部屋割り
今は、俺の尋問が終わり皆で食事をしているのだが、
「シュウ、これ美味しいわ。口開けて」
「ご主人様?食べかすが付いてますよ」
俺の隣にいるリーシャとルリィが俺の食事のお世話?をしてくる。
そして、それをジトーとした目で見てくる皆。
アルはルリィの作った食事をバクバク食べているが…。
そんな皆の団欒?を過ごした後、今は食後のお茶を皆で飲んでいる。
すると、
「そうだシュウ。私達の部屋はどこにしましょうか?」
リーシャが俺に言ってくる。
その瞬間、皆の動きが止まる。
どうやら…これから嵐が起きるようだ。
今のこの静けさは嵐が起きる前の静けさに似ている…。
「リリアーナさん?柊ちゃんと既に同室なのは決定事項なのかしら?」
怜華さんがリーシャにそう言うと、
「夫婦の部屋は一緒の方が良いですよ。…色々と」
リーシャが怜華さんにそう返す。
その顔には色々な感情を含んでいる笑みが浮かんでいる。
「そんな不埒な事させませんよ」
すると、真海ちゃんがリーシャにそう言う。
「良いですか?これから皆でここに住むんですから、そう言う事はしっかりと話し合わないといけないと思います」
真海ちゃんの言葉に、皆が頷く。
「ぐっ…でも私達は夫婦よ。夫婦の寝室は一緒にするべきだわ」
リーシャも臆さないで真海ちゃんや他の皆にそう言う。
だが、リーシャの言葉を聞いた真海ちゃんがニヤッと笑うと、
「ならいっそのこと、皆で寝ると言うのはどうですか?このまま話し合っても平行線だろうし、春乃達は柊先輩と一緒に寝ると言って聞かないだろうし、皆それぞれ別室で寝る事になってもリリアーナさんは柊先輩と別室なんて嫌ですよね?しかも柊先輩1人で寝かせたら、皆一斉に柊先輩に夜這いしますよ絶対」
そう説明する。
その言葉に、リーシャも、
「確かにあり得るわ。少しでも油断したら翌朝には子供が出来てるかも…」
そう呟いている。
1日で子供は出来ないよリーシャ…。
俺はそう思いながら、手を上げる。
「柊先輩何ですか?乙女の戦争の邪魔はしてはいけないんですよ」
真海ちゃんが俺にそう言ってくる。
「皆が暮らす事については、俺は特に何かを言う気はないよ。でも、皆と一緒に寝るのはどうかと思うんだ」
「…何でですか?」
真海ちゃんが少し目を鋭くして聞いてくる。
「俺がリーシャと結婚しているのは知ってるよね?」
「皆知ってますよ」
「だから、リーシャを悲しませたくないんだ。俺だって男なんだ。そして、皆誰から見ても魅力的な女性なんだよ。俺がどんなにリーシャを愛していても、もしかしたらっていう事もありえるんだよ?」
俺がそう言うと、
「シュウ…嬉しいけど、ちょっと複雑だわ」
リーシャがそう言ってくる。
すると、
「やっぱり一緒に寝ることを推奨します!」
真海ちゃんがそう言う!?
「真海ちゃんさっきの話聞いてたッ!?」
「勿論聞いてましたよ。つまり、私達と一緒に寝たら柊先輩が襲ってくれるって事ですよね?」
「間違っている様な、間違っていないような…。とにかく俺は皆別々の部屋で寝る事を推奨します!」
俺が大きな声でそう言うと、真海ちゃんがリーシャの方を向く。
「先輩はこう言ってますが、リリアーナさんはどう思っていますか?」
「…シュウの意見に賛成するわ」
リーシャがそう言った瞬間、
「もしかして…、リリアーナさんは自信が無いんですか?」
真海ちゃんがリーシャを挑発する。
「…なるほどね。そういう事を言うのね…」
リーシャがユラリと椅子から立ち上がり、
「受けて立つわ!誰がシュウの正妻かわからせてあげるわ!!」
真海ちゃんにビシッと指差して、そう叫んでしまった…。
こうなってしまったら、もう俺がどんなに言っても皆が敵だ…。
もうすでに、ここには包囲網が敷かれている…。
「話し終わったか~?なら皆で湯浴みしようぜ!ルリィが掃除してお湯張ってくれたぜ」
「ご主人様!ルリィは頑張りました!ご褒美を下さい!ご褒美で一緒に入りましょう!」
そんな空間に、アルとルリィが皆に聞こえる様に大きな声を出してそう言う。
どうやら、ルリィは更に火薬を火の中にぶち込んでくるらしい…。
「シュウと湯浴み…良いわね」
「お風呂…柊ちゃんとお風呂…夢のお風呂…」
「…体を擦り付けて洗う…」
「盗撮じゃない生お兄ちゃん…見たい…」
「春乃と一緒に見たのじゃない本物か~」
「いい、一緒に湯浴み…恥ずかしいですけど…とても魅力的ですね」
「皆で湯浴み?楽しそう!」
「また、私の肌に触れてもらえる…見てもらえる…」
「何で皆固まってるんだ?ほら行くぞ」
「行きましょう!ご主人様の体の汚れはルリィがしっかり舐め取りますからね!」
皆が固まってブツブツと呟いていると、アルとルリィが俺の側に来て掴んでくる…。
「ままま、待って!俺1人だけ男だから、皆が先で良いよッ!!」
俺が大きな声でそう言うと、
「何言ってんだよ。皆で入るんだよ。男女なんて関係ねえだろ。オレ達の仲じゃねえか」
アルがキョトンとしながらそう言ってくる。
「アル!アルは裸見られても良いの!?」
俺がそう言うと、
「ん?こいつ等になら見られても平気だぞ」
アルがそう返してくる。
「俺は男なの!この意味わかる!」
「確かに男に見られるのは嫌だな。普段でさえ男達の視線が集中するからな」
俺の言葉に、アルがそう言う。
これがチャンスだ!
俺はそう思い、
「なら、俺が一緒に入るの…」
「でも、シュウになら見られても構わないぞ。ドンドン見てくれ」
アルに俺は一緒に入らないと言おうとしたら、アルに遮られてしまった…。
しかも、アルの頬は薄くだが赤く染まっている…。
ここまで言われたら、断るのは失礼なのかもしれない…。
でも、それでも皆と一緒に入るのはマズイ!
俺はなお食い下がろうとするが、
「…拘束」
まさかのリーシャの拘束魔法で縛られてしまう!
「リーシャ!何で!?」
俺はリーシャにそう言うと、
「ごめんねシュウ。でも、一緒に入りたいの…他の皆にも誰がシュウの妻か分からせる為にも」
リーシャはうっとりと恍惚の表情をしながら、反省の言葉を口にするが…。
その表情では、反省はしていなさそうだ…。
「さ、皆入るぞ!」
アルの言葉に、皆がオ~!と返事をして浴室に向かって歩き出す。
俺は何度も魔素を霧散させるが、リーシャの魔法によって何度も拘束されてしまった…。
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