もしかして:ゲームの世界 な前編
前に書いた「攻略対象な僕と異物な彼女たち」の外伝みたいになったけど、知らなくても十分に読めます。でも主人公成り代わりじゃない。
暇つぶしなんで変なところは目をつぶってくださいな。
本日は四月二十七日の木曜日。憎たらしいほどの晴天なり。
「行ってきまーす」
「はい。気を付けて行ってらっしゃい」
笑顔で送り届けてくれたお母さんに背を向け、全力で走り出す。そこまで急がなくてもまだ時間はあるが、時間ギリギリに言っても目立つし。それに、道路を一人でトボトボ歩いているより、早く教室に行ってあっちゃんたちと話した方が楽しいし。
それに、私は玄関を開けて一番に見えたあの人たちに、関わりたくなかった。
「由貴くん、今日のお昼は暇かしら」
「由貴ぃ、ねえ、今日は愛美と一緒にお話しする約束だったよねえ」
「ゆ、由貴くん! よかったらこれ食べてください!」
「あ、由貴くん。今日日直でしょ、早く行かないと!」
「やあ、由貴。今日の放課後だけど、ちょっと話があるんだけどいいかな……?」
さり気なく誘いを持ち込むクール系美少女。猫撫で声で無い約束を押し付けるぶりっ子厚化粧女。作ったクッキーを渡してアピールする亜麻色の髪の美少女。要件を伝えるだけのフリをして会話に入ってくるそこらへんにいるような平凡な生徒。顔を伏せて少し真剣な声ぶりで言ったのが、中性的な顔の……美少年(仮)。それぞれがあからさまにアピールしているのは、鏑木由貴という、黒髪紅目のこれまた中性的であるが男の色気がある超絶美形である。
全員私と同じクラスの、蔑称「ハーレム員」である。
クール系美少女はクラスの委員長で何かのまとめ役となると頼もしいけど、その分鏑木くんといる時の媚びた目が不評である。ぶりっ子厚化粧も言わずもがな。平凡顔の生徒も、用があるから声をかけたというフリをしているが、その内下心しかない。美少年もハーレム員なのかと一度同じクラスではない子に聞かれたけど、アレは男装をしているのがバレバレだ。むしろ本気で隠しているのかと不安になるほどに。
ただ一人、正統は美少女の羽純さんだけは普通にアピールしている。他はもう鏑木くんの顔しか見ていない肉食獣。ただアピールしているわけではなく、近づいてくる女子を排除しているから生徒から嫌われている。
私は狙ったわけではないが、ずっと同じ歩幅で歩いていたら隣のハーレム員の声が聞こえてくるためと。あとは偶然を装って一緒に行こうとしているんじゃないかと言うハーレム員の攻撃回避のため、急がなければいけないのだ。
そのくらいで、と疑問に思う生徒もいるが、そのくらいで排除しようとするのがハーレム員なわけで。これ以上ハーレム員のことを考えたくないため、無理矢理足を速めた。
どうしてかは、分からない。でも、鏑木くんを見るといつも頭が痛くなってくるのだ。
この不快感も嫌いで、私は皆と違う意味で、鏑木くんと近づかないようにしていた。
※
騒がしい今朝の教室に着くと、私の親友三人がもう来ていた。
どうやら今日も、遥斗は空気を読めない天然馬鹿だったようで。
「あ、おはよう舞華」
一番初めに声をかけてきたのは、美人なお姉さま。私の親友で名を緑中亜希子。通称あっちゃんで、姉貴気質な私の幼馴染その一でもある。
腰まであるサラサラの茶髪。ナチュラルメイクの施された美貌。細められたには女の私でもドキッとするほど色気がある。ああ、こんな人に生まれたかった。
「よお、今日なんか遅かったな?」
次に声をかけてきた黒翅樹生。あっちゃんの恋人で、あっちゃんに似合うようなイケメンである。アシンメトリーに整えられた髪が似合っていて、学園内でも凄く人気がある。性格もいいし浮気もしないから凄く好きだって、あっちゃんが言っていた。
「舞華? ――寝不足ってことはないよね?」
最期に眉を下げて顔を覗き込んできたのが、赤里遥斗。男にしては少し長めに切られた色素の薄い髪。天然のマリンブルーの垂れ目。女の私より麗しく、下睫毛が長いことに少し嫉妬を覚える。とんだ天然なのか馬鹿なのか、彼氏彼女であるあっちゃんと樹生の間に入れる強者である。
「ちょっと寝坊しただけ」
「それにしては、なんか全速力で来たっぽいけど」
「あー、あのハーレムを見かけたものでね」
「ああ……」
樹生の顔が歪む。あっちゃんも全てを分かって曖昧に目を逸らす。それには呆れと嫌悪が浮かんでいた。ただ一人、遥斗だけは事を分かっていないようだけど。これはわざわざ知らせるようなことではない。
「クラスのモテたい男子でも、あのハーレムだけはお断りよね」
「なんていうか……顔はいいやついるんだけど、勿論性格悪いっていうのもあるんだけどさ、生理的に無理、みたいな。なんか近づきたくないんだよなー……」
「そうそう」
酷い言いだね、二人とも。笑顔の遥斗が可愛く思えるよ。
ハーレム員と同じクラスで精神的に疲れたりするときもある。この美形三人に囲まれたためか、平凡顔の私は前ちょっと睨まれたりちょっかい出されたりした頃もあったが、私を弄っても意味ないと思ったのかある日パッタリなくなった。
だから、何だかんだ言って楽しかった。
気付くまでは。
※
その日、夢を見た。
その場所は、白で埋もれていた。白しろ白しろ白白白白しろ白白白。色の付けられていない線画。影のない世界。何かの上に立っているという感覚はあるのに、靴に下には何も感覚がなかった。白い世界。世界より、空間と言った方がいいのか。
夢だと分かっているところ、これは明晰夢らしい。
そんな空間の中に、金色を見つけた。淡いそれは人の髪だと分かり、その内、それがだんだん見えてきた。それは淡い金髪を持っていて、こちらを見据えるのは赤色。でもそれはもっと破壊的で血色ではなくもっと大らかで破壊的に温和。それでいて衝動的に美しく、なんていうか、言葉に表せなくて、でも――どう見ても、残酷な美貌。何故そう思ったのか分からなかったが、何かがそう知らせてきて、そしてそれが当たり前なのだと思っている自分がいた。
「やあ、」――ああ、怖い怖い怖い怖い怖い怖い。助けて誰かお願い助けて誰か誰か誰かいやいや絶対嫌死にたくない死にたくない助けて助け助けてああああああいやいやいやだふざけんな怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわい怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわい、い、あ。「まあまあ、――〈落ち着いてよ〉」
一瞬だった。今まで脳を支配していた恐怖が、一瞬にしてなくなった。
淡い金髪の彼がやったことは、一度声をかけて、私が恐怖に落ちいている間に頭に手を置かれ、何か機会のようなコエを出し、落ち着かせたことだけ。
なんだか意味不明な恐怖心を持っていた私は、どうしてそれがなくなったのか疑問に思ったが、考えるよりも目の前の男と会話しなければならない。また、そう理解させられた。
脳を訴えている警告。いったい、誰からのものだろうか。
「――おーい、またボーッとしちゃってるよね?」
声に、ようやく頭が真面に仕事をし始めた。我に返るとかこのことか。
「ああ、よかった。俺のことは見えているね」
赤目のそれは、両腕を広げ、私を歓迎する。
「――ようこそ、三百七十九兆千九百八十六億四千七百八十三万六千三百七十一人目転生者、安曇舞華さん。俺はコンライト・アモーレ。神様だよ」
※
「神様? は、転生者? えっと、三百……なんだって?」
「うん。俺って神様なの」
さっきまでの恐怖心が嘘のように、気持ちが楽になった。心なしか体の少し軽くなった気がする。なんだ、金髪とか赤い目だとか怖いと思っていたけど。ただの精神異常者か。なんだなんだ。
「そっかあ、神様かあ。そうだねえ、神様だねえ」
「ちょ、その目やめようよ! 別にイカれてはないからね!」
「はあ……じゃあ証拠とかあります?」
「え、あ、うーんと……」
その人、いや神様? が顎に手を当てて考える素振りを見えた。そんな顔がまるで絵のようだと思えるのは、あまりにも美しい外見と、どこか現実離れした雰囲気を持つから。
というか……これは夢だよね? だって、こんな真っ白なところ有り得ないし。いや、真っ白なだけならまだ分かるけど、影もないだなんて有り得ない。
ハッ、とその金髪――ええっと、コン、コンコン……コンさんでいいか――が、言った。そう、言ったのである。効果音ではない。
「ならさ、騙されたと思って、ちょっと俺の話を聞いてみない?」
「つまり、証拠がないんですね」
「いや、出来るっちゃ出来るんだけど……。やっぱり、あんまり見せない方がいいかなって。本当はこの空間にいるだけで普通の人間は気が狂うはずなんだ。だから、力まで見せて理性が耐えられるかどうか……」
ああ、成程。つまりそういう設定というわけだね。さっきのはその言い訳を考えていたのか、それとも本気でそう思っていて考えていたのか、ちょっと疑問になってきたぞ。てっきり「やってやるぜ!」とか言ってすぐに神様じゃないことで話せるんだろうな、と思っていたのに。
「まあ、でも……いいですよ、どうせ寝ている間は暇ですし」
「うん? 寝ている? 何言ってるの?」
「……は? いやだから、貴方は私が夢の中で作ったちゅうにびょ、神様なんですよ」
「いやいやいや、厨二病じゃないし! 言いなおすには遅すぎたし!」
「まあまあ」
「まあまあ、じゃなくて! てか、そもそも夢とか何言ってるの!」
「は、はい?」
整った顔で凄い形相になると迫力があって、ちょっと怖いんだけど。
「だって、夢ですよね?」
「いやいや、そもそも――――……君は死んだじゃないか!」
…………。…………………………は?
死んだ、って。は、? いやいや、有り得ないでしょ。死んでない。てか、どうやって死んだって? 私は、――え?
「死んだよ、君は。君は殺されたんだ、自分の親友に」
「しん、ゆう。だ、誰が!?」
「それは教えられない。そういう約束だからね」
「――嘘よ!」
「信じなくていい。ただ、転生したら分かるから、今は説明だけ聞いて置いて」
「……」
そうだ、信じなくていい。この人が言っていることは出鱈目だ。そもそも、転生だとか有り得ないに決まっている。
「まず、君がこれを思い出した時。君の近くに携帯があるはずだ。それにいろいろ載せておくから、君は彼女たちに巻き込まれないように生活してくれ」
「彼女たち……?」
「後でわかるから、説明はなしね。――それで、少しだけ特典を用意できるようにしておくから、ちゃんと頼んでおきなよ? 後悔することになるよ、きっと」
「さっきから……何を、?」
「――それでは、いってらっしゃい」
ぐにゃり。
※
目を、開けた。
漫画などのように息が荒くなったり汗を掻いていたりしなかったけど、どうも悪寒が止まらない。それに、汗を掻くどころか体が冷えて仕方がない。
今の夢……、…………夢、だよね?
まさか、有り得ない。神様だなんて。乙女チックな妄想とか女子だから一度くらいはしたことはあるけど、まさか転生とかいろいろおかしすぎる。
はあ、と溜息を吐きながら体を起こした。時計を見るとまだ四時あたりだった。まだ眠れる。二度寝してしまおうか。いや、しちゃったら寝すぎてまた今日――いや、もう昨日か、の朝みたいになるし。
本でも読もうかな、とベッドから降りて本棚の近くに。
勉強? いや、まさか、するつもりないよ。
そして――――――見つけた。
閉めたカーテンの隙間から、月明かりで照らされて、暗くてもそれがよく分かった。
自分がいつも使っている机。その上にある、私の物じゃない携帯。
あの夢の中で見たアカと同じそれは、折り畳み式の少し古い方だ。
手が吸い寄せられたようにそれを掴んで、開く。画面の光に目を細める。
画面に見えたのは、並ぶ名前の列。
〝遠藤美湖〟――それは、昨日見たハーレム員の一人で、クール系美少女。
〝姫野愛美〟――それは、昨日見たハーレム員の一人で、ぶりっ子厚化粧。
〝羽純侑依〟――それは、昨日見たハーレム員の一人で、唯一嫌われていない生徒。
〝瀬田奈々〟――それは、昨日見たハーレム員の一人で、平凡顔の生徒。
〝子島結城〟――それは、昨日見たハーレム員の一人で、男装している女子生徒。
この羽純侑依を四人はあの「ハーレム員」。鏑木由貴を取り囲んでいる、あの女子生徒たち。そのハーレム員が、なんだっていうのだ。その「名前」にクリックすると、血液型や身長体重というプロフィールのようなものなら、現在の居場所とそれまでの行き先まである。何よ、これ……?
ハッと、思い出したのはあの夢。神様に転生に殺人に、意味不明言っていた、あいつ。
いや、有り得ない有り得ない。これでも私は現実を見ている方だ。
……そういえば、これ、机に置いてあった。
特典とか言っていたから、もしかしたら他にもあるかも?
ただの不法侵入者がこれを置いて行ったとかならいい。でも、嫌な予感がする。
どうせ時間も余ってるから、ちょっと部屋の中を探索しよう。
机の引き出しの中。本棚の奥。ベッドの下。
何もない。変化ない。
ゴミ箱の中。たくさんあるぬいぐるみの中。クローゼットの中。
――――あった。クローゼットの中に、知らない紙の束。
何かのタイトルだろうか、大きく太く【対抗デフォルト】と書いている。
対した勇気を必要とせず、神の束を一枚一枚読んでいく。
嘘だ、なんてもう思わない。驚かないことに驚き、またこれが当たり前であると理解していることに驚く。
ああ、そういう世界なんだって。
恋愛シミュレーションゲーム、【対抗デフォルト】。
超能力者のいる学校で、その秘密を知ってしまったヒロイン。そして、友情と共に育んでいく愛情。漫画や小説では成長物としても人気だったそれ。
それは私の通っている学校――際腕が舞台の、本来あるはずのないものだった。
※
この世界がゲームの中だと知ってから、三日が経った。今まで同じように、変わらない日々を過ごしている。友人三人の美形オーラに浴びせられながら。
攻略対象に関わる? いやいや、ハーレム員や美少女ヒロインじゃあるまいし、ファンクラブとか怖すぎる。
傍観してたらいつの間にか逆ハー? いやいや、本気で普通に過ごしていたら、そんなことないない。それに、大体そういうやつの主人公は普通じゃなかったりする。天然とか鈍感とか、美少女とか。本来なら対象の幼馴染とかじゃないと、有り得ない有り得ない。
そんなわけで、いつも通りに過ごしている。だって攻略対象って美形だけど、もう美形は親友三人で十分なわけで。それに、顔が良くても強引すぎる俺様とかはリアルに引くからね。爽やかくんとかもう自分が惨めになって仕方ないし。攻略対象がいっぱいいる中で一番トリップ主とか転生主とか最強主とか異物に人気、鏑木由貴は黒髪赤目の中性的な美形だけども。だがやっぱり性格は、懐くまではツンツンで懐いたらわんこという属性は一番面倒である。やっぱ普通の傍観がいいね、うん。
それにしても。
「携帯って便利やわ~」
「え、どうしたよ、お前。なんか特売日最高って感動してる近所のおばちゃんみてえ」
何そのおばさん、キャラ的に気になる。攻略対象じゃなかったら濃いキャラとかなかなかいないから、凄く今会いたいんだけど。取り敢えず樹生の首を絞めておく。取り敢えず。
折り畳み式の例のあの携帯。ハーレム員プラス鏑木由貴のアレコレが書いているそれ。本人が知らない秘密だったり、設定であったのかは資料に書いてなかったから知らないが大量に出てくる黒歴史のようなものだったり。弱点やら立場とか現在位置の書かれているその携帯は、さりげなくハーレム員からの(リンチな)フラグを回避することができる。おお、便利。形も携帯だから、堂々と扱っても怪しまれることもないし。ただ折り畳み式のほうだから、ボタンがカチカチ言って授業中に使えないことだろうか。
「ああ、脳内に携帯があったらいいのに」
「私の頭の中のなんたら、ってやつ?」
「それ消しゴムだし」
呟く私に反応する樹生と、それにツッコみを入れるあっちゃん。遥斗は珍しく自分の携帯を見て会話に入ってきていない。真剣な顔をしているのが珍しい。うむ。遥斗もこういうキリッとしている顔をしてたら、普通にカッコいいんだけど。いや、普段もカッコいいけどさ。いつもはホンワカしてるっていうか。愛でる対象がこうもカッコいいと分かると、変な感じだなあ。
――まあ、その顔の所為でいつ殺されるか分かったもんじゃねえけどな!
この世界がゲーム【対抗デフォルト】だと知って、三日。私はあることに気付いた。
ちょっと、思っただけなんだ。いや、思うにちょっとも多いもないけど。この親友三人顔いいから、ゲームの中だったらなんとなく納得だな、と思っていたのである。
その後心の中でも沈黙が続いて三妙。案外早かった三秒。もしやと思ってそこまで気にしてなかった例の携帯の中を全部見た。そこに並んでいる名前と、どんな異物か。流石に他の攻略対象を差し置いてモテモテな鏑木由貴が成り代わり主とかびっくりしたけども。
あったのだ。異物ではなく攻略対象の欄に、樹生と遥斗の名前が。あっちゃんの名前はなかった。まあ、乙女ゲームのようだから仕方ないか。
名前があったことに驚きはしたが、はやりそれでも動じない私。これくらいで親友を遠ざけるようなことはしませんよ。フラグなんて立つのは結局〝普通〟の子じゃないんだから。
まあ、そんなわけで爽やか樹生とホンワカ遥斗が攻略されちゃう人だったわけだけど。私が心配するのはフラグではなく、いつかあの肉食ハーレムに喰われるかもしれない男二人でもなく。私によってお姉さまなあっちゃんのことである。
覚えておられるだろうか。あっちゃんは、樹生の恋人である。鏑木由貴に飽きたハーレム員(または異物さんたち)がいつあっちゃんに目をつけるか分からない。そんなことがあるため、この特典かよく分からんが例の携帯は役に立つ。神様か死神か女神様か世界を管理している神であって神でない者かは知らないが、まじで神様様である。
――あっちゃんは私が守る。ちょっとカッコよく決意してみる。
まあ、今日のハーレム員を見る限りまだ鏑木由貴から目を離すこともなさそうだし、いいんじゃないかなあ。暫くは安全だよ。ついでに樹生や遥斗もかばってあげよう。おお、私様ってばなんて優しい。樹生は奪われちゃうと結局あっちゃん悲しむし、遥斗もあっちゃんは友人だと思ってるからハーレム員に引っかかってくれるのは嫌だろう。
あー、なんて私ったら優しいんだ。面倒くさいからその時の気分次第でもあるんだけどね。
そんなわけで、今日は(いまのところ、いや、まだ)平和です。