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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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ダンジョン、カイエンヌ洞窟

戦闘描写が難しい…

あれからしばらくして、馬車が止まり皆がそれぞれ荷物を持って馬車を降りる。


「皆、集まってくれ!」


馬車から降りるとレデリックさんが皆を集める。


「これからダンジョンに入るが、ここからは皆気を引き締めてほしい!ダンジョンには何が起こるかわからない!」


目の前に大口を開けている洞窟の入口を見る。

緊張してきた。

大丈夫、大丈夫だ。


「まず、俺から入っていく!勇者様方は騎士の護衛と一緒に入って来てくれ」


そう言ってレデリックさんは洞窟に入っていった。

それから先輩達生徒会メンバーが2人の騎士の人と入っていく。

俺は足手まといにならないように最後の方に入ろう。

どんどん洞窟に入っていく人を見ていると他の人も緊張しているようだ。

顔が強張っているし、足が進まない人もいる。

そしてついに最後の俺の番になった、ゆっくりと洞窟に入っていく。…足場は気を付けていれば危なくはないだろう。

俺の後ろにはセレステルさんがちょこちょこと歩いている。

最悪何かが起こった場合でも逃げ道を確保するのにセレステルさんみたいな強い人が必要なんだろう。

それからしばらく歩いていると、前方から爆発音がし、衝撃がやってきた。

前の方で戦闘になっているようだ。


「セレステルさん、聞いても良いですか?」


俺が少し後ろを向きながら後ろで少し縮こまりながら歩いているセレステルさんに声をかける。


「は…はい、なんでしょう?」

「なんで洞窟なのにこんなに明るいんですか?」


そう、明るいのだ。足元もしっかり見えるぐらい明るい。


「そ…それは、このダンジョンはここまで調査しましたよという目印みたいなもので、ダ…ダンジョン専用の道具を使って…いるんです」

「そうなんですか、じゃあまだ調査してない所もこのダンジョンにあるんですか?」

「あります…こ…ここは20階層までは調査ができていますが、そこから下はまだ調査できていません…」

「その理由を聞いても?」

「た…単純に私達の実力が足りていないのです」

「ダンジョンに入る利点はレベルが上がるからですか?」

「そ…その他にも魔物の情報収集であったり、冒険者の方達が一攫千金を狙って入るらしいです」


そんな事を話しているうちに視界が開けた。

と言っても、大きな縦穴の真ん中にある幅1mぐらいの道を歩いているからだ。

手すりもないので下が覗き込んでみると、下は深いのか暗く見えない。

縦穴の道を渡り更に下っていくと、

後ろから複数の足音がしてきた。


「ま…魔物がきます!警戒してください!」


セレステルさんが声を出す。

途端に後ろにいた俺や周りの人たちに緊張が走る。

落ち着け、手に集中しろ…

俺は直剣を出しながら警戒していると、


グギャアァ!!


と、奇声を上げながらこちらに向かってくる子供サイズで肌が緑色の魔物が走ってくる!

ゴブリン、図鑑で見た魔物だ!

ゴブリンは剣を振り回しながら突進してくる!

俺も剣を握り応戦する。

激しい衝撃の後、手に響く痺れが恐怖を増幅する!ここで油断すれば死ぬ!!

両手で剣を強く握りゴブリンの剣を押し返そうとするが、ゴブリンの力は思っていたより強くなかなか押し返せない!


「ぐっ!」


喉から自然と声が漏れる。

渾身の力で剣を横に切り払いゴブリンと一度距離を置く。


「はぁ…はぁ」


緊張で息が荒い。

ゴブリンが剣を振り上げるのと同時に、左手を突き出す。


「火よ!」


瞬間、昨日より強い火が出る!

ゴブリンは突然出た火に驚き、動きが鈍る。

ここだ!剣を振り上げゴブリンの左肩に叩きつけ押し込む。

肉を斬る感触、剣を押し込み骨を砕きゴブリンの体を両断する。


「は…は…」


息が苦しい。

ゴブリンは苦痛の表情で死んでいる。

俺が殺した…。

持っている剣を見るとゴブリンの青黒い血がベットリと付き、体を見ると所々に返り血が付いている。

初めて生き物を殺した。


「キャァッ!」


悲鳴がした方向を見ると、女の子がゴブリンに押し負け斬られそうになっていた。

ヤバい!!

剣を握り直し女の子を助けようとした時、


「火槍」


そう聞こえて俺の真横を細長い炎が通り過ぎる。

ゴブリンに命中すると一瞬で燃え上がりゴブリンは跡形も無くなった。


「大丈夫?敵を殺さないと自分や仲間が死ぬ事になるの、だからしっかりと止めを刺さないとダメよ。殺すことに慣れろとは言わないけど、気を引き締めなさい」


そう言いながら歩いてくるのはまさに美しいを体現したような妖艶なお姉さんだ。

騎士の恰好だけど、胸元が開いていて目に毒だ。つい見てしまう。

そして言ってしまった。


「誰?」


読んでくださってありがとうございます!

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