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初代勇者を腕に  作者: 雪羅
122/430

お願い

昨日の投稿の時に連絡するのを忘れてしまいましたが、今日と明日は16時に投稿します。

よろしくお願いします。

俺は女性に言われて、ギルド長の部屋に向かう。


『また、何か依頼があるのかしら?』

『そうだね。俺って普通の冒険者なのに、指名とかギルド長から直接の依頼とか多い気がする』

『私が傍にいるからだと思うわ。私達に任せれば何とかなるって思われてそうね』

『それは、あると思うな』


リーシャとそんな会話をしている内に、部屋の前に着く。


コンコン


「はい、どうぞ」


俺が扉をノックすると、中から声が聞こえた。


「失礼します」


俺はそう言って、中に入ると椅子に座って何やら紙を見ているフェリアンさん。


「どうかしたんですか?」


俺がそう言うと、紙から目を離して俺の事を見るフェリアンさん。


「実は、今回は依頼とかではなく、私からお願いと言いますか…」


言いずらそうに俺にそう言ってくる。


「お願い?どうかしたんですか?」

「魔波の前兆が起きているのはご存知ですか?」

「はい。もう付近の魔物はいないみたいです」


俺がそう言うと、フェリアンさんは頭を下げて、


「お願いします。エルフの村に行って欲しいのです!」


いつもより大きな声でそう言った。


「エルフの村ですか?何かあったのですか?」

「いえ、何かあったとかではないのですが、長が殺されてしまい、魔波の対策がしっかりと出来ているのか心配で…」


確かにエルフの村戦える人が少ない感じだった…、しかもそれに加えて森での殺しをしないとなると、森から出なくてはいけないんだろうな。


「前でしたら、長がいたので安心して何も心配などしていなかったです。ですが、今回は…」


なるほど、心配なんだな。


「ここ、ヴェルーズは大丈夫なんですか?」

「ここにはザールさんがいますからね」


確かにザールさんがいれば安心だな。


「これは私個人のお願いになってしまいます…。どうでしょうか?」

「依頼ではダメなんですか?」

「魔波についての依頼は相当な実力を持っている者にしか依頼できないんです。ザールになら依頼できるのですが、彼にはもしかしたら別の依頼が入る可能性もあるのですよ」

「あ~、だから、俺なんですか」


フェリアンさんは、俺とリーシャが一緒に行動しているのは知っている。

だが、リーシャはあまり人前に出る事をしない。

つまり、俺…というかリーシャの実力は認めているが、依頼は俺にすることになる。

だから、公に依頼が出来ないのだろう。


「ですから今回はお願いという形になってしまいます」


フェリアンさんはそう言う。


『どうするリーシャ?』

『そうね。あの大剣使いがいるなら、私達のやる事も無いだろうし良いんじゃない』


リーシャにそう言われて、俺は決める。


「わかりました。エルフの村に行ってきます」

「!!ありがとう!」


フェリアンさんが俺の元に駆け寄り、俺の手を握りしめる。


「ありがとう!本当にありがとう!」

「は、はい」


それからしばらく、フェリアンさんはお礼を言い続けていた。


「じゃあ、俺はエルフの村に行ってきます」

「すまないね。そうだ、これを」


フェリアンさんはそう言って、手紙の様な物を俺に渡してくる。


「手紙ですか?」

「そうですね。魔波の対処法を書いておきました。彼女達に渡しておいて欲しいです」

「わかりました。預かっておきます」


俺はそう言って、部屋から出ようと扉を開く。

すると、


「よろしくお願いします」


後ろからフェリアンさんがそう言ってくる。


「任せて下さい」


俺はそう返事をして、部屋を出る。

それから、俺はザールさん達の所へ戻る。


「どうかしたんですか?」

「少し頼まれ事を任されまして」


帰って来た俺にアルベールさんがそう聞いてくる。


「頼まれ事?」

「はい。エルフの村に行って来いと」

「それはまた何故?」

「魔波に備えてらしいです」


俺がそう言うと、ザールさんが俺の肩に手を乗せる。


「君なら大丈夫だろう。ここも俺達に任せておけ」


ザールさんはそう言って、微笑む。


「そうだ!ここには俺がいる!俺の刀で魔物なんて一刀両断だ!」


あ、ヤニックが復活した。


「お前がここヴェルーズを護る必要なんてない!何故ならここには、期待の新人にして、ドラゴン殺しの弟子であるこの俺がいるんだからな!!」


ヤニックがそう大声で言うと、周りにいた冒険者は、


「また始まったぜ」

「何年新人してるんだよ」


そう言いながら、笑っている。

だが、そこには嫌な笑いではない。

ヤニックの事を馬鹿にしている訳ではなく、単純にいつも通りの日常に笑っているのだろう。


「やめろ馬鹿」


ザールさんがヤニックの頭を抑える。

その光景に、周りはさらに笑う。

アルベールさんもその光景を見て、微笑んでいる。

俺も周りの皆が笑っている光景に、つい誘われて笑ってしまう。


「何笑ってるんだ!ぶっ飛ばしてやる!」

「やめろ馬鹿者!」

「あイタッ!!?」


俺が笑っているのを見たヤニックが刀を抜こうとしてザールさんに殴られる。

その後も、ヤニックが騒げば騒ぐほどザールさんが鉄拳をヤニックの頭に叩き込む。

しばらくして、俺はザールさん達に挨拶をして冒険者ギルドを後にする。

俺は今ルリィを探している。

朝早くどこかに行ってしまったのだが、どこに行ってしまったのだろう?

そう思いながら、町を歩いていると、ルリィを見つけた。

そこは、道具屋だ。

もう買い物を終えたらしく、荷物を持っている。


「ルリィ」


俺がルリィに声をかけると、


「ご主人様!!」


彼女は俺に気がついて俺の元に走ってくる。


「何を買ってたの?」


俺はルリィの持っている荷物を見て、聞いてみる。


「はい!これはヴェルーズの特産品です!」


そう言って、荷物の中から1つの果実を取り出して俺に見せてくる。


「これで、美味しいご飯作りますからね!」


ルリィが胸を張ってそう言う。


「買い物はそれだけ?他にも何か買う物はある?」


俺がそう聞くと、ルリィは少し考えて、


「水牛のお肉が欲しいです!」


そう言った。

水牛って、エルネットさんと狩りに行った時に倒したあれだよな。

俺がそう思っていると、


『丁度良いじゃないシュウ』


リーシャが俺にそう言ってくる。


『何が?』

『エルフの村に行けば、またあの牛を狩る機会があるわよ。今ルリィを買い物に行かさなくても、新鮮なお肉が手に入るわ』

『そう言う事か!聞いてみるね』


俺は目の前で俺の事を見ているルリィに、


「ねぇルリィ、これから少しここを離れるんだけど、そこに水牛が狩れる場所があるんだ。そこで新鮮なお肉が取れるんだけど、それでも良い?」


俺がそう言うと、ルリィは、


「大丈夫ですよ!どこへ行くんですか?」


目をキラキラさせながら、そう聞いてくる。


「エルフの村に行くんだ」


俺がそう言った瞬間、ルリィの表情が暗くなる。


「どうしたの?」


俺はルリィの変化に気づき、そう聞くと、


「エルフは苦手です」


ルリィが、そう言った。


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