プロローグ:神様はアルパカでした
前作「VRでもアルパカにテイムされました」とは違った世界線です。微妙に設定も違います
前作読む必要も全くないです。
長編になる予定です。末永くよろしくお願いします
VRMMO「アニマルファンタジーオンライン」
アルパカ大好き女子高校生、有宮まりあは、ゲーム内では超が付く有名人であった。
・ゲーム内で初めてアルパカのテイムに成功した
・アバターショップのCMに起用された
・バグ(偶然)を使って最速で魔王を倒した
etc.
全て本人の意図しない事であったが、ネトゲ世界は充実していた。
「よーし、今日も始めますかー!」
高めのテンションで、カチューシャ型のデバイスを手にする。
アルパカ毛で作られたふわふわ布団に倒れこみ、ゲーム開始を選択。
キャラクター選択部屋に移動すると、見慣れない2文字を発見する。
えーと、転生?
転生ってあれか、キャラクターレベルを1に戻して強くなるよってやつ。
とりあえず押してみる。
―――ステータスの3%、一部スキルを持ちこして、レベル1で転生することができます
なるほど、すればするほど強くなるってやつね。
どうせ2キャラ目作ろうと思ってたし、やってみようかな?
はいを選択
次の瞬間、視界が暗転した。
気が付くと、真っ白な部屋にいた。
「フェー」
あぁ、なんとも可愛らしいアルパカの声がする。
「フェー」
「って、花子?どうしたの?」
ゲーム内のパートナー、アルパカの花子が無表情で佇んでいた。
「フェー」
こちらに話しかけているようだ。
「うーん、流石の私も言葉はわからないかな」
「ムェ?」
おお、首を傾げた、キュートだね。
花子は難しい顔をすると
「ふむ、ならば仕方がない」
しゃべった!花子が想像もつかない極低音でしゃべってる!
顔を ( ゜Д゜) ←こんなふうにしていると
「そう慌てるでない」
慌てるよ?ふつう慌てるよね?
「我こそは遠い世界の神である。突然だが、有宮まりあよ、お主には我が世界に来てもらわなければならぬ」
「ちょっと待って、これゲームのイベントか何か?」
「否、現実だ」
なんてこった。花子(?)がアルパカの神様で、私を誘拐しようとしている。
「誘拐とは人聞きの悪い。れっきとした召喚だ」
「どんな世界だって、いきなり召喚とか嫌ー!」
アルパカはキョトンとした無表情で、耳をピコピコさせている。
「む?お主なら必ず、喜んで来ると思ったのだがな」
どこに喜ぶ要素があるというのか。
「人間とアルパカが共生して、自由に暮らす世界なのだが」
「行きます」
「お、早かったなー」
「行きます」
アルパカがはびこる世界!なんて素晴らしいの!
「ならば話は早い。早速このポータルから移動してくれ、案内役はつける」
アルパカの隣に透明なゆがみが現れた。
ではさっそくアルパカワールドに……
っと、その前に確認しなければいけないことがあった。
「あ、ちょっとまって。家でアルパカを2匹飼ってるんだけど、その子たちはどうなるの?」
花子(現実)とよしおは家族だ、放っておくことはできない。
「ならば彼らも同時に連れていくといい。アルパカにとっても過ごしやすい世界だ」
私の横に、真っ白なフワ毛の花子と、明茶色のスーリー毛のよしおが現れる。
びっくりした様子で、 ◎ω◎ ←こんな顔をしている。
「うん、なら安心だね。行こうか」
「フェー」「ムェー」
一緒にポータルへ移動する。
「ゲーム内のシステムを引き継ぐことに成功している。活用したまえ」
ポータルに入り、意識が途絶えた。
心地よい風に目を覚ますと、まりあは上空200mにいた。
いた、というのは現在落下中のためで、190、180と、どんどん落ちてゆく。
「全然!心地いいとか!そういうレベルじゃない!!?」
「ピエェェェ!?」
「ンエェェェ!?」
導入のためかなり短いです(´・ω・`)
夜中にもう1話更新予定です