土足、厳禁
もう一度。この小説は私の初作品となるもの、つまり処女作になります。どうか温かい目で見守っていただければと思っています。よろしくお願いします。
金髪の少女に出会ってから自宅に帰るまでの数分、俺はあの横顔を何度も思い出しながら惚けていた。人の顔に見惚れるなんていつ以来だろう。
なんというか見ていると言葉では表せない不思議な感覚がこみ上げてくるというか。
それに何かを嬉しそうに、噛み締めるように口元の口角を少し上げて笑っていたあの横顔は何か特別な自分には無い何かを感じた。
そんなアホみたいな妄想している間に我が家に着く。
俺はドアを開けて閉め、リビングに行ってコップ取って氷入れて、コーラ注いで2階へ上がって自部屋でPC使ってバイト探しながらコーラを飲む、といった流れ作業をするはずだったのに、その作業工程は”リビングに行って”で中断された。
「明かりが点いてる。」
まさか空き巣とか、そんな非日常的な出来事なんて起こるなんてない…はず。
「そこに…誰かいたりしないよな。」
「こんにちは。君に用があったんだけどちょっといいかな。」
「・・・・・・ゴトンゴロロロ。」
フローリングの床に350mlの缶が落とされた。いや落とした。
後ろを振り向き頭上を見上げる。長身の黒服の男が子供っぽい笑み浮かべながら俺を見下ろしていた。
「・・・・・!!!!!!。」
声にならない悲鳴とはこんなものなのかと自分自身で体感する。
そんな俺の事など意に返さず、なにやら黒服は懐から紙を取り出して俺に突きつける。
「はいこれ、君にあげようと思って。バイトやりたいとか思ってたんだからちょうどいいでしょ。そこに住所とか書いてあるから自力でたどり着いてね~。じゃ、僕はまだ用事があるんで失礼するよ。」
一人一方的に話をし、黒服は早々(はやばや)と玄関から出ていった。
「もう、なにがなんだか分からない。」
色々もうちょっと説明してくれ、黒服の人。
それと家の中を土足で歩くのは勘弁してくれ。靴の跡がくっきり床に付いて掃除が大変だから…。
話を一から考え直します。なので気長に待っていただけると嬉しいです。