放つ!

その瞬間、


「またこれか…ガァァッ!!」


真海の魔法の影響で、レラジズの体から血が噴き出す!

だが、レラジズは体中の古傷から血を噴き出しながらも、視線を真海から外そうとはしない。

もう一発!

真海はそう思って、


「記憶回復!!」


以前、柊に行った魔法のレラジズに放つ!

体中の痛みですぐに反応できなかったレラジズに、真海が放った魔法が当たる!

その瞬間、レラジズは過去の記憶を呼び起こされる。

自分が今まで同族の魔族達や、人にしてきた事。

小さかった時の思い出、そして…トラウマ。

魔王レラジズの心的外傷は、かつて大魔王ガレスに反逆した時に植え付けられた。

拷問され、精神に異常が出るまで拷問をされ続けた。


「ぁ…ぁぁ」


血を噴き出して激痛に襲われているのに、レラジズはただ静かに苦悶の声を出しているだけ。

真海はそんなレラジズに、効果があるのか無いのかわからず困惑する。

ここで追撃しても大丈夫なのか…。

真海はそう思いながらも、


「筋力増強、脚力増強」


自身に魔法を使っておく。

それと同時に、いつでもレラジズに攻撃出来る様に準備をしていると、


「止めろ…止めろ止めろ止め…」


レラジズがそう呪詛を吐き続ける。

その様子を見て、真海は自身の魔法が効果があるという事を認識して、一気にレラジズの元に駆け出す!

すると、


「アァァァァッ!!」


レラジズが突然発狂し出す!

その事に驚く真海だが、すでに地面を蹴りレラジズに向かっているため、すぐに止まる事は出来ない!

瞬間!

レラジズの動きに変化が現れる!

今まで真海の魔法攻撃に警戒していたレラジズだが、発狂した瞬間真海に向かって駆け出したのだ。


「私の剣よ」


真海はそう呟いて、魂の剣を出現させる。

こうなったら、どちらかが決定的な攻撃を相手に仕掛けられるかになってくる。

真海はそう思って、剣を出したのだ。

そして互いに向かって駆けている2人がぶつかる!

その瞬間、真海はレラジズの攻撃に吹っ飛ばされる!


「カハッ…」


激しい衝撃に肺から空気が漏れる真海。

速いし、一撃が重すぎる…。

吹っ飛ばされる真海は、そう思いながら地面に叩き付けられる!

だが、レラジズの攻撃は止まらない!

真海が地面から起き上がろうとすると、レラジズの手によってそれを防がれる。

レラジズが起き上がろうとした真海の腹を踏み出したのだ!


「ぅ…ぐぅう」


真海も何とか起き上がろうとしたが、レラジズの足が邪魔で身動きが取れないのだ。

真海は地面に横になった状態で、レラジズに、


「治癒!」


回復魔法を放つ。

その瞬間、血だらけであったレラジズの傷が治っていく。

それを見て真海は更に、


「外傷治癒!」


傷を開く魔法をレラジズに発動する!

真海の魔法が当たると、レラジズの体から今さっき閉じた傷口から血が噴き出す!

真海の顔にもレラジズの血が降り注ぐ!

だが、そんな事を気にしていられない!

真海はそう思いながら、レラジズの足から逃れようと体を動かす!

だが、レラジズの足はびくともしない!

どうして…。

真海はそう思い、自分を踏み付けている魔王レラジズを見る…。


「そ…んな」


レラジズの様子を見た真海はそう声を出す。

真海が見たレラジズは、痛みなど感じていないかの様な生気の無い無表情のレラジズだった。

あんなに戦いながら笑っていたレラジズと同一人物とは思えないほど、面影が無いのだ。

だが、ある部分は面影がある。

それは今、足を上げて再度真海の腹を踏み抜こうとしてくるレラジズを見ればわかる。

足が上がった瞬間真海は動こうとするが、自分が思っているよりも体のダメージが蓄積されている所為で、思うように動けない…。

このままじゃ、内臓が破裂してしまう…。

当たり所が悪かったら…柊先輩との赤ちゃんが作れなくなる!

真海がそう思った瞬間、真海は自分でも驚く程速く移動する事が出来た!


「先輩との夢を壊させないんだからッ!」


真海はそう言いながら、自分の体に回復魔法と筋力増強の魔法を使用する。

そして、ゆっくりと真海の姿を目で追おうと顔を向けてきたレラジズの顔面を、力の限りで殴る!

筋力増強で力が上昇している真海の殴る力で、レラジズは先程の真海以上に吹き飛ばされる!

それと同時に、レラジズを殴った真海の右腕の骨が砕ける。


「イッタァ~…。天聖治癒」


真海は涙目になりながらも、回復魔法で骨を修復する。

だが、真海が骨を砕いてでも殴り飛ばしたレラジズは、ゆっくりと起き上がる。

そして、


「アァァァァァァッッ!!!!」


雄叫びを上げると、体勢をやや前向きに倒す。

真海はそんなレラジズを見て、


「身体硬化」


魔法を発動する。

瞬間、レラジズが真海に突進してくる!

真海は身体硬化を何度も重ねて使用し、筋力増強の重ねておく。

全ての準備が整った瞬間、真海とレラジズはぶつかる!

だが今度は、真海は吹き飛ばされる事なくレラジズの攻撃を防いでいる。


「負ける訳にはいかないんですよ。まだ、柊先輩と結ばれてもいないのに…」


真海はそう言って、ある決意をする。

どんな手を使っても、目の前にいる男を倒さなくてはいけないと。

そして真海は、体中の魔力を使い切る勢いで、詠唱を開始する。


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