あ…
マウスが…壊れてしまった…。
買わないといけないな~。
その後、俺は皆の力を借りてもう一度決心する。
皆がいるから、皆と力を合わせて魔神復活を阻止しようと。
そして、そんな大切な皆を傷つけないようにしようと。
それからはただひたすら、自身の力の強化に尽くした。
「さてと、じゃあそろそろ魔神復活阻止に出向くか?」
そんな事をしていると、アルがまるで買い物に行くか!みたいな感じでとんでもない事を言う。
「そうね。大丈夫だと思うわ」
そしてそんなアルの言葉に、普通に返すリーシャ。
「そんな簡単に決めても良いんですか?」
流石に真海ちゃんが2人に突っ込むと、
「「当然」」
声を揃えてそう言う2人。
何だろう、2人は緊張とかしないのだろうか?
俺がそう思っていると、
「…春乃?大丈夫?」
秋沙姉が春乃の肩に手を置いてそう話しかけている。
「あはは…流石に緊張しちゃう…私達、勝てるかな?」
「大丈夫だハルノ。ここにいる皆、十分に強いからな」
不安そうな春乃に、アルがそう言う。
「大丈夫だよ春乃。何かあっても、必ずお前も、皆の事も護ってみせる」
俺がそう言うと、
「お兄ちゃんは私が護るもん!もう、あんな思いしたくないし」
春乃が俺にそう言ってくる。
「ありがとうな」
俺はそう言って、春乃の頭を撫でる。
すると、春乃が嬉しそうに目を瞑って更に撫でろと俺の手に頭を擦り付けてくる。
そうしていると、
「柊ちゃん、はい」
怜華さんも頭を俺に向けてくる。
俺が春乃の頭から手を放すと、
「あ…」
春乃が名残惜しそうな声を出す。
俺は心の中で春乃に謝ってから、怜華さんの頭を撫でる。
太陽の光に照らされてキラキラ光る黒髪を撫でると、サラサラしていて気持ち良い。
「…柊、私も不安。だから力一杯叩いて」
秋沙姉…。
それは、気を引き締める為に自分で頬を叩くやつかな?
俺が秋沙姉のブレない態度に突っ込んでいると、
「柊先輩~。私も不安なのでキスして下さい」
真海ちゃんもそう言ってくる。
あと真海ちゃん、君の一言で皆が何やらやる気満々になってるんだけど…。
「シュウ、やっぱり不安だから私にはキスして欲しいわ」
俺にそう言ってくるリーシャ…。
不安って言ってる割には目が期待なのかキラキラしている…いや、ギラギラかも…。
「凄く不安だー。これは力一杯抱きしめて貰わないと戦えないわー」
そして、完全な棒読みでそう言うアル…。
少し顔が赤いのは、恥ずかしいからなのだろうか?
その後、皆の頭を撫でた後リーシャ達は家に帰って貰った。
俺はザールさん達と話し合うためにヴェルーズに出発する。
すぐにヴェルーズに着いたのだが、ギルドに行くと3人は依頼の為に少し出てしまっているらしく、会う事が出来なかった。
仕方ない、また後で来るか。
俺はそう思いながら、今度はサンレアン王国の王城に行く事にした。
理由は、俺達が少しの間ここから離れるという事をティシール様に伝えておこうと思ったからだ。
それから少しして、サンレアンの城に着いた。
上を見ると、ティシール様の部屋の窓が開いている。
今なら大丈夫なのだろう。
俺はそう思いながら、空中を歩いてティシール様の部屋に入ると、
「あ…」
「ん?」
ティシール様‥お着換え中でした。
俺は、下着姿のティシール様が俺に全力で拳を突き出して来たところを最後に意識を手放した。
だが、一瞬で目が覚める!
背中に衝撃が伝わったからだ。
見ると、ティシール様の部屋の窓からそのまま落ちたようだ。
「イテテ…」
俺はそう言って立ち上がり、地面に座る。
もう少し待ってから、謝りに入ろう。
少し地面に座っていると、
「入れ」
上からそう声を掛けられる。
俺は立ち上がり、ゆっくりと空中を歩いて窓のところまで行く。
「し、失礼します」
「入れ」
俺が一言言うと、ティシール様がそう言ってくる。
部屋の中に入ると、ティシール様が机に座っている。
「すみませんでした」
部屋に入って俺がそう言うと、
「いや、窓を開けていた私も悪かった」
ティシール様がそう言ってくれる。
「それで、どうしたんだ突然」
俺にそう言ってくるティシール様。
「実は、魔神復活阻止に向かう事になりましたから、それを伝えに来ました」
俺がそう言うと、ティシール様が、
「それは本当か?」
俺に聞いてくるティシール様。
「はい。それで、怜華さん達も一緒に行くので、こちらの戦力が偏ってしまいます」
「そうか…。気にするな。自国くらい自分達で護ってみせる」
「ありがとうございます」
俺の言葉に、そう言ってくれるティシール様にお礼を言う。
「こんな事を聞くのはどうかと思うが、大丈夫か?」
俺の事を見ながらそう聞いてくるティシール様の表情は、とても心配そうだ。
「はい。俺1人じゃあ無理かもしれませんでしたが、皆がいれば大丈夫です。絶対に皆でここに帰ってきますよ」
俺が笑いながらそう言うと、ティシール様は笑って、
「私の大事な娘達を寂しがらせるんじゃないぞ。…絶対に帰って来い」
そう言った。
「…はい」
俺はその後、ティシール様の部屋から出てギルドに戻る。
流石にこんなに早く帰ってくるとは思えないから、ギルドの中で少し待たせて貰おう。
そうだ!フェリアンさんにも話しておかないといけないな。
俺はそう思いながら、ヴェルーズに戻って来た。
ギルドに入ると、やはりザールさん達は帰ってきていないようだ。
俺は受付嬢にフェリアンさんと話がしたいというと、確認の為に奥へと入っていく。
すると、それと同時にギルドの扉が開きザールさん達が入って来る。
そして、ザールさんが俺に気づくと、こちらに来てくれる。
「どうしたんだ?」
「いえ、少しフェリアンさんも交えて話がしたいと思いまして」
俺がそう言うと、ザールさん達は普通に話をしてくれると言ってくれた。
受付嬢が奥から戻ってきて、ギルド長室に案内される。
「失礼します」
俺は部屋をノックして、中から声がしてからそう言ってギルド長室に入る。
「どうしましたシュウさん?それに…ザールさん達もですか?」
フェリアンさんが俺を見た後に、俺の後ろにいるザールさんに気づいてそう言う。
「それで、どういうお話があるんですか?」
フェリアンさんが俺に聞いてくる。
俺が口を開いた瞬間!
「俺達、魔族共と戦いに行きます!!」
今まで静かだったヤニックが、いきなりそう言った…。
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