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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
185/430

大好き

明日、0時丁度にブックマーク500人突破の記念回を更新します。

よろしければ読んで下さい。

本編とは関係ないです。

俺の合図に、ゆっくりと俺達の傍に来るティアとコレットさん。

2人は、肩を震わせて静かに泣いているエルミールさんの肩にそっと手を置く。


「エルミール…」


コレットさんがエルミールさんの名前を呼ぶと、


「はい。コレット様」


エルミールさんは返事をする。


「馬鹿~!!」


そして、コレット様は大きな声でエルミールさんにそう言う。


「コレット…様?」

「エルミールの馬鹿!今までそんな事気にしてたの!!」

「コ、コレット?流石に追い打ちは…」

「お姉様は黙ってて。エルミールはそんな昔の事を気にしていたの?」


コレットさんは、エルミールさんの顔を見てそう質問する。


「は、はい。私は…コレット様とティシール様に助けて貰いました…。ですから恩返しの為にも、私は何があっても皆様を護り抜くと決めました」

「…それじゃあ駄目」

「え?」


コレットさんの言葉に、エルミールさんがキョトンとする。


「私はエルミールにそこまで重く考えて欲しくない。単純に友達みたいなのが良い」


コレットさんがそう言うと、


「ごめんなさい、エルミール。コレット、友達と呼べる人がいなくて貴女が一番親しい人なの」


ティアがコレットさんのフォローをするが、


「お姉様!それじゃあ私が寂しい人みたいじゃない!それにお姉様も同じ様なものでしょ!」


ティアのフォローに怒るコレットさん。

俺は今だにキョトンとしているエルミールさんに、


「エルミールさんは深く考えすぎてたようですよ。コレットさんはエルミールさんともっと親しくなりたいようです。確かに助けて貰った事に感謝するのは良い事です。でも、エルミールさんは投げ出さなくても良いものも投げ出そうとしたんです…。もう少しだけ、気楽に考えてみてはどうですか?それでもわからなかったら、俺やティア、コレットさんに相談したりするのはどうでしょう?」


俺がそう言うと、


「そんな簡単な考えで良いんでしょうか?迷惑になったりしないでしょうか?」


エルミールさんが俺にそう聞いてくる。


「なりませんよ。大切な人に頼られれば、嬉しいです」


俺がそう言うと、


「エルミール!私は寂しい人じゃないよね!?」

「エルミール?私には友達はいますよね?」


姉妹喧嘩をしていた2人が、エルミールさんに詰め寄る。


「え、えっと…その…」


2人に詰め寄られたエルミールさんは何を言えばいいのか戸惑っているようだ。

だから、


「ティアにもコレットさんにも友達はいますよ」


俺がエルミールさんの代わりにそう言う。


「2人共、エルミールさんが友達なんですから」


俺がそう言うと、俺の言葉を聞いた3人が固まる。


「これからは、王女様とメイドと言う立場であり友達です。3人共どうですか?」


俺がそう言うと、


「私は全然構わないわ」

「そうですね。エルミール」


ティアとコレットさんがうんうんと頷き、エルミールさんを見る。

そして、


「これからは友として、護って下さいね。私達もエルミールの事を護ってみせますから」


ティアがエルミールさんに手を差し出す。

エルミールさんはおそるおそるティアの手を掴む。


「その…今後ともよろしくお願いします」


エルミールさんがそう言って頭を下げる。

その後、3人は話をしている

コレットさんはエルミールさんに今までの文句を言い、エルミールさんはそれに意見を言っている。

その脇で2人の会話に入ろうとして何かを言っているティア。

ティアの声は小さく、あまり俺には聞こえない。

ここにいる皆を、幸せにできるんだろうかとかはもう止めよう。

皆を絶対に幸せにしてみせる!

俺がそう思っていると、


「シュウ」


後ろからリーシャの声がする。

俺は後ろに振り返ると、優しく微笑んでいるリーシャ。


「ありがとうリーシャ…そして、ごめん。リーシャだけを愛していくって言ったのに」


俺がそう言うと、リーシャは首を振るう。


「良いのよシュウ。だって、私はシュウの妻なのよ。妻が許したんだから、気にしたら駄目。それに後悔はしてないんでしょ?」

「…うん。これからどうなっていくか分からないけど、精一杯頑張るよ」


俺がそう言うと、リーシャが俺に近づいてくる。


「シュウ、キスして」

「うん」


リーシャが目を閉じると同時に、リーシャの唇に自分の唇を付ける。

少しして、リーシャから離れる。


「私はシュウの全てを愛しているわ」

「俺も。リーシャの全部を愛しているよ」


お互いにそう言うと、何やら視線を感じる…。

周りを見ると、皆が俺とリーシャをジトッとした目で見ている。


「ど、どうしたの皆?」


俺が皆にそう言うと、


「リーシャさんだけ贔屓しているように感じるですけど?」


真海ちゃんがそう言い、周りの皆も頷く。


「私達は愛しているなんて言われてないわ。言って欲しいわね」


怜華さんが俺の事を見てくる。

その目は鋭くなっており、怜華さんが不機嫌になっているのは明らかだ…。

すると、


「私はシュウの妻だもの。でもそうね…シュウ?皆にも言ってあげれば」


リーシャが俺にそう言ってくる。

その瞬間、皆から変なオーラが見える…。

これは…大変な事が起きるんではないだろうか…。


「柊ちゃ~ん?私の事も愛してるわよね?そうよね?」

「…柊、私の事を罵りたい?」

「お兄ちゃんはやっぱり監視して見張ってないといけないかな~?」

「柊先輩は女性にこんなに愛されてて良かったですね~…」

「ご主人様、私もリーシャ様の様に言われたいです」

「オレも言われてみてぇな~。なぁ~シュウ~?」

「わ、私も言われてみたいです…。ね?コレット、エルミール?」

「わ、私は別に言われたいとは思ってないわ!まぁ、言いたいなら言っても良いけど…」

「言って欲しいです。朝昼晩毎日聞きたいです」


皆が俺の事をジッと見ながらそう言ってくる。

確かに言った方が良いとは思う…。

だけど、初めて言うのは…。


「その言葉は、もっと大事な時に言いたい」


俺がそう言うと、皆の表情がキョトンとする。


「今この流れで言うのは、間違ってないのかもしれない。でもこの言葉は、もっと大切な時に1人1人にしっかりと言いたいんだ。だから今は…」


俺は皆にそう言って、一度区切る。

そして息を大きく吸い、意を決して、


「俺は皆の事、大切で大好きだ!」


そう叫んだ。

皆が俺の言葉に固まる。


「その…今はこれで、我慢して下さい」


追加で、小声で俺がそう言うと、皆が一斉に笑いだす。


読んで下さってありがとうございます!

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誤字脱字などありましたら、連絡して下さい。

よろしくお願いします。

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