来ちゃった
明日は本編ではなく、簡潔な登場人物の紹介を更新します。
よろしかったら、読んで下さい。
あれからは早かった…。
春乃の怒号に反応して、秋沙姉がスキルを使って一瞬で俺達の所にやって来た。
そして、
「…連行」
秋沙姉の一言によって、俺とエルミールは連行されて、怜華さんの魔法で2人共尋問されている。
と言っても、エルミールさんはコレットさんから慎みを持てと言われている。
一方の俺は、
「柊ちゃん?ここ、少し濡れてる」
怜華さんの尋問?を受けている。
その方法は…、正座している俺に後ろから抱きしめる様に怜華さんが寄りかかってきて、俺の耳を突っついている。
それからは、怜華さんの独壇場ではあったが、何とかごめんなさいをして皆の言う事を更に追加で従う事で許してもらえた。
それからはいつも通り、ルリィやエルミールさんの夕食を食べていると、外から声が聞こえた。
俺の名前を呼んでいる様だ。
俺は皆に一言言ってから、玄関の扉を開ける。
すると、レデリックさんが立っていた。
「お久しぶりです。レデリックさん」
俺がそう挨拶すると、
「久しぶりだな。本当なら色々と話したい事があるんだが…」
レデリックさんがそう言って、頭を掻く。
「どうかしたんですか?」
俺がそう言った瞬間、
「すまない。後は頼んだ!」
レデリックさんはそう言って、走って帰ってしまった…。
後は頼んだって、どういう事だ?
俺がそう思った瞬間、開けた扉から2つの人影が出てきた。
「「来ちゃった」」
そう言う2人は、リザベルトさんとエルネットさんだった。
「リザベルトさんとエルネットさん!どうしたんですか?」
俺がそう言うと、リザベルトさんが、
「騎士の人にシュウ君の家に行きたいって言ったの。勝手に帰っちゃうんだもの…。寂しかったわ」
そう言い、リザベルトさんの隣にいるエルネットさんがコクコク頷く。
「すみません。立ち話もあれなんで、どうぞ」
俺が家に招こうとすると、2人はおそるおそる家に入る。
「別に危ない事ないですよ」
俺が2人にそう言うと、
「だって…初めて人の家に入るんだもの…少しエルフの家とは違うわね」
「うん。結構明るい」
2人は家の中を見ながら、そう言う。
すると、
「柊ちゃん!お風呂入りましょう!」
怜華さんが玄関までやって来た。
そして見つめ合う、怜華さんとリザベルトさんとエルネットさん。
どうやら…もう一波乱ありそうだ…。
「柊ちゃん?またなの?」
怜華さんが目を鋭くしながら俺にそう言ってくる。
「違います!」
誤解だ、2人がいきなり来て俺もまだ困惑しているって言うのに…。
「えっと…自己紹介するわね。私はリザベルト、エルフの村で一応村長をしているわ。それで、私の隣にいるのが娘のエルネットよ。よろしくね」
「よろしく。これ」
リザベルトが怜華さんに自己紹介して、エルネットさんの紹介もする。
すると、エルネットさんが怜華さんに、何かを渡す。
「ご丁寧にありがとうございます。どうぞ」
すると丁寧な挨拶に怜華さんも冷静になり、2人を家の中に案内する。
おぉ、流石大人なリザベルトさん。
大人な対応で、怜華さんの暴走を止める事に成功している。
そのまま怜華さんに案内されて、2人は食堂に着いた。
すると、皆がキョトンとしている。
リーシャとアル、春乃は得に驚いた様子ではない。
おそらく、2人の事を少し知っているリーシャはこうなる事を予想していたのかもしれない。
アルと春乃はスキルで、玄関の様子を見ていたのだろう。
そして、とりあえず皆椅子に座り、色々と話す事になったのだが…。
「秋沙姉、椅子に座ってよ」
「…柊の椅子になる」
「秋沙姉」
「……わかった」
秋沙姉が少し欲望に従って大変だったが、何とか椅子に座らせる事に成功した。
「どうぞ」
「ありがとうルリィちゃん」
「…ありがとう」
ルリィがお茶を入れてくれて、リザベルトさんがお礼を言って、エルネットさんも少し悔しいそうにお礼を言う。
「どうぞ、ご主人様」
「ありがとうルリィ」
ルリィが俺にもお茶を入れてくれて持って来てくれる。
俺がお礼を言うと、他の皆の所にもお茶を持っていき、その仕事が終わるとルリィも座る。
「それで、リザベルトさんとエルネットさんはどうしてここに?」
俺が2人に質問すると、
「実はあの後、親交を深めようという事になって、エルフの皆はこの国のお城に招待されたの。で、泊まる事になったのだけど、私はシュウ君の家に行きたくて、騎士の人に案内を頼んだの」
リザベルトさんがそう答える。
「どうしてそんなに柊ちゃんにこだわるんですか?」
すると、怜華さんがリザベルトさんに質問する。
「そんなの、シュウ君の事が好きだからに決まってるわ」
リザベルトさんの直球の答えに、俺を含めた皆が固まるが、思考が戻ってくると皆が俺の事を睨んでくる…。
「まぁ、柊先輩が女たらしなのは前から知ってましたから良いんですけど」
真海ちゃんがそう言うと、何故か頷く怜華さんと秋沙姉と春乃…。
リーシャもだ…。
「でも、聞いた所、リザベルトさんは旦那さんがいるんですよね?」
真海ちゃんがそう言うと、リザベルトさんは寂しそうに笑い、
「いたわ…。もう亡くなってしまったけど」
そう言う。
その言葉を聞いた皆が顔を暗くして、真海ちゃんは慌てて、
「すみません。失礼な事を言いました」
リザベルトさんとエルネットさんに頭を下げて謝罪する。
「いえ、良いのよ」
リザベルトさんがそう言うと、真海ちゃんが頭を上げる。
それから少しだけ、皆はいろいろ話をして仲良くなっていった。
リザベルトさんの大人なやんわりとした雰囲気に、皆心を開いている。
エルネットさんはまだ少し緊張している様だが、それでも聞かれた事や気になる事に質問したりしている。
そして、
「私達もシュウ君と一緒に暮らしたいわ」
リザベルトさんがそう言った瞬間、皆がピシッと固まる。
「あのリザベルトさん、村の方はどうするんですか?」
俺がそう聞くと、彼女は笑顔で、
「当分、森では住まないわ」
そう言った!
「え!森で過ごさないんですか?」
「えぇ、少しの間は森同士が混ざり合うために、私達は通う様になるわ。森で過ごすのはもう少ししてからよ」
リザベルトさんはそう言う。
「村の人達はどうするんですか?」
「ティシールさんの計らいで、城に滞在する許可を貰ったわ」
「そうなんですか」
俺がそう言って、お茶を口に含んだ瞬間、
「だから、ここに泊めて欲しいの」
リザベルトさんはそう言った。
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