新婚生活?
家に帰ると、屋敷の中が変わっていた…。
なんというか綺麗になっていた…。
元々綺麗な装飾とかされていたが、さらに磨きがかかっている。
「ただいま~」
俺がそう言うと、
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「おかえりなさい、シュウさん」
ルリィとエルミールさんが出迎えてくれる。
というかエルミールさん?
「あれ?エルミールさん、城に帰ったんじゃ…」
俺がエルミールさんにそう言うと、
「はい。一度城に帰り、もう一度こちらに帰って来たんです」
エルミールさんがそう答える。
「え?でもそうしたらお仕事の方はどうするんですか?」
俺がそう質問すると、
「安心して下さい。ティアリス様もコレット様もこちらに住む事になりました」
エルミールさんがしれっとそう言った。
俺は、エルミールさんの言葉を聞いて固まる。
「え?じゃあこれからティアの仕事とかどうなるんですか?」
俺がそう聞くと、
「騎士やメイドが、仕事の書類を持って来てくれる事になりました。重要な書類の場合はこちらから受け取りに行くか、ティアリス様とコレット様が城で仕事をするようになりました」
エルミールさんが俺の質問に答える。
「迷惑だったでしょうか?」
「いえ、仕事に問題が出ないのなら俺が何かを言うつもりはないですよ。ゆっくりして下さいね」
エルミールさんが不安そうに聞いてきて、俺は慌ててそう言う。
仕事が疎かにならないなら、俺が何かを言うつもりはない。
ただ、王女様が家に住むとなると、警備体制を整えなければいけないな。
俺がそう思っていると、
「リリアーナさん!何をしているの!?」
「これを入れると美味しくなるって言ってたわ」
「それを入れていいのは煮込み料理の時よ!」
厨房から皆の声が聞こえる…。
リーシャ…。
どうやらリーシャがやらかしてしまったようだ…。
皆の叫び声が聞こえてくる…。
「今日は皆様でご主人様に料理を振る舞いたいという話になって…。皆様で調理をしていたのですが…」
「リリアーナ様は…料理が出来ない方でした…」
そして、ルリィとエルミールさんが表情を暗くしてそう言ってくる。
それに関しては…触れない事にしよう…。
その後、俺は汗を流すために1人湯浴みをした。
ルリィが洗いたいと突撃してきたが、大人しく待ってなさいと言って浴場から出てもらった。
それから汗を流して、俺が食堂に行くと、
「おかえりなさいシュウ!」
リーシャが俺にそう言ってくる。
怜華さんや他の皆もおかえりと言ってくれる。
良いな、こういう帰ると皆におかえりと言って貰えるの。
俺はそう思いながら、皆に向かって、
「ただいま」
そう言うと怜華さん達が、
「これが新婚生活…なんて素晴らしい時間なの…」
「…ワンワン」
「夢にまで見た光景…」
そう呟いている。
どうやら、怜華さん達も俺と同じような事を思っているんだろう…。
その後、皆で食事を取った後、怜華さんが湯浴みをしようと話したのだが、俺が先に入ってしまったと言うと、皆から文句を言われてしまった…。
何でも食事、湯浴み、就寝は皆でする事が既に決まってしまったらしい…。
俺聞いて無いんですけど、話し合いにすら参加して無いんですけど…。
その後、皆が湯浴みに行っている間に、いつの間にか決められた自分の部屋に行く。
部屋に行くと、まだ空っぽの部屋だ。
とりあえず、手に持っていた防具を床に丁寧に置く。
それにしても、寝具が無いと辛いな…。
あれ?でも就寝は皆で、って言ってたな…。
つまり就寝はこの部屋ではないのか?
俺はそう思いながら床に座る。
耳を澄ますと、浴場で皆の声が聞こえる…。
いやいや、流石に盗み聞きはダメだろ!
俺はそう思って別の事を考える。
ザールさんとヤニックはどうなってるんだろう…。
ザールさんは獣人の国に現れたドラゴンを討伐しに行ってる。
大丈夫だろうか…。
いや、ザールさんなら大丈夫だ。
「でもな…ヤニックは凄く心配だ…」
ザールさんは大丈夫だと思えるんだが、ヤニックは凄く不安になる。
無駄に自信満々だから、変な事に巻き込まれて死んでなければいいけど…。
そう思っていると、どんどん不安になってくるな…。
その後、皆の湯浴みが終わるまで俺は1人で悩んでしまった…。
ただ、2人の事を信じて待つしかない。
そのうちに皆が浴場から出てきた。
そして、昨日と同じように皆で雑魚寝をする事になった。
どうやら皆で寝るベッドは作るらしいから、当分の間雑魚寝になるらしい…。
アルのスキルで材料になる物の場所は特定しているらしく、明日にもアルとリーシャが探しに行くらしい。
つまり、明日も1人で依頼に行かなければいけないな。
そんなことを思っているうちに、俺は眠気に負けて眠ってしまった。
そして翌朝、俺は皆に挨拶して昨日と同じ様にギルドで依頼の魔物を狩っていく。
今日は皆が何をしているかは知らないが、アルとリーシャは転移魔法で各地を巡って素材集めに行っている。
その後、俺は依頼を全て終わらせてフェリアンさんに報告してサンレアンに帰ってきた。
そこで俺は、昨日疑問に思っていたサンレアン王国の西側に行くことにした。
だが、行ってみるとそこは…。
「お兄さん、寄ってかない?良い娘が揃ってるよ」
どうやら、完全に夜の町ってやつだ。
そこら中から甘い匂いがする…。
俺がそう思っていると、
「あら?シュウじゃない?」
いきなり声を掛けられた!
声を掛けられた方向を見ると、1つの店からセレステルさんが出てきた。
「セレステルさん!どうしてここに?」
「私が西側の騎士団団長をやっているの知ってるでしょ?」
「それは知ってますけど、何でお店から?」
俺がそう聞くと、
「店1つ1つ違法していないか調べているからよ。西騎士団はほとんどが女騎士なのは、こういうお店で働いている女性に色々聞くのに適しているからよ」
セレステルさんがそう答えてくれる。
すると、
「くそ!騙しやがったな!」
「団長!その男捕まえて下さい!」
男性の怒号が聞こえて、続いて女性の声がセレステルさんを呼ぶ。
見ると、男がこちらに向かって走って来ている!
「火…」
「魔翔剣」
セレステルさんが魔法を使う前に、俺が刃が無い魔翔剣を作って男にぶつける。
そのせいで男は盛大に倒れた…。
「やり過ぎた…」
夜の町の真ん中で、俺は呟く。
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