指示
頭が…痛いです。
アルの言葉に皆が呆然としていると、
「あれ?オレなんか変な事言ったか?」
アルが皆の反応を見て困惑し始める。
「どういう事なのアル?」
俺がアルにそう聞くと、
「このまま魔神が復活しちまったら、戦力不足だと思ったからな。この4人を強くしようと思ってな」
アルはそう言って生徒会メンバーの先輩、姉さん、春乃、結城さんの順番で視線を移していく。
「まぁ、他にも強くなりそうな奴らがいるが…」
アルはそう呟く。
「強くなったら…リリアーナさんに勝てますか?」
春乃がリーシャの事をチラリと見ながらアルにそう言う。
「んあ?リーシャにか?どうだろうな?それはお前たちの努力次第だろうな」
春乃の質問にそう答えるアル。
すると、
「負けるつもりはないわよ…。でも私はもうあなた達とは戦いたくないわ」
リーシャが春乃にそう言う。
「勝ち逃げするんですか?」
リーシャの言葉に、春乃が絡む。
そう言われたリーシャは首を振るう。
「そういう訳ではないわ。ただ、私はシュウの大切な人達であるあなた達を傷つけたくないわ」
リーシャがそう言って、先輩達の傍に行く。
「ごめんなさい。でもシュウの事を大切に想っている者同士仲良くしたいわ。それに…」
リーシャはそう言って、先輩達に顔を寄せる。
「シュウ…昔の…教え…わ。…かわり…まで…シュウの…を教える…」
リーシャが先輩達にそう言った瞬間、3人の目がカッと開き、リーシャの肩を掴む。
何の話をしていたんだろう?
俺の名前が少し聞こえた気がするんだが…。
俺がそう思っていると、
「とりあえず、今はサンレアンに戻るぞ!」
アルが皆にそう言う。
それからまた皆が俺にくっ付いてリーシャの転移魔法でサンレアン王国に帰った。
城の外に転移したので、門番の人に驚かれたが、大丈夫だろう。
その後、リーシャと先輩達は何やら話すことが出来たと言って、どこかへ行ってしまった。
すると、
「シュウ、少し付き合ってくれないか?」
アルが俺にそう言ってくる。
「どうしたの?」
「お前の知り合いの冒険者に会いたいんだ。ドラゴン殺しとその仲間にな」
ドラゴン殺しとその仲間…、つまりザールさんとヤニックか。
「2人に伝えたい事があってな。仲介してくれ。オレは面識がないからな」
「わかった。じゃあ一緒に冒険者ギルドに行こう」
「私も行きます!ご主人様!」
「良いよ。一緒に行こうね」
俺はそう言って歩き出す。
アルとルリィも俺と一緒に歩き始める。
城を出て、町を歩いて行き、冒険者ギルドに辿り着く。
俺とアルとルリィが入って行くと、サンレアン王国の冒険者達が今日の仕事を探している。
俺は受付嬢の所に行き、
「すみません。ザールさんに会いたいんですけど…」
そう言う。
受付嬢は笑顔で応対してくれて、ザールさんの部屋に入る許可をもらう事が出来た。
俺は受付嬢にお礼を言って、アルとルリィの所に戻り、3人でザールさんの部屋に行く。
ザールさんの部屋の扉を叩くと、
「どうぞ」
ザールさんでもヤニックでもない声が聞こえた。
俺は、
「失礼します」
そう言って扉を開ける。
すると、ベッドの上に座っているザールさんと彼の側にヤニックが立っており、2人と話している男性が部屋に入る俺達の事を見てくる。
「シュウさんもお見舞いですか?」
男性はフェリアンさんだった。
「フェリアンさんはどうしてここに?」
「私はザールとヤニック…それとアルベールの様子を見るために来たのですけどね」
フェリアンさんがそう言うと、ザールさんとヤニックの2人が表情を暗くする。
「その事で話がある」
アルがそう言って俺の隣に来る。
3人はアルの姿を見て、一度視線を下に移してびっくりして上に戻す。
アルは凄いからな…。
俺が3人の様子を見てそう思っていると、
「シュウさん?こちらの方は?」
フェリアンさんが俺に説明を求めてくる。
だが、アルの事を正直に話す事は出来ず、
「彼女は俺の師匠で、何でも知っている凄い人です」
3人にアルの事をそう説明する。
「いきなりで悪いんだが、お前」
アルがザールさんの事を指差す。
ザールさんはアルに指差され、確認するように自分で自分の事を指差している。
「そうお前だ、冒険者ザール。ドラゴン殺しと呼ばれている最強の冒険者。ドラゴンの体の一部を使った大剣を使っていたが、それを奪われた」
アルがザールさんにそう言うと、ザールさんが顔をしかめる。
「今、ロンアルビという獣人の国にドラゴンが出て、皆困っている。お前はそこに行け」
アルはザールさんにそう言うと、
「無理だ…。今の俺にドラゴンは…」
「無理じゃ無い。お前はそこでドラゴンを倒す事が出来る。完全に。そして、前持っていた大剣より更に強い武器が手に入る。そのおかげでお前は求めていた者達を見つける事が出来る」
ザールさんの言葉を遮って、アルはそう言う。
「どうしてそんな事がわかる?」
ザールさんがそう言うと、アルはニカッと笑い、
「スキルの力だ!」
そう言いきった。
皆が呆然とする中、俺は慌てて、
「すみません。彼女は珍しいスキルで、人の未来を見る事が出来るんです。だから、彼女を信じて…」
「大丈夫だ」
アルの事を信じて下さいと言おうとしたら、ザールさんが笑って俺の言葉を遮る。
「信じよう。ロンアルビに行けば良いのか?」
「いや、お前の持っていた大剣を作った鍛冶師の所で、使いやすい武器を買え。それからドラゴン退治だ」
ザールさんがアルに質問すると、アルがそう答える。
「それからお前!」
アルがアルの胸を見て鼻の下を長くするヤニックに声を掛ける。
「ッ!はい!」
アルの勢いに押され、ヤニックはビシッと姿勢を正す。
「お前は精霊の森に行け。そこで今お前が会いたい奴を迎えに行くんだ」
「精霊の森ですか?」
アルがヤニックにそう言うと、ヤニックがアルに聞き返す。
「そうだ。お前も準備が出来たらさっさと出発しろ!」
「は、はい!」
アルの指示に勢いよく返事をするヤニック。
その後、ヤニックは買い物に行ってきます!と言って部屋を出て行った。
アルとルリィもすでに部屋を出ている。
俺はフェリアンさんに呼び止められて、まだ部屋にいるが。
「彼女は信用しても良いんですよね?」
「はい!俺はアルの事を信じてます」
フェリアンさんが俺に質問してくる。
俺はその質問に、食い込み気味にそう答えると、
「わかりました」
フェリアンさんが少し微笑みながらそう言った。
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