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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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戻って来た最強の冒険者…の弟子

その後、皆が部屋に来たので胸の話は終わりになった…。

春乃は納得していないようだったが…。

それからすぐに怜華さんや秋沙姉が部屋に入ってきて、ベッドの大きさと柔らかさに驚愕していた。

更に他の皆が寝るために部屋に入ってきては、ベッドに驚く感じだった。

そして皆で、ふかふかの気持ち良いベッドで眠る事になった…。

翌朝目を覚ますと、目の前にエルミールさんの寝顔があった。

とても珍しい事だった。

ルリィとエルミールさんは、メイドとしての仕事をするといって起きるのが皆より早い。

なのに、今俺の目の前でスヤスヤ寝息を立てながら、穏やかな顔で寝ている…。

俺は少し起き上がって周りを見ると、皆爆睡している。

ルリィも丸まって寝ている。

それを見ていると、俺ももう一度眠くなってくる…。

俺はそのまま二度寝の世界に旅立ってしまった…。


「…ュウ。シュウ!起きて!」


リーシャの声が聞こえて、肩を揺さぶられる…。


「ん…どうしたのリーシャ…」


俺がそう言って起き上がると、今だにみんな寝ている。


「どうしたのじゃないわ。もうお昼よ!」


俺の言葉に、リーシャがそう返す…。

お昼?


「お昼って、どういうこと?」

「だから、もう陽が昇ってるのよ。寝坊しちゃったのよ」


俺はリーシャの言葉を聞いて、俺は呆然とする。

俺は寝ぼけた状態で窓の元に行き、空を見る。

そして日の光に目を閉じる…。

完全に…寝坊してしまったようだ。

原因は多分だが、このベッドだろう。

ずっと寝てられるほど、横になっていて心地いい。

そして、俺とリーシャがある程度声を出しているのに、周りの皆が起きる気配すらない…。

どうやらこのベッドは魔性のベッドのようだ。

あんなに真面目なルリィとエルミールさんをも寝坊させるほどの寝心地の良さ、恐ろしい…。

その後、俺とリーシャで皆を起こすと、ルリィとエルミールさんは慌てて家事を始める。

俺や皆も家事を手伝い、すぐに終わらせる事ができた。

それから俺はギルドの仕事に行こうとすると、今日はリーシャが一緒に来てくれると言ってくれた。

他の皆は、あの魔性のベッドでもうひと眠りをするらしく、部屋に入ってしまった…。

ちょっとだけ寂しい…。


「行きましょシュウ!久しぶりね!」


リーシャはそう言って、俺に触れて腕になる。

このリーシャが腕になっている時の感じが久しぶりすぎる様に感じてしまう。

その後、俺はいつも通りヴェルーズまで走った!

それからギルドに入ろうと扉に近付くと、ギルドの中から笑い声が聞こえる。

昨日までは凄く静かだったのに、今は外まで笑い声が聞こえる。

そして、


「遂に戻って来たぜ!最強の冒険者の弟子!ヤニック様がな!」


そんな声が聞こえた…。

何だろう…、帰って来て嬉しいのだが、素直に喜べない複雑な心境は…。


『どうしてかしら?このままギルドに入ったら、絶対に絡まれるとわかるわ』


リーシャもそう言う。

俺もリーシャの意見に同感だ。

でも、扉の前で突っ立っているのも迷惑だ…。


「…仕方ない」


俺はボソッと呟いて、ギルドの扉を開ける。

すると、ヤニックがテーブルに乗り下にいる冒険者に手を振っている…。

元気そうで良かったが、行儀悪いぞ…。

俺がそう思うと、


「こらヤニック、下りなさい」


ヤニックを説教する声が聞こえた。

その声はとても久しぶりであり、聞きたいと願っていた声である。


「は、はい。すみません」


ヤニックは素直に声の主に従う。

俺は周りを見渡すが、声を主は見当たらない。


「おや、シュウさんもいらしたんですか?」


そして、声の主は俺に気づいてそう言ってくる。


「ア…」

「おぉっ!シュウじゃねえか!」


俺が声の主の名前を呼ぼうとするが、ヤニックによって遮られる。


「ヤニック、そっちはどうだった?」


ヤニックが俺の元に来て、俺がそう聞くと、


「あぁ、精霊様達に絞られたけど、何とかなったぜ」


ヤニックはそう言って、腕で力こぶを作る様な仕草をする。

すると、ヤニックの後ろから水色の玉がフワフワ浮いて、こちらにやって来る。


「お久しぶりですシュウさん」

「アルベールさん!?」


フワフワ浮いていた玉から声が聞こえた。

しかもいなくなっていたアルベールさんの声が…。


「すみません。この姿を見せるのは初めてですね」

「え、えぇ。お久しぶりですアルベールさん」


俺がそう言うと、アルベールさんがフワフワと俺の周りを飛ぶ。

その後、俺とヤニックは2人で依頼を受けて、今はヴェルーズから少し離れている草原を歩いている。

聞くと、ヤニックが指示されて行った精霊の森に、アルベールさんはいたらしい。

アルベールさんの説明によると、大魔王との戦いで魔力を使い過ぎてしまったらしく、精霊の姿に戻ってしまったらしい。

アルベールさんは人の姿になれる魔法を使って、人の姿で生活していたらしいが、魔力切れで精霊の姿になってしまい、精霊の森に強制的に戻ってしまったと説明してくれた。

しかも、人の姿に戻るには自身の魔力を溜め込まないといけないらしい。

どれくらい溜めるのか聞くと、50~60年と説明してくれた。


「でも、精霊が人の姿になれるなんて知らなかったですよ」

「あれは秘魔法と呼ばれるモノですからね。長く生きた精霊は自我が芽生えていくんです。そして、この魔法を使えるように日々精進していくんですよ」


アルベールさんがそう説明してくれると、


「おい!あれ、依頼の魔物だよな!」


ヤニックがそう声を出す。

見ると、少し離れた所に依頼の魔物、デカい鼠が何かしている。


「あれは…双鼠そうそ、二つ頭の鼠ですね」


アルベールさんがフワフワ浮きながらそう言う。


「おいシュウ、俺様とアルベールさんの力を見せてやるぜ!」


ヤニックは俺にそう言うと、加速魔法を使って一気に駆け出す。

そして、それと同時にヤニックの周りに水が出現する。

どうやらアルベールさんが魔法を使ったようだ。

その後、ヤニックとアルベールさんのコンビネーションで魔物はすぐに討伐された。

相性が良いあの2人を見て、俺も負けていられないと魔物を探す事にした。


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