食事
明日の投稿は16時にするのでよろしくお願いします。
翌朝俺達は自然と起き、身支度をしてからサンレアン王国に入城した。
ルリィは俺の隣を歩き、リーシャは俺の右腕になっている。
俺は先輩達の様子を見に行くために、城を歩いていると、
「シュウ!来てくれたの?」
コレットさんが俺に駆け寄ってくる。
「おはようございますコレット様」
俺が挨拶すると、隣にいるルリィが頭を下げる。
俺って、コレット様やティアと普通に話しているけど、本当はこうやって頭を下げたりしないといけないんだよな。
俺がそう思っていると、
「あれ?誰その人は?」
頭を下げているルリィを見て、コレットさんが俺に聞いてくる。
「彼女はルリィ。俺の…メイドというか身の回りのお世話をしてくれています」
「ルリィと申します」
俺がコレットさんにルリィの紹介をすると、ルリィは頭を下げながらコレットさんに名を告げる。
「そうなの?よろしくね」
コレットさんはルリィにそう言うと、俺の事を見ている。
「どうしたんですか?」
「その…シュウの知り合いに調合が出来る人はいない?回復薬とかの薬品が足りなくなっちゃって」
「お店には売ってないんですか?」
「お店の物を売り切らせたら、国民が怪我とか治せなくなっちゃうでしょ?だから、ある程度は買ったんだけど、全然足りないの」
コレットさんが暗い表情をしながらそう言う。
すると、
「あの、材料はあるのでしょうか?」
ルリィがコレットさんに質問する。
「それは大丈夫」
コレットさんがルリィの質問にそう返すと、
「私、調合できますけど…お手伝いしますよ?」
ルリィがおそるおそる手を上げながらそう言う。
「本当!!エルミール!エルミール!」
「どうしましたコレット様?」
コレットさんがルリィの言葉を聞いて、エルミールさんを呼ぶ。
すると、真上からエルミールさんが落ちてきた…。
俺は真上を見るが、高い天井しか見えない…。
「この人がね、調合できるらしいの!」
「ルリィさんが…。そう言えばルリィさんは手先が器用でしたね。お願いできますか?」
「任せて下さい!」
俺がエルミールさんの登場の仕方に疑問を感じている間に、色々と話が進んでしまい、いつの間にかルリィが隣にはいなかった。
見ると、コレットさんとエルミールさんと一緒に、城の奥に進んでいる。
俺は1人、どうしようと思ったが先輩のお見舞いでも行こうと思い、治療室に向かう。
城を歩き、治療室に入る。
俺は先輩の寝ているベッドの側に行き、先輩の様子を見る。
少しうなされているのか、汗が滲んで表情も苦しんでいるようだ。
先輩の右手が僅かに上がり、何かを掴もうとしている。
俺は左手で先輩の手を握る。
少しでも、先輩が落ち着けるなら…。
俺はそう思いながら、先輩の綺麗な手を握る。
すると、先輩も握り返してくれて表情も汗も落ち着いてくる。
良かった…。
『シュウはこの人の事が好きだったのよね?』
『そうだよ』
俺が安心していると、リーシャが声を掛けてくる。
『どうして、彼女を好きになったの?』
『俺が先輩を好きになった理由かぁ~。身近な女性で、俺に対しても普通に接してくれるのが嬉しかったからかな』
『でも、シュウにはお姉さんと妹さんがいたわよね?』
『確かにそうだけど、血が繋がってないって言っても俺は本当の家族と思ってたからね。姉さんと春乃は異性の女性とは見れないよ』
俺がリーシャにそう言った瞬間、肩が叩かれる!
全く気配が感じず、ビックリする。
見ると、エルミールさんが立っていた。
「何をしてるんです?」
「あ、いえ、勇者達の様子を」
エルミールさんにそう言うと、彼女は少し怪しそうに俺の事を見てくる。
「…まぁ良いでしょう。来てください」
エルミールさんが、俺の腕を掴みながらそう言ってくる。
「…わかりました」
俺は先輩の手を離すが、先輩が俺の手を離さない。
俺は先輩の手を、ゆっくりと離そうとするが、本当に寝ているのかと思うくらいしっかりと手を掴んでくる。
少しの間、先輩の手と戦い、やっと離れた。
「す、すみません。行きましょう」
「…はい」
俺がエルミールさんにそう言い、彼女と一緒に治療室を後にする。
エルミールさんに付いて行くと、ルリィが調合している姿が見えた。
凄く集中しているようで、下手に声はかけない方がいいかもしれない。
そう思い、俺はルリィに心の中で応援する。
そうしていると、エルミールさんが止まり、
「ここで少しお待ちください」
そう言って、走ってどこかに行ってしまった。
俺はエルミールさんに言われた場所で、少し待っていると、
「お待たせ」
「お待たせしました」
コレットさんとエルミールさんが来た。
それも、
「その服…」
俺がこの前渡した服を着ている2人が立っていた。
「どう?」
「肌が…大丈夫ですか?」
俺に聞いてくる2人。
俺は心の底から安心している。
俺が選んで買った服が、2人に着てもらえて嬉しい。
そして、何でも着こなしてしまう容姿が優れている2人に感動する。
「良かったです。似合ってますよ」
俺がそう言うと、2人は顔を見合わせて微笑み合う。
「さ!行こ!」
「行きましょう」
そして、俺の体にピッタリとくっ付いて城を出る。
「ど、どこに行くんですか?」
俺が2人にそう聞くと、
「「食事」」
声を揃えてそう言った。
そう言えば、2人に約束したなと思い、
「約束してましたね。でも、俺、あまり高級な所は知りませんよ?」
そう言うと、エルミールが微笑む。
なんか嫌な予感が…。
「大丈夫です。あらかじめ予約をしました。行きましょう」
エルミールさんがそう言って歩き出す。
それに続くように、俺とコレットさんも歩き出す。
その後、3人で行った料理店は、普段食べる料理の値段の何倍もした。
美味しい料理を食べて、3人で満足して料理店を出る。
「シュウ…あんたはいつまで私を待たせるのよ~」
「シュウさん、私の肌に触って下さい」
2人は少しのお酒で、酔ってしまった。
2人共、俺にもたれ掛かりながら歩いている。
2人は俺が言う事を聞かないとか、しっかり従わないと絡んでくるというか、怒り出してしまう。
俺はコレットさんの言葉に対応しながら、エルミールさんの肌に触れる。
「もぉ~」
「ん…もっと」
そんな事をしながら、3人でサンレアン王国の城下町を歩いていく。
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