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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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しばらく日常が続きます

ブー…ブー…ブ…


スマホのバイブレーションを、目覚ましにしているから気づかないときもあるけど、今日はしっかりと起きれた。

基本的に俺は6時半に自力で起きられるが、余裕に朝の支度をするには6時に起きなければいけない。

俺は、ジャージから制服に着替えてリビングに向かう。


「おはよう」


リビングに入ると同時に母さん、姉さん、春乃に挨拶をする。


「おはよう」

「…」

「…ふんっ」


いつも通りの朝だ。

この通り、母さんは普通に返事をしてくれるが、姉は無視をするし、春乃に関しては顔をしかめて顔をそらされる。

って、あれ?


「父さんは?」

「今日は早いらしくてもう出たわ」

「そっか」


どうやら、父さんはもう仕事に出たらしい。

家族は父、母、姉、俺、妹という構造だ。

ただ、父と姉と妹とは血が繋がってない。

父さんは奥さんが事故で亡くなってしまい独身に、母さんは、俺がまだ幼い頃に父が病気で他界してしまい独身になり、元から同じ会社の関係で知り合いだったらしく徐々に関係を深め、結婚に至ったらしい。

俺は父の顔も写真で見たことしかなく、記憶に父の存在はなかった。

だから、自分に父と姉と妹ができることがすごく嬉しかった。

父さんも母さんも大手の会社の重役で会社の人に頼られる程凄いらしい。

葉山(はやま) 秋沙(あいさ)こと姉さんは才色兼備ってやつだ。優れた才能に美しさの中に可愛さが入っている。

葉山(はやま) 春乃(はるの)こと春乃は運動が少しできないだけで頭は良いし可愛らしい容姿である。

だけど、俺は家族の中で唯一普通だった。

家族が凄い以外容姿、頭脳ともに普通だ。


「いただきます」


朝食を食べながら俺は思う。

再婚になったことで俺は前の小学校を転校して、義理の姉妹が通っている学校へ転入した。

その学校、東桜寺学園は小中高大一貫の学校であり、全国のまさに選ばれた人が通う学校だ。

天才、秀才と呼ばれる人達がこの学校に集まっている。

その中に、平凡な俺が入ったことでまさに腫れ物扱いになった。

皆はできる人間、俺はできない人間。

俺も小学生の頃は周りの皆に優秀だ、頭が良いなんて言われていたが、所詮普通の小学生が少し覚えが良く高校受験ができる程度なんて、あの学園に行けば普通の事なのだ。

俺はあの学園では普通なのだ…、いや、もっと下なのかもしれない。

それ故に、皆の優越感は、格下の俺なんかは弄るには良い存在だっただろう。

だから、姉さんと春乃はこんな情けない俺の事が嫌いになり、無視するようになったんだろうな。


「ご馳走さまでした」

「ごちそうさま~」


朝食を食べ終わった姉さんと春乃はそう言うと、リビングから出ていく。

相変わらず2人は早いな。昔は一緒に登校したりしたけど、今ではそんなことはない。

俺が中学2年生で姉さんが中学3年生、春乃が中学1年生ぐらいに俺達は一緒に登校することはなくなった。

朝食を食べながら俺は昔の登校風景のことを思い出していた。3人で肩を並べて話しながら仲良く学校まで歩いていた頃を…。

それから俺は朝飯を食べた後、登校するための準備を終わらせ自宅を出る。


「いってきます」

「…いってらっしゃい」


母さんに挨拶をし、家を出る。


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