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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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人格

「炎珠!」

「魔法剣・緋焔!」


リーシャが魔法を発動して、俺が魔素の濃度を調整して魔法の威力を底上げしてから剣の形にする。


「ねえシュウ。昨日のは手に宿すように魔法を扱っていたけど、使い分けているの?」


俺が剣の形を変えようとすると、リーシャがそう聞いてくる。


「そうだね。昨日のやつは、言うなら万能なんだ。形を定めてないから攻撃にも防御にもする事が出来るんだよ」


俺がそう言うと、リーシャが考えるような仕草をする。

何を考えているんだろう?

俺はそう思いながら、剣の形を大剣に変えて振るう!


「威力が少し落ちたかな?」


大剣を振った感想を呟くと、リーシャが俺の隣に来る。


「シュウ、何か来るわ」


リーシャはそう言うと、俺の右腕になる。

俺も辺りを警戒して、魔視を発動する。

すると、森の方から誰かやってくる。

何だあの人…、いつでも魔法を使えるように準備してる。

しかも、凄い威圧感を纏っている…。

俺がそう思っていると、


『マズイ事になったわ。シュウ、悪いけど私に付き合ったもらえる?』


リーシャが俺にそう言ってくる。


『そんなのは全然かまわないけど、どうしたのリーシャ?』

『今からくる奴は、絶対に倒しておかないといけないの』


俺の質問にそう返してくるリーシャ。

とても緊張しているようだ。

そうしていると、こちらに向かってくる人物が見えてきた。

って…。


「…獅子原」


こちらに向かってきているのは、少し前に行方が分からなくなっていた獅子原だ。

だが、様子がおかしい‥。

俺の事を見るとニヤニヤしてくる獅子原だが、今は俺の事を見ても表情を変えずに無表情だ。


「シュウ、この男はシュウの知っている男じゃないわ。気を引き締めて」


リーシャの言葉に、俺はいつでも魔素を操れる様に準備をする。

すると、


「貴様、何者だ?」


獅子原が声を掛けてくる。

だが、声は一緒なのに態度や口調が全然違う。


「獅子原…なのか?」


俺がそう言うと、


「私の名はルゼバラム。人間、貴様から私の求めている者の気配がするんだが…」


獅子原はルゼバラムが名乗り、一瞬で俺の背後に回る!

俺が慌てて獅子原?から距離を取る。


「ふむ。どう見てもあの女では無いな」


獅子原?がそう言う。

どういう事なんだ…。

俺がそう思っていると、


『シュウ、あれは2代目魔神よ。おそらくあの男の体を操っているんだと思うわ』


リーシャがそう説明してくれる。

つまり、あのルゼバラムが言っている女ってリーシャの事か?

前にリーシャとアルが2代目魔神がしつこい的な事を言っていたな。

俺がそう思っていると、


「ぐ…いい加減に…しろ」


そう言いながら、ルゼバラムが苦しみだす。

すると、


「葉山ァ~!テメエの所為で…俺は散々な目に合ったんだ…殺してやる…殺してやるからなァッ!!」


突然俺に怒鳴ってくる。

俺の事を認識してるって事は、今の意識は獅子原なのだろう。

俺がそう思っていると、獅子原が剣を出す。

とても禍々しい剣だ…。


「死ネェッ!!」


獅子原はそう叫び、俺に飛びかかってくる!


「魔翔剣!」


俺は慌てて魔素を圧縮して剣を作り出し、獅子原の剣を受け止める!


「死ネェ!死ネェ!」


俺にそう叫びながら、何度も斬りかかってくる獅子原。

攻撃事態は単調で、問題無く防ぐ事が出来る。


「魔拳」


俺は右腕になっているリーシャを魔素で覆う。

獅子原の体に、リーシャが触れるのが嫌だからだ。

俺は獅子原の攻撃を観察し、機会を窺う。

そして、


「お前みたいなクズの所為で!俺の人生が無茶苦茶になったんだ!」


大きく剣を振り被ろうとしてくる獅子原。

剣を高く上げて、胴体が無防備になる。

俺はそこ目掛けて、左腕を力一杯突き出す!


「ゴファッ…」


俺の一発の攻撃で、吹っ飛ぶ獅子原。

地面を転がり、やがて止まる。


「アァァ…絶対に…ぶチ殺シテやル」


そう言いながら、立ち上がろうとする獅子原。

だが、


「クソ!ふザケるナ!俺はまだ…」


そう言いながら、また苦しそうにする。

どうやら、獅子原の体には獅子原本人とさっき名乗ったルゼバラムの意識の2つが存在してるようだ。

しかも言い争っているようだ。

今のうちに、倒す!

俺はそう思い、一気に駆ける!

剣を握り直し、獅子原を斬ろうとすると防がれる!


「甘く見てもらっては困る」


どうやら、今度は獅子原ではなくルゼバラムの方らしい。

獅子原なら簡単に倒せるのに、こいつだと油断できない!


『リーシャ!火魔法をお願い!』


俺がそう頼むと、


『わかったわ!猛極爆炎!』


リーシャがすぐに魔法を使ってくれる!

右手から溢れ出す炎を操り、腕に纏わせる!

出し惜しみなんてしていられない、ここで終わらせないといけないんだ!


「魔人化!」


魔素を体中に浸透させて、一気に畳み掛ける!


「面白い技を使うな人間。良いだろう。相手しよう」


ルゼバラムはそう言って、剣を構える!

獅子原と違って独特な構え方をしている。


「…絶」


ルゼバラムがそう呟いた瞬間、一瞬でルゼバラムが握っている剣の切っ先が目の前に現れる!

俺は冷静に右腕に纏わせている紅蓮の炎で防ぐ!

それと同時に、左腕に纏っている炎をルゼバラムに向けて放つ!

だがその攻撃は躱されてしまい、俺から一度距離を取るルゼバラム。


「面白い戦い方をする。魔素を操れるとはな」


俺にそう言ってくるルゼバラム。

向こうは、どんな魔法を使うか分からない…。

俺がそう思っていると、ルゼバラムが一瞬で俺の懐に入ってくる!

迎え撃つ!


「魔法剣・緋焔!」


俺は右腕に纏っている炎を大剣の形にして、ルゼバラムの攻撃を防ぐ!


「…届かないか」


ルゼバラムの呟きが聞こえる。

また逃げられる前に、逃げ道を無くす!

俺はそう思い、地面に含まれている魔素を地面ごと持ち上げる!

それを俺とルゼバラムのいる位置を囲う様にして、逃げ道を無くす。


『リーシャ、雷魔法を!』

『雷覇!』


リーシャの雷魔法が上空に発生すると、俺はそれを魔素を操って上空に留まらせる。

こうすれば、逃げ道が無くなる。

でも流石に、これだけ魔素を同時に扱うとキツイな。

俺はそう思いながらも、


「鋼魔拳・紅」


更に圧縮した魔拳を作り、そこにリーシャの火魔法を纏わせる。

貫通する拳に、リーシャの最大火力の火魔法!


「イケェェェェェッ!!!」


ルゼバラムが防ごうと剣を盾の様に構えるが、俺の拳が当たった瞬間木っ端微塵に砕かれる!

届け!

そして、俺の拳が獅子原、ルゼバラムの右胸に当たる!


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