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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
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追憶 ホワイトデー

今日の投稿は16時にしますので、よろしくお願いします。

ホワイトデー。

バレンタインデーにチョコを貰った人はこの日にお返しをする日。

だが、ホワイトデーの前日、俺は悩んでいた。

貰ったチョコレートは3つだった。

つまり、3つのお返しをする。

でも、前に同じ物を渡したら、3人から3時間のお説教を更にお返しされてしまった。

皆それぞれ違う物を渡さなくていけない。

先輩は、甘さ控えめの物。

姉さんは、お菓子類より物が良いと言ってた。

春乃は、ホワイトチョコが好きだからそれだな。

とりあえず買いに行かないと。

俺は家を出て、買い物に出かける。

ホワイトチョコは最近出来たショッピングモールに良いお店が出来たとニュースでやっていたな。

ショッピングモールだと、色々お店が揃っていると良い買い物が出来そうな気がする。

俺はそう思ってショッピングモールに行こうと、電車に乗り3駅目で降りる。

駅から少し歩いて、ショッピングモールに着いた。

休日ということもあり、人が多い…。

だが、お返しを買わないと!

俺はそう思って、ショッピングモールに入る。

色々見ていくと、チョコレートも様々な種類があるんだな~と思ってしまう程、チョコレートがいっぱいある。

やがて、3種類のチョコレートまで絞る事が出来た。

だが、春乃はどういうのが好きなんだろう?

俺がそう思っていると、


「あれ?春乃のお兄さんじゃないですか!」


隣から俺に声がかけられる。

見ると、そこには春乃の同級生で、家にも何回か遊びに来ている女の子が笑顔で立っていた。

学園の子が俺にこう話してくるなんて、この子は良い子なんだなぁ~。


「こんにちは。春乃の友達だよね?」

「はい!結城真海と言います。よろしくです!」

「よろしく」

「お兄さんは何でチョコレートを見てうんうん唸ってるんですか?」

「春乃のバレンタインのお返しを選んでいるんだけど、どれが良いのか悩んでて」

「そう言う事ですか~!なら、これが良いと思いますよ」


結城さんはそう言って、高過ぎず安過ぎないチョコレートを指差す。

確かに値段もお手頃で良いとは思ってたが、量が少ない。


「量が少ないけど良いのかな?」

「春乃に食べ物を渡す時点で、量は少ない方を選んだ方が良いですよ」

「ダイエットでもしてるの?」

「そういう訳じゃないんですが…。まぁ気にしない方が良いですよ!」


彼女に言われて、俺は女の子同士にしか話せない事もあるよなと思い、気にしない事にする。

俺はホワイトチョコを買って、次の物を探そうと歩き出すと、


「お兄さん、私もご一緒して良いですか?」


後ろから結城さんが聞いてくる。


「もちろん良いけど、そのお兄さんは止めて」


俺がそう言うと、結城さんは少し考えるそぶりをして、


「じゃあ、柊先輩って呼びますね」


そう言ってくる。


「うん。それでお願い」


俺がそう言うと、結城さんは俺の隣に来る。


「次は何を探すんですか?」

「そうだな。甘すぎないお菓子とか売ってる所知ってる?」

「甘すぎない…。じゃあ、あそこが良いですね。行きましょう!」


結城さんはそう言って、早歩きで進んでいく。

俺もそれを追いかける様に歩いて行く。

それから少し歩いて、


「ここなんてどうでしょうか?」

「紅茶専門店?」


結城さんが止まったのは、紅茶の茶葉を売っていたり、食事もできる専門店だった。


「はい!ここ紅茶を混ぜたマフィンが美味しいって有名なんです。食べてみたら、甘すぎないで美味しかったですよ!」


結城さんがそう言ってくる。


「じゃあ、中に入ろうか」

「はい!」


そう言って中に入る俺と結城さん。

有名だけあってお客さんの数も凄い…。

そこでは、何分も見ていられるほど余裕が無く、そこでオススメだと書かれていたマフィンを買って出てきた。

結城さんにはお礼として、マフィンを1つ渡す。

とても喜んでくれて、様々な所に置かれているベンチに腰掛けて彼女が食べるのを見ている。

結城さんがマフィンを食べているのを見ながら、姉さんのお返しを考える。

姉さんには趣味がない…と思う…、俺が知らないだけであるのかもしれないが。

姉さんが喜ぶ物って何だろう?

そう思っていると、


「何か考え事ですか?」


結城さんがそう聞いてくる。


「うん。姉がお菓子系じゃなくて物が欲しいって言ってくるんだけど、何を買えばいいのかわからなくて。毎年悩んでるんだよね」

「お菓子じゃなくて物ですか~。趣味とかないんですか?」

「ない…と思う」

「それは…難しいですね」


さすがの結城さんも難しそうだ。

そう思っていると、1つの案が浮かんだ。


「快眠グッズってどうかな?」

「快眠グッズですか?何故です?」

「姉さん、いつも遅寝早起きなんだよ」

「なるほど。でもそれって自習とかしてるからなんじゃ?」

「いや、そういう訳ではないらしいよ」

「ふむ。じゃあ、枕とかですかね」

「だね。行こうか」

「はい!」


俺と結城さんは立ち上がり、家具や日用品売り場に移動して枕を探す。

そこで、気持ち良さそうな枕を購入して、今は結城さんと歩いている。


「そういえば、結城さんは買い物良かったの?」

「大丈夫ですよ。何か良い物ないか見に来ただけですから」

「そうだったんだ」


そう話している内に、ショッピングモールを出る。

すると、目の前に黒塗りの車が止まり、


「お嬢様、お迎えに来ました」


執事服を着た女性が車から出てきて、後ろのドアを開ける。


「ありがとう姫条さん。柊先輩も乗って下さい」


車に乗りながらそう言う結城さん。


「え?良いのかな?」

「はい!姫条さんも良いでしょ?」

「問題ありません」

「じゃ、じゃあ失礼します」


俺はそう言って結城さんの隣に座り、ドアが閉まる。

運転席に姫条さんが乗り、車を発進させる。

それから、車の中では春乃の事とか世間話をしているといつの間にか俺の家に着いていた。

俺は結城さんと姫条さんにお礼を言って、車を降りる。

車の中から結城さんが手を振ってくる。

俺も手を振ると、車は発進して行ってしまった。

俺は荷物を持ち、家に入り、明日に備える。






「お嬢様が男性と仲良くしているのを初めて見ました。恋人ですか?」

「違いますよ~!」

「では、片想いの相手でしょうか?」

「親友の片想いの相手です!」

「そうでしたか。失礼しました」


ピロリン♪


「ん?春乃からメール?」

「何でお兄ちゃんと買い物してたの?何で?何で?何で?」

「……………」

「お嬢様!お顔が真っ青です!大丈夫ですか!?」






ホワイトデー当日。

俺は家で、姉さんと春乃にお返しを渡すと、


「…ありがとう。大切に使う。…フフ」

「わ~い!ホワイトチョコだ~!大事に食べるからね!……期限は」


何とか喜んでもらえた。

その後、先輩に渡すと、


「私の好み覚えてくれていたの?嬉しいわ」


そう言って、抱きしめられた。

それはもうギュウギュウと…。


読んで下さってありがとうございます!

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よろしくお願いします。

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