初代勇者
説明回っぽい感じです
しょ、初代勇者が目の前ににににに!!!
「なんかすごい驚いてるわね」
「当たり前ですよ!初代勇者っていえば様々な戦いで勝ち抜いた伝説の勇者ですよ!」
「照れるわね」
リリアーナさんが照れ笑いをしている。めっちゃかわいい…じゃなくて!
「でも、初代勇者って伝記にもなるぐらい昔の人ですよね?」
だが、リリアーナさんは俺と同い年ぐらいだ。
「おばさんみたいに言わないでよ。女に年齢の事を聞くなんて失礼よ」
リリアーナは頬を膨らませながら言ってくる。かわいい…
「すみません…」
「まぁ、良いわ。ステータスカード見せれば納得してくれるでしょ」
そう言ってリリアーナさんは机の上の木の実や積まれている本などを退かす。
「確かこの辺に置いたはずなんだけど……あった!」
リリアーナさんはステータスカードを見つけたらしい。
「はい、見てみて」
リリアーナさんが俺に渡してきたのは俺が持っているステータスカードより大きいものだった。
「あの、俺のと違うんですけど…」
「あれ?もう変わっちゃったの?はぁ~…また更新しなくちゃ~…」
リリアーナさんは溜息を吐く。
俺は渡されたステータスカードを見てみる。
<ステータス>
名前:リリアーナ・シャル・ティオレット
Lv:23168
職業:神剣
年齢:362
MP:18534400
スキル:全能Ⅹ
ふぇ??
なにこのステータス?
ツッコミどころが多すぎる。
「リリアーナさん?このステータスは一体?」
「何か変なところある?」
「ありすぎますよ!名前以外全部がおかしいですって!?」
「どこよ~?」
リリアーナさんが俺の隣に来て俺が持っているステータスカードを見る。
「まず、このレベルはなんですか?」
「そんなのいっぱい魔物とか敵とか倒せばなるわよ」
「いっぱいですか」
大雑把じゃないか?
「じゃ、じゃあこの職業は?」
「神剣?これはちょっと説明が長くなるわよ?」
「はい、大丈夫です」
「まず、職業は変えられるわ。あなたが今平民なのは、あなたが冒険者ギルドに登録してないからよ。登録すれば平民じゃなくなるわ。正直に言うと平民って働いてない人達や子供のことなの。騎士や冒険者、商人に農家と職業は色々あるわ」
俺、働いてない扱いだったのね…。
「それで私の話になるけど、私は最初の職業は勇者よ。その次が聖剣ね、これは古代の秘術を使って私が人を辞めた時になったの。で、次が神見習いよ、確か人を辞めて100年位過ごしてたら神様になりませんか?って誘われたの。でも、実際に神の仕事見たらほぼ座ってるか、書類整理みたいなのでイヤになっちゃって中途半端で辞めちゃったの。で、気がついたら今の職業になってたわけね」
なんか凄い単語がぽつぽつ聞こえたんだけど?
ま、まぁ俺はこの世界にきて日が浅いから知らなかっただけで普通なのかもしれないし…。
「この年齢は?」
「………………」
睨まれた。
聞くなって事ですね。
MPはレベルを見ればこの凄さはわかる。
次は一番気になっていたことだ。
「このスキル。全能Ⅹってどういう事ですか?資料を見たんですけど、あれにはスキルはⅤまでしかレベルがないですし、レアスキルもⅢまでしかないですよね?」
「まず、全能ってスキルだけど神見習いになった時になってたんだよね。勇者の時なんてスキルが53個あったから見やすくなって良かったのよ~。で、スキルの内容は全スキルが使えるようになるって感じかな。レベルは神様のスキルレベル上限がⅩなんだけど人間や魔族はⅤまでが上限なんだって」
なるほど。
リリアーナさんは人間じゃなく、見習いとはいえ神になったからスキルが変わってレベル上限も神様と同じになったわけだ。
「ちなみに私は全能だけど全知っていうスキルもあるわよ」
「それはどんなスキルなんですか?」
「ん~、わかりやすく言うとなんでも知っているって感じね」
「なんでも?」
「そう、なんでも。例えば、今私が考えている事もあの子には筒抜けって事よ」
「嘘とか吐けませんね」
「そうね。さてと話し込んじゃったけどお腹空いたでしょ?ご飯にしましょ」
そういうと、リリアーナさんは机の上にあった木の実を俺に渡してくる。
「いただきま~す」
「い、いただきます」
おそるおそる木の実を齧ると甘くみずみずしい。
「美味しいですね」
「この実は私が丹精込めて創ったの。完全な新種よ。あなたが浸かっていた水で育てたから水の治す力がこの実にも受け継がれてるの」
「つまりこれを食べたら、傷が治るんですか?」
「そうよ。普通の回復薬は苦いものだから、これは美味しい回復薬ね」
2人で木の実を食べる。
リリアーナさんは木の実を食べ終えると、
「あなたはまだ体が本調子じゃないんだからベッド貸してあげるから寝なさい」
と言って椅子に座り、机の上に積んであった本を読み始める。
「すみません。お借りします」
「良いわよ」
お言葉に甘えて、ベッドに入るといい匂いがしてドキドキする。
それから俺はしばらく本のページを捲る音を聞きながら横になっていたが、少しずつ眠くなり意識を手放した。
「ふぁ~…私も眠くなっちゃった…おやすみなさい」
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