表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初代勇者を腕に  作者: 雪羅
153/430

突然現れたリーシャに、ルリィとアル、それにティア以外の皆が驚いて固まっている。

リーシャは悠然と立ち、皆が落ち着くのを待っているようだ。

すると、


「柊ちゃん、腕が…」


先輩がリーシャよりも俺の腕を見て、驚いている。

先輩の言葉に他の人達も意識が戻ってきたようだ。

俺の腕を見て、姉さんと春乃が泣きそうになっている。

というか春乃はすでに泣いている。

コレットさんも驚いているようだ。

エルミールさんは俺が右腕を失っているのを知っていたから、俺の腕よりリーシャに驚いている。

結城さんは俺の腕とリーシャを交互に見てオロオロしている。

その後、皆が落ち着くのを待ってから、リーシャの説明をすることにした。


「彼女が俺の奥さんになったリリアーナ・シャル・ティオレットです」

「リリアーナです。よろしくお願いします」


俺がそう言うと、リーシャが頭を下げる。


「リリアーナさんは、どうして柊ちゃんと結婚したんですか?」


先輩がリーシャに質問する。


「愛しているからです」


先輩の質問に堂々と答えるリーシャ。

それからはリーシャに対して皆がどんどん質問していく。

その全てに律儀に答えていくリーシャ。

だが、結城さんは引き攣った顔をしている。

彼女の視線の先には、黒い笑みを浮かべている先輩、姉さん、春乃の3人が部屋の隅で何やら集まっている。

その後、部屋の皆の質問攻めで時間はどんどん進んでいき、俺は先に寝てしまった…。

皆が話しているのを聞きながら、俺は意識を手放した。

翌日、俺は目を覚まし起き上がろうとするが、体が動かない…。

どういう事だ?

俺がそう思っていると、


「んん…すぅ~」


右脇から声が聞こえた。

見ると、リーシャが俺の傍に寄り添って寝ている。


「…ごひゅひんしゃまぁ」


左脇からも声が聞こえて、そちらを見るとルリィが笑いながら寝ている。


…キュル


何やら音が聞こえた。

何の音だろうと思い、頭を動かすと…。

俺は姉さんのお腹を枕にしていたようだ…。

いや俺は寝る時、しっかりと枕を使った記憶がある…、なのにどうして俺は姉さんのお腹の上に頭を乗せているんだ?

俺がパニックになっていると、


「チュゥ~」


右の二の腕が何かに吸われている!

慌てて見ると、


「おいしい…しゅうちゃん」


先輩が俺の二の腕にキスをして吸い付いている…。

というか、今気がついたが俺は上半身裸になっている…。

俺は脱いだ記憶がないのに…。

もしかして…。

俺はそう思い、頭を少し上げて自分の周りを見ると、春乃は先輩の反対側。

つまり左の二の腕に顔をくっつけて、頬を擦り付けている。

更に足にはティアとコレットさんが抱き付いている…。

一国の王女様なのに何してるんですか…。

俺はティアとコレットさんにそうツッコミを思っているが、問題はアルとエルミールさんだ…。

アルは俺にくっ付いていないのだが、人口密度の多さ故か室内が暑い所為で、アルは薄着になっている。

目の猛毒だ…。

だがもっと問題はエルミールさんだ…。

彼女は俺の股で寝てる…。

しかも俺は今、朝起きた状態で色々とマズい形状なのだ。

それを知ってか知らずか、エルミールさんは顔をくっ付けている…。

こんな状態でエルミールさんの目が覚めてしまったら、悲鳴を上げられてしまう…。

俺は必死に頭を冷静にするが、アレは言う事を聞かない…。

その時、あることを閃いた!

それは、姉さんの師匠だと言っていたエロイーズさんの姿を思い出す!

エロイーズさんには失礼だが、あの姿、挙動を思い出すと、アレは縮んでいく。

良かった…。

そう思いながら、姉さんのお腹に頭を沈める。


「…ンッ!」


姉さんが喘ぎ声の様な声を出す。

止めて欲しい…。

すると、エルミールさんがもぞもぞ動き出す。

変に刺激しないで欲しいんだが…。

すると、


「…凄い状態ですね」


結城さんが起きて俺にそう言ってくる。


「出来れば助けて欲しいんだけど…」

「幸せな顔して寝てる皆を起こす?嫌ですよ。まだ死にたくありません」


皆を起こすのに生死に関わるのか!?

俺がそう思っていると、


「それにしても、先輩が結婚してるなんて思いませんでしたよ」


結城さんが笑いながらそう言ってくる。


「そうだよね」


俺は結城さんの言葉に笑う。

でも、俺はリーシャと出会った事に恥ずかしいが運命を感じる。

そう思いながら、俺がリーシャの寝顔を見ていると、


「でも、先輩はこれから大変そうですね」


結城さんが苦笑しながらそう言ってくる。


「どうして?」

「怜華先輩も秋沙先輩も春乃も諦めてないって事ですよ。というか、暴走しそうで怖いです」


結城さんは俺にくっ付いている先輩と姉さん、春乃を見て顔が引き攣っている。


「それより、ティアリスさんとコレットさん、エルミールさんも手籠めにしたんですか?」


結城さんが、俺の事を睨んでくる。


「手籠めって…。ただ、仲良くしてくれているだけだよ」

「その状態を見て、単純な友情関係ってよく言えますね?」


結城さんの言葉に、俺は納得してしまい何も言い返せない。


「先輩、もしかしてこれ以上いませんよね?」

「誰が?」

「仲が良い女性」


結城さんの言葉に、俺は考える。

俺と仲が良い女性限定と言ったら、リザベルトさんとエルネットさんぐらいだろう。


「エルフの人が2人かな」

「…まだいるんですか…」


結城さんが俺の言葉を聞いて、呆れている。


「ちなみにどんな人達ですか?」

「どんなって…綺麗な人達だよ」

「まぁエルフですからね。他には?年齢とか」

「ん~、そう言えば2人の年齢は知らないな。でも母娘だよ」


俺がそう言った瞬間、


「母娘!?人妻に手を出したんですか先輩!それだけはダメですよ!」


結城さんが怒りながらそう言ってくる。


「手出してないから!俺はリーシャとしか経験ないから!」


俺は結城さんの言葉に大きな声で返すと、俺にくっ付いていた皆が動き出す。

おそらく、今の俺の声で目が覚めかけているのだろう。

そうしている内に、次々と皆が起き始める。

皆の顔は何かに満たされた様につやつやで、姉さんなんか恍惚の笑みまで浮かべていた。

とりあえず皆、自身の部屋に一度戻りに部屋を出て行った。

今は、俺とリーシャとアルとルリィが部屋にいる。


「そう言えばアル?どうしてここに?」


俺がアルに声を掛けると、


「アルの事だから、結婚祝いをしに来ただけじゃないんでしょう?」


リーシャが更にアルを見ながらそう言う。

アルは笑いながら、


「あぁ!勇者達の力を強くする方法を教えに来たんだ!他にも色々とな!」


そう言った。


読んで下さってありがとうございます!

ブックマークして下さった方ありがとうございます!

評価、感想、ブックマークして下さると嬉しいです!

誤字脱字などありましたら、連絡して下さい。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ