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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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冒険者シュウVS大魔王ガレス

俺がそう言うと、男が振り返ってくる。

魔族だ。

おそらく、ここにいるって事は魔王なんだろう。

俺がそう思っていると、


「何者だ?」


目の前の男がそう聞いてくる。


「冒険者だ」


俺がそう言うと、男が呆れたような表情をする。


「ただの人間なら、興味無い。今立ち去るなら攻撃しない。さっさとどこかへ行け」


男は俺にそう言ってくる。

だが、そういう訳にはいかない。

俺は、緋焔を握る。

すると、男はザールさんの竜焔剣を俺に向けてくる。


「竜炎珠!」


男が魔法を使って、竜の姿をした炎が俺に向かってくる!

俺は緋焔を振るい、炎の斬撃を放つ!

斬撃と炎の竜がぶつかり合い、互いに消滅する。

俺はその光景を見ながら、少し考え事をしていた。

男の後ろに、先輩達勇者や負傷兵が倒れている。

皆を巻き込まない様に、攻撃しないといけない…。

俺がそう考えていると、


「どういうことだ?ドラゴンの力と同格の魔法だと?」


何やら男が驚いているが、どうしたんだ?


「おい!その力!どうやって手に入れた!」


俺に大声で質問してくる男。

この力って…リーシャが魔法を使って、俺が作ってる様なものだけど…言ってもわからないよな。

俺はそう思いながら、


「運と実力?」


そう言った。

リーシャに出会えたのは運が良かったからで、この魔法もリーシャの実力だから、嘘は言ってない。

すると、俺の発言を聞いた男が竜焔剣を構える。

だが、俺はここで戦う訳にはいかない…。

俺はそう思い、


『リーシャ、少し離れた所に転移できる?』


リーシャにそう聞く。

すると、


『えぇ、出来るわよ』


リーシャがそう答える。


『じゃあ一気にお願いするね』

『わかったわ』


リーシャと話し合い決める。

一気に終わらせる!

俺がそう思った瞬間、男が竜焔剣を振るう!


「竜炎斬!!」


炎の斬撃が、竜の姿になりながら、俺に迫ってくる!

だが、


『転移!』


寸前の所でリーシャが転移魔法を使ってくれる。

一瞬で男の背後を取り、男の背中に触れる。


「何故!」


男が一瞬で背後に移動した俺にそう言ってくるが、


『転移!』


リーシャの魔法で掻き消える。

俺と男は、サンレアン王国から少し離れた草原に転移する。


「ここは…ッ!!」


男がそう言うが、俺はそんな事を聞いている暇はない!


「魔拳!!」


魔素を圧縮して魔拳を作り、男の顔面を殴りつける!

確かな感触があり、男は吹き飛ぶ。

地面をゴロゴロ転がり、少しして止まる。

だが、出来ることなら今の攻撃で頭が消し飛んで欲しかった。

リーシャの身体剛化で消し飛ばないっていう事は、この男は凄く強いのだろう。

男が立ち上がる。


「ドラゴンの力に匹敵するほどの火魔法に…転移魔法だと?」


男が俺の事を見ながらそう言っている。

俺はあの男に攻撃のチャンスを与えない様に、一気に攻撃するために駆ける!

だが、俺の行動に考えることを止めたのか、竜焔剣を構える男。


「魔法剣・深淵!」


『水激滝!』


俺の合図と共に

リーシャが魔法を使ってくれる!


「燃えろ!竜炎斬!!」


男が竜焔剣を振るい、炎の竜を出してくる!

俺は、水の魔法剣を作り炎を打ち消す!


「今度は水だ…と」


俺の行動に驚いている表情をする男。


「貴様!一体何種類の魔法を使えるんだ!!」


大声で俺にそう言ってくる男。

どこか焦っている感じだ。

俺の使える魔法はないが、リーシャはおそらく全ての魔法を使えるだろう。


『私は使えるわよ。ただし、知っていればだけど』


リーシャが俺にそう言ってくる。


「ほぼ全て、と言っておこう」


俺がそう答えると、男の表情は驚きに変わる。


「…なら、これならどうだ!」


そう言って、男は右手を俺に向けてくる。

見ると、男の肌と違い死んでいる様な白い腕をしている。

何だ?

俺はそう思いながら、魔視を発動する。

すると、男の体の魔素の色がグチャグチャな色をしている。

様々な色が混じり、汚い色だ。

だが、見つめるとそこには雷魔法の黄色と聖魔法の薄く輝いている黄色が無い。

そして、男の右腕の魔素は淡く白い色をしている。

まるで、右腕だけ違うようだ。


「これは使いたくなかったが…仕方ない」


男がそう言った瞬間、男の右腕が消える!


「消失!」


俺は魔法の名前を聞いた瞬間、マズいと思い慌てて男の周りの魔素を霧散させる!

魔素がなくなった事で、男が使った魔法が掻き消える。

俺は、男の様子を窺う。


「…も、もしや…消失魔法も」


消失魔法?

俺がそう思った瞬間、男が大剣を振るう!

炎が俺に迫ろうとするが、魔素が無いため途中で掻き消える。


「まさか…あの魔法は、死の魔法のはずだ。使える者なんて…」


男が物凄く動揺している。

だが、その瞬間!


「大魔王様。お迎えに参りました」


上から降りてきた魔族、エルフの村で戦った魔王を転移魔法で一緒に消えたイスティムだ。

イスティムは俺を見てキョトンとする。


「貴方は、エルフの所にいたはずですよね?」


イスティムが俺に聞いてくる。


「転移魔法でここに来た」


俺がそう言うと、


「なるほど」


そう言って頷く。


「あの男は、全ての魔法が使えると言っていた」


俺と戦っていた男がイスティムにそう言うと、イスティムが俺の事を見てくる。


「彼が…ですか?」

「あぁ、消失魔法もだ」

「明らかに分が悪いですね。ここは引きましょう。ベリウズザ様を復活させる事が出来れば、勝機はあります。目的のドラゴンの力も手に入りましたし」


イスティムはそう言いながら、男が持っている竜焔剣を見る。


「待て!絶対にその大剣は返してもらう!」


俺が斬りかかろうとした瞬間!

竜焔剣から炎が噴き出して、俺を襲ってくる!


「行きましょう、ガレス様」

「…わかった」


そう言って転移魔法で一瞬でいなくなる。

俺は草原に立ち尽くす。

竜焔剣を取り戻す事が出来なかった事に、自身の力不足を感じる。

まだ、俺は強くならないと。

もっと強くならないと、俺は大切な人達を護る事が出来ない。

俺はそう思いながら、サンレアン王国に移動した。

サンレアン王国には、あの男に魔力を吸われて戦場にいたほとんどの人が意識を失って倒れていた。

ただ、後方に待機していた騎士や国民達が倒れている皆を運び、ティシール様やティア、勇者達は城へ。

ザールさん達は冒険者ギルドに、騎士達は教会に運び込まれた。


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