大好き
明日、0時丁度にブックマーク500人突破の記念回を更新します。
よろしければ読んで下さい。
本編とは関係ないです。
俺の合図に、ゆっくりと俺達の傍に来るティアとコレットさん。
2人は、肩を震わせて静かに泣いているエルミールさんの肩にそっと手を置く。
「エルミール…」
コレットさんがエルミールさんの名前を呼ぶと、
「はい。コレット様」
エルミールさんは返事をする。
「馬鹿~!!」
そして、コレット様は大きな声でエルミールさんにそう言う。
「コレット…様?」
「エルミールの馬鹿!今までそんな事気にしてたの!!」
「コ、コレット?流石に追い打ちは…」
「お姉様は黙ってて。エルミールはそんな昔の事を気にしていたの?」
コレットさんは、エルミールさんの顔を見てそう質問する。
「は、はい。私は…コレット様とティシール様に助けて貰いました…。ですから恩返しの為にも、私は何があっても皆様を護り抜くと決めました」
「…それじゃあ駄目」
「え?」
コレットさんの言葉に、エルミールさんがキョトンとする。
「私はエルミールにそこまで重く考えて欲しくない。単純に友達みたいなのが良い」
コレットさんがそう言うと、
「ごめんなさい、エルミール。コレット、友達と呼べる人がいなくて貴女が一番親しい人なの」
ティアがコレットさんのフォローをするが、
「お姉様!それじゃあ私が寂しい人みたいじゃない!それにお姉様も同じ様なものでしょ!」
ティアのフォローに怒るコレットさん。
俺は今だにキョトンとしているエルミールさんに、
「エルミールさんは深く考えすぎてたようですよ。コレットさんはエルミールさんともっと親しくなりたいようです。確かに助けて貰った事に感謝するのは良い事です。でも、エルミールさんは投げ出さなくても良いものも投げ出そうとしたんです…。もう少しだけ、気楽に考えてみてはどうですか?それでもわからなかったら、俺やティア、コレットさんに相談したりするのはどうでしょう?」
俺がそう言うと、
「そんな簡単な考えで良いんでしょうか?迷惑になったりしないでしょうか?」
エルミールさんが俺にそう聞いてくる。
「なりませんよ。大切な人に頼られれば、嬉しいです」
俺がそう言うと、
「エルミール!私は寂しい人じゃないよね!?」
「エルミール?私には友達はいますよね?」
姉妹喧嘩をしていた2人が、エルミールさんに詰め寄る。
「え、えっと…その…」
2人に詰め寄られたエルミールさんは何を言えばいいのか戸惑っているようだ。
だから、
「ティアにもコレットさんにも友達はいますよ」
俺がエルミールさんの代わりにそう言う。
「2人共、エルミールさんが友達なんですから」
俺がそう言うと、俺の言葉を聞いた3人が固まる。
「これからは、王女様とメイドと言う立場であり友達です。3人共どうですか?」
俺がそう言うと、
「私は全然構わないわ」
「そうですね。エルミール」
ティアとコレットさんがうんうんと頷き、エルミールさんを見る。
そして、
「これからは友として、護って下さいね。私達もエルミールの事を護ってみせますから」
ティアがエルミールさんに手を差し出す。
エルミールさんはおそるおそるティアの手を掴む。
「その…今後ともよろしくお願いします」
エルミールさんがそう言って頭を下げる。
その後、3人は話をしている
コレットさんはエルミールさんに今までの文句を言い、エルミールさんはそれに意見を言っている。
その脇で2人の会話に入ろうとして何かを言っているティア。
ティアの声は小さく、あまり俺には聞こえない。
ここにいる皆を、幸せにできるんだろうかとかはもう止めよう。
皆を絶対に幸せにしてみせる!
俺がそう思っていると、
「シュウ」
後ろからリーシャの声がする。
俺は後ろに振り返ると、優しく微笑んでいるリーシャ。
「ありがとうリーシャ…そして、ごめん。リーシャだけを愛していくって言ったのに」
俺がそう言うと、リーシャは首を振るう。
「良いのよシュウ。だって、私はシュウの妻なのよ。妻が許したんだから、気にしたら駄目。それに後悔はしてないんでしょ?」
「…うん。これからどうなっていくか分からないけど、精一杯頑張るよ」
俺がそう言うと、リーシャが俺に近づいてくる。
「シュウ、キスして」
「うん」
リーシャが目を閉じると同時に、リーシャの唇に自分の唇を付ける。
少しして、リーシャから離れる。
「私はシュウの全てを愛しているわ」
「俺も。リーシャの全部を愛しているよ」
お互いにそう言うと、何やら視線を感じる…。
周りを見ると、皆が俺とリーシャをジトッとした目で見ている。
「ど、どうしたの皆?」
俺が皆にそう言うと、
「リーシャさんだけ贔屓しているように感じるですけど?」
真海ちゃんがそう言い、周りの皆も頷く。
「私達は愛しているなんて言われてないわ。言って欲しいわね」
怜華さんが俺の事を見てくる。
その目は鋭くなっており、怜華さんが不機嫌になっているのは明らかだ…。
すると、
「私はシュウの妻だもの。でもそうね…シュウ?皆にも言ってあげれば」
リーシャが俺にそう言ってくる。
その瞬間、皆から変なオーラが見える…。
これは…大変な事が起きるんではないだろうか…。
「柊ちゃ~ん?私の事も愛してるわよね?そうよね?」
「…柊、私の事を罵りたい?」
「お兄ちゃんはやっぱり監視して見張ってないといけないかな~?」
「柊先輩は女性にこんなに愛されてて良かったですね~…」
「ご主人様、私もリーシャ様の様に言われたいです」
「オレも言われてみてぇな~。なぁ~シュウ~?」
「わ、私も言われてみたいです…。ね?コレット、エルミール?」
「わ、私は別に言われたいとは思ってないわ!まぁ、言いたいなら言っても良いけど…」
「言って欲しいです。朝昼晩毎日聞きたいです」
皆が俺の事をジッと見ながらそう言ってくる。
確かに言った方が良いとは思う…。
だけど、初めて言うのは…。
「その言葉は、もっと大事な時に言いたい」
俺がそう言うと、皆の表情がキョトンとする。
「今この流れで言うのは、間違ってないのかもしれない。でもこの言葉は、もっと大切な時に1人1人にしっかりと言いたいんだ。だから今は…」
俺は皆にそう言って、一度区切る。
そして息を大きく吸い、意を決して、
「俺は皆の事、大切で大好きだ!」
そう叫んだ。
皆が俺の言葉に固まる。
「その…今はこれで、我慢して下さい」
追加で、小声で俺がそう言うと、皆が一斉に笑いだす。
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