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俺の死亡遊戯な話

 破壊した壁の向こうには偉そうな椅子にふんぞり返る、偉そうという文字と共に生まれてきたかのような文字通り偉そうなやつが居た。


「なんだ貴様等は?」

偉そうなやつが偉そうに聞いてくる。


「サキを取り戻しに来た」

ナガタが格好いいセリフを決める。

俺が女だったら今ので落ちていただろう。


「俺もだ!」

ナガタの威勢に俺も便乗する。

こんな危険な状況で場に飲まれたらおしまいだ。

そしてなめられても駄目だ、ナガタには負けまい。


どうだ、と決め顔を決めた途端に視界が塞がれた。

次の瞬間に顔面に強烈な痛みが走った。

そして私は仰向けに倒れた。

ものすごく痛い。

殴られた。

目が開かない。

次に腹部に重い痛みが走った。

確実に誰かに足で踏まれた。


痛い、痛い。

しかしなおも腹部を踏まれ続けている。

かろうじて目を開けるとさっきの偉そうなやつが殺気のこもった目で俺を踏んでいた。


私とナガタを交互に右、左とリズム良く踏んでいる。

偉そうなやつが近づいてくるのが全く解らなかった。

なんていう身のこなしと、重い一撃を即座に叩き込んでくる力、そして迷いのない決断力。


なんだ、こいつ強いぞ。


なんとか地面を転がりこのストンピングから逃れようとするが、ストンピングはどこまでも追いかけてくる。

とりあえず転がっているナガタと距離をとれば攻撃の間隔が空くと思って、転がってみるが、素早い身のこなしで攻撃のスピードは落ちない。

お腹は痛いので、うつ伏せになると背中を踏まれる。

背中が痛くなって、仰向けに戻ると今度はやっぱりお腹を踏まれる。

標準を定めさせないように、クルクル転がるとどこでもいいようで横腹も踏まれる。

偉そうなやつは笑いもしない、怒りすらなさそうだ。


なんていうサディストだ。

まるで正月の餅つきを丁寧にこなしているかのように人間を踏んできやがる。


俺は疑問を持った。

餅は突かれている時果たして喜んでいるのだろうかと。


でもそんな事はどうでもいい。

本当にどうでもいい。

ただただ、痛いんだ。


そんな右往左往をしていると、ナガタがなんとか立ち上がり、偉そうなやつの意識はそっちに向かい俺は助かった。

ナガタと偉そうなやつのスタンディングバトルだ。

ここで俺も立ち上がって偉そうなやつを羽交い絞めにして、今だナガタ、俺ごとやれー。

とやるのが良いと思うが、何にせよダメージがでかい。

とりあえずナガタに任せよう。

「やっちまえ、ナガタ」

とりあえず俺は声だけ元気をナガタに分ける。


しかしこの偉そうなやつの構えだ。

まるで隙がない。素人目にも解る。

何をどう打ち込んでもいなされ、痛い反撃を食らいそうだ。

先ほどのダメージもあるので、ナガタは動くに動けないといった感じだ。


俺が羽交い絞め出来れば良いのだが、とてもじゃないが近づけそうにもない。

後ろから行ったとしても、格好よく裏拳をかまされそうだ。


じりじりとした雰囲気の中、なんとか俺も立ち上がる。

こうなれば同時に攻撃して少しでも偉そうなやつの隙を作るしかない。


俺とナガタの吐息が聞こえるだけでシーンとしている。

偉そうなやつは息一つ切らしていない。

こんなやつに勝てるのか?

ナガタと目を合わす。

タイミングを合わせて、行くぞという顔をしていると思う。

よし、お前に任したと俺も目で合図を送る。


「うらあ」

とナガタが声をあげて攻撃を開始しようとしていた矢先だった。


「やめなさい」


俺たちが破壊した壁からサキちゃんが現れた。

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