祭り
夕食が終わり、皆で後片付けした後にアルが皆を食堂に集めた。
そして、袋から腕輪を出すと皆に1つずつ配る。
アルが腕輪の効果を説明すると、皆が腕輪を付けて一斉に効果を試す。
何て言うか、すごく眩しい…。
一斉に皆が腕輪を使ったから、食堂が一気に普通にしていても明るいのに、腕輪の光で更に明るくなったからな。
俺がそう思っていると、1人を除いてみんなの顔がにやにやしている。
「な、何皆?」
俺がそう言うと、皆が一度腕輪の効果を消して、もう一度効果を発動させる。
みんなの腕輪から、俺の腕輪へと光が出る。
すると、またもや皆がニヤッと笑う。
春乃は口からダラダラと涎を出している…。
どうやら皆、色々な意味でこの腕輪を気にいった様だ。
その後はいつも通りで、女性陣がお風呂に入った後に、俺が入る。
寝る時は、リザベルトさんとエルネットさんの2人以外は、あの魔性のベッドで眠りに着いた。
翌日俺が寝ていると、
「きゃぁぁ~!!」
叫び声が聞こえて、その声で起きる事になった。
慌てて起きると、リザベルトさんが俺達の事を見て顔を真っ赤に染めている。
周りを見ると、
「…すぅ」
「……」
「…じゅる」
怜華さんと秋沙姉が静かに俺にくっ付いて寝ている。
春乃は俺の体に涎を垂らしている…。
「どうしたの母上!」
そして、エルネットさんもリザベルトさんの悲鳴を聞き付けて部屋に来てしまった。
そして、俺達の事を見た瞬間、エルネットさんが無表情になる…。
お、怒ってる…。
「シュウ、どういう事?」
低い声で俺に聞いてくるエルネットさん。
「その…皆で寝てたんだけど、今は3人が残ってるんだよ…」
俺は正直にそう答えると、エルネットさんとリザベルトさんが驚いた様な表情をする。
「私達以外は皆、シュウ君と毎晩ここで寝てるの?」
リザベルトさんの質問に無言で頷くと、リザベルトさんとエルネットさんが互いの顔を見て頷き合う。
「シュウ君」
「シュウ」
「は、はい!」
2人の呼びかけに、勢い良く返事をすると、
「「私達も一緒に寝る」」
2人は声を合わせてそう言った。
その後、すぐに部屋を出て行ってしまった2人。
俺はくっ付いている3人を起こした後、4人で食堂に行くと皆が丁度朝食の準備をしている。
だが、リザベルトさんとエルネットさんの姿が見えない。
「ごめん皆、少しリザベルトさんとエルネットさんの様子見てくる」
俺は皆にそう言って2人の部屋に行く。
部屋の前に立ち扉の叩くと、少しだけ扉が開く。
「何?」
隙間からエルネットさんが覗きながら俺にそう聞いてくる。
「あの、さっきの事は…」
「今日、楽しみにしている」
俺の言葉を遮って、エルネットさんがそう言う。
今晩は、一波乱ありそうだ…。
その後、俺1人で食堂に帰り朝食の準備を手伝った。
その途中で、リザベルトさんとエルネットさんが食堂にやってきて、皆で準備をして朝食になった。
リザベルトさんとエルネットさんはエルフの村と森の様子を見に出掛けてしまった。
付き添いで、ティアとコレットさん、エルミールさんも出掛けてしまった。
怜華さん達勇者達はどんどん魔法の使い方を上手く使えるようになり、更に高めると言って朝食を食べた後すぐに外に行ってしまった。
「実はご主人様、皆様少し…お腹にお肉が付いてしまったらしくて…」
ルリィ、それは言っちゃ駄目なやつだよ。
まぁ、怜華さん達は少し付いた程度が普通なんではないだろうか?
俺がそう思っていると、
「はぁ~食った食った…。今日はやる事ないし、もうひと眠りするか~」
アルが体を伸ばしながらそう言う。
「アル様はお肉が付いたりしないんですか?そんなに…大きいのに」
ルリィが、アルの胸を見ながらそう聞く。
「オレは体の成長はしないからな。どんなに食っても太んないぜ」
そう言って笑うアル。
「ふわぁ~。良いですね」
ルリィもアルの体の性質に驚き、羨ましがっている。
すると、
「でも、自分から体を変化させる事は出来るぜ」
アルはそう言って、身長を小さくする!
身長が小さくなっただけで、色々の大きさは変わってない所為で少しアンバランスな気がする。
それからすぐに、アルは元に姿に戻って自室かいつも寝ている部屋に行ってしまった。
俺はルリィと朝食の後片付けをした後、リーシャと一緒にヴェルーズ冒険者ギルドに行くことにした。
「じゃあシュウ、いつも通りね」
リーシャは笑いながらそう言って、俺の体に抱き付いてくる。
俺もリーシャを抱きしめ返し、少ししてからリーシャが俺の腕になった。
「転移」
リーシャが魔法を使って、ヴェルーズ近くに転移すると、ヴェルーズの町が凄く賑わっている。
ヴェルーズに行くと、町の皆はお酒飲んでいたりと、とても嬉しそうだ。
何か良い事があったのかな?
俺はそう思いながら冒険者ギルドに向かうと、
「「「ウオォォォォォォッッッ!!!」」」
男達を雄叫びが轟く!
その声に思わずビクッと体を震わせる。
一体何が起きているんだ?
『男の雄叫び…凄いわね』
リーシャもそう言う。
『何があったんだろう?』
『わからないわ。でも、悪い事ではなさそうね。町の皆を見ている感じだと』
『そうだね。良い事だとは俺も思う』
『とりあえず、ギルドに入るしかないわね』
『だね』
俺とリーシャはそう言い、俺はギルドの扉を開ける。
すると、中は完全に酒場の様になっていた。
見ると、受付嬢の人も受付のカウンターで飲み物をちびちび飲んでいる…。
その隣には、笑顔のフェリアンさん。
そして、冒険者達はお酒や飲み物を持って、中央に立っている人の周りをグルグル回っている。
中央に立っている人は、こちらに背を向けているが、少し困っているのか頭を掻いている。
すると、
「おぉ~!!シュウじゃねえか!こっち来いよ」
ヤニックが俺にそう言ってくる。
完全に出来上がっている。
既に足はフラフラしていて、いつ転ぶか分からない。
「おっとっと…イテッ!」
俺がそう思った瞬間、ヤニックが転ぶ。
すると、
「何をやっているんだヤニック。ほら、しっかりしろ」
中央に立っている人がそう言って、ヤニックを立たせようとする。
その声を聞いた瞬間、俺はこの人の事がわかりこの町でお祭りになっている意味が分かった。
彼も俺に気づいてこちらに来る。
「お久しぶりです。ザールさん」
「久しぶりだな」
俺とザールさんは、握手をする。
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