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魔石と殺人狂  作者: プラン9
プロローグ
3/82

第参話 魔術契約と宣戦布告

 ゴミ一つ無い黒い道に、両脇に並ぶ家、店などが建っている。

 だが、何故か人が一人も居なかった。

 それに対し、フォロリスは少し違和感を感じた。

 紅い指輪を付けたアカマイが、いたずらっ子のように笑いながら

「あー、すいません、ふざけました」

 と言い、舌を出した。

 俗に言う『てへぺろ』というのをやった。

 その後、アカマイの指輪から赤い光が出ると、途端にフォロリスの見ていたゴミ一つ無い世界にヒビが入る。

 すると、そこには活気に満ちあふれ、普通の街程度のゴミが目に見えた。

「ふっふっふ、これぞ私の持つ魔法“幻想世界イリュージョン・ワールド”です!

 まあ、戦闘で使えるかどうかと言われたら微妙なんですけどね……」

 何故今見せた、とフォロリスはそう思う。

「というか、何故今それをやる」

「いやー、この魔法、周りに魔石が無いと出来ないんですよねー。まあ、フォロリスさんも契約すればこんなの出来るようになります。多分」

「おい多分って言ったなおい」

 多分という言葉に若干の不安が、フォロリスの心の中に芽生えた。

 もしかしたら、死ぬんじゃね? 契約とかいうので、とも思う。

 それが顔に出てたのか、アカマイは頬を膨らませる。

 それを軽く無視し、フォロリスは右手に何処からか調達したピアノ線を手に持ちながら、アカマイに尋ねた。

「契約はいつするんだ?」

「むー……街を出た場所に丁度いい空き地があるので、そこでしますよー」

 アカマイの言葉に、少しばかりの怒りが見えた。

 もっとも、そのようなちょっとした感情をフォロリスが感じるわけはない。

「って、それ何処で手に入れたんですか?」

 その言葉には、驚きがあった。

 彼女の言うとおり、いつの間にか

「ふむ、少しばかり喉にナイフを突きつけたらくれたぞ」

「……後で、お金払っときます。なんで四十四部隊の人たちはこんな人ばかりんだろう」

「なにか言ったか?」

「なんでも!」

 アカマイのその言葉には、フォロリスを呼んだ後悔の念が練り込まれてたように感じた。

「その前に、前に城内で契約するとか言ってなかったか?」

「それが、今は色々とヤバイ人が居ましてですね。その人がなんでも重度の悪魔嫌いで下手したら殺されかねませんから……。

 クソッ、なんであの国に神の杖なんていう物騒な物持ってんですかね。武力で脅して恥ずかしくないんですかね」

 アカマイの言ったその単語、神の杖の名をどこかで聞き覚えがあるとフォロリスは考えた。

 もっとも、フォロリスにとっては何ら興味の無い話ではあったので、直ぐ様記憶の片隅に寄せておく。

 フォロリスはふとした気まぐれで、アカマイにナイフを一本手渡した。

 くの字型の、ククリナイフだ。

「え、なんですかいきなり?」

「ちょいとしたプレゼントだ、この世界に来てから大分と世話になってるからな」

 そのナイフを受け取り、アカマイは喜びの表情を浮かべる。

 そんなアカマイなんて眼中にないというように、フォロリスは振り返る。

 するとそこには、鬼のような形相をした隊長さんの顔が見えた。

 彼がアカマイにナイフを上げた理由は二つ。

 一つは隊長さんをただ単におちょくる為。

 もう一つは血糊が付いたり錆びたりして不要になったので、処分ついでに彼女に押し付けたというもの。

 もっとも、二つ目の事はアカマイには言えない雰囲気になっている。

「喜んでくれたんなら幸いだ、行くぞ」

「あっ、ちょっと待ってくださいよ~」

 フォロリスの後を追いかけるアカマイ、まるでカップルのようにも見える。

 草原と町を繋ぐ門の前にある酒屋から、悲鳴のようなものが聞こえた。

 その悲鳴に対し不思議に思いながら、フォロリスは門をアカマイと一緒に抜けた。


 ━━自分にはある感情が欠けてる。と、フォロリスは心の中で語る。

 青臭い匂いがする草原、所々に豚のような二足歩行動物や、スライムと呼ばれるようなドロドロとしたものが見える。

 それらを眺めてると、アカマイはフォロリスの方を向き、

「では、今から契約場に行きます。多分十分くらいでつくと思います」

「あ、アカマイ、後ろ」

 オークのような物が、アカマイに棍棒を持って突っ込んできた。

 その姿は、さながら猪のようだったが、それに対し躊躇なく額にナイフを突き刺す。

 オークの額から吹き出る血が、アカマイとフォロリスの体を赤く染める。

 だがそれに構わず、オークは棍棒を思い切り振り上げた。

 アカマイとフォロリスは、それをしゃがんで回避する。

「━━━━━ガァァッ!!」

 オークが力の込めた一撃を放つ。

 だがそれも空しく、フォロリス等には当たらずに地面を抉った。

 はねた泥が、アカマイの服を汚す。

「汚い下等生物ですね、全く。折角新しい服下ろしたのに……」

「同じ服に見えるんだが?」

「酷いです、フォロリスさん」

 アカマイはそう言いながらも、オークの攻撃を紙一重でかわし続ける。

 フォロリスも同じだ。もっとも、若干楽しんでいる感は否めないが……。

「で、どうする? こいつ、どうやら俺らを許さないようだ」

 オークの大きく振り上げられた棍棒を見上げながら尋ねる。

 それに対しアカマイは、オークの後ろ側へと回った。

 オークは先ほどフォロリスに刺されており、それを野性の本能としてなのか覚えている。

 故に、アカマイが背後に回っても全く気付かなかったのだ。

 口や鼻から液体が垂れていたが、それをアカマイは無視し、目的地へ向かった。

 フォロリスも、オークを蹴り退け、アカマイへついて行った。


 そして、その二人の姿が見えなくなると同時に、奇妙な人影が、二人について行った。

 ペンペン草(もっとも、この世界にフォロリスの世界の植物が全てあるとは思えない)一つ生えてない、広大な空き地。

 そこらにどのように生活してるのか、スライムやらオークやらが住んでる。

 だが、どこか見た目が変わってるように見えたが、フォロリスはそれに気づいていなかった。

 フォロリスはアカマイに尋ねた。

「あー、あれですよ。環境に適した進化という奴ですねはい」

「なるほど、それで契約ってどうやるんだ?」

「私の魔法は幻想、つまり何処かの魔法陣をこっちに持って来ればいいんですよ。やった事ないけど」

「ダメじゃん」

「大丈夫ですよ、理論上は出来る筈です!

 せーいホッ!」

 ホッっという掛け声と共にアカマイは空に手を挙げる。すると青と紫を混ぜたような光がアカマイの手に点った。

 その光の点った手を振り下ろすと、地面に先ほどの青と紫の光で出来た線が地面に浮き出てきた。

 空中から見ると、綺麗な六芒星だが、フォロリスがそれを知る術はない。

 その奇妙な線に対し、魔物達も驚いてるようだが、アカマイは気にしなかった。

 そして、その中で「ホッて掛け声、ダサい」と小声で言った。

「うーし、後は中心に向かって歩いてください。これでイケるはずです。多分」

「多分ってなんだ多分って」

 フォロリスのその言葉に、アカマイは少しばかりムッっときたのか、

「仕方ないじゃないですか、悪魔と契約なんて初めてなんですから!!」

 と大声で言う、若干イラつきが、声からも判った

「流石に契約で死ぬ事はないよな」と心の中で自らに言い聞かせながら、フォロリスは六芒星の中心へ移動した。

 中心に足をつけた瞬間、光の線がさらに輝きを増した。

 数十秒後、その光が消え、アカマイが「完了しましたー」と言った。

「え、これで終わり? こう、漫画的なあの壮大なあれとか無いのか?」

「はい。後は試しに魔法を使ってみて、無理だったらもう一回同じのをやる。これを繰り返すんですよ。

 あ、試しにあのオークに魔法放ってみてください。大丈夫、自分の頭の中に思い浮かんだ言葉を叫んでみてください」

「ああ、魔石無いと詠唱省略無理なのか」

 フォロリスは丁度よく近くにいたオークに手を向け、詠唱を始めた。

「えーっと……首を切り血を啜れ、全人類を切り刻み世界を真っ赤な血で染めろ!」

 すると、フォロリスの手からブーメランのような物が発射され、オークの首を吹っ飛ばす。

 頭が地面に落ち、身体の方の首から血が噴水のように吹き出た。

 その異様な光景に、フォロリスの口が塞がらなかった。

「んな……アホな」

「あー、レベル三くらいの威力ですねー。ま、良くもなく悪くもない、ですね」

「これでか、末恐ろしいな」

 アカマイの言葉に驚いたフォロリス、その言葉に対しアカマイは、

「まあ、あの世界から来たのなら、そういう反応ですよね。

 ちなみに、この付近の魔物の耐久力は、魔法使えば子供でも殺せるくらいなのでなんら不思議じゃないですよ」

「なにそれ怖い」

 フォロリスのその言葉と同時に、何処からか氷のような物が、フォロリスを掠めた。

 その予想外の攻撃に、アカマイは驚く。

 もっとも、フォロリスは最初から気付いていたようで、対して驚いてはいなかった。

 フォロリスは氷の飛んできた方を睨みつける。するとそこに人影のような者があった。

 フォロリスが睨みつけたと同時に、人影は姿を消した。

 フォロリスが氷を踏み潰すと、アカマイはフォロリスに尋ねた。

「た、対して驚いたように見えないんですけど……まさか、すでに気付いていたとか?」

「……ふん、行くぞ。第四十四独立前線部隊とやらに」

 フォロリスの言葉に、アカマイは「自分勝手だなー」と小声でつぶやいた。

 そして、ブツブツ悪態を付きながらフォロリスに向かって走っていった。


 大理石の敷き詰められた部屋に、巨大な玉座が置いてある。

 そこにピンクの髪の女性、姫様と対するように、青年達が立っていた。

 姫様が口を開かせる。

「貴方方、イス国の英雄達が我が国に、一体何のようですか?」

 姫様と質問に、黄金の額当てをした少年が口を開いた。

「この国を我がイス国の領土とし、悪魔との契約をしてる者及び悪魔の契約書の破棄。

 あと魔鉱脈を我が国へと引き渡してもらいたい。我々とて、無益な血が流れるのは苦しいのでね」

「降伏しろ、と。そう仰りたいのですね?」

「はい」

 姫様は、手に黒い炎のような光を灯すと、それを彼らに向けて放った。

 黒い炎が巻き上げられ、砕けた大理石がそこらじゅうに散蒔かれる。

 煙が晴れると、青年たちには傷一つ無かった。

「これで分かったでしょう。我々に勝つ事は不可能です、なので無条件降伏してください」

「そうですね。では、同盟関係で。もし無理なのであれば、魔鉱脈もろともこの国を消します。困りますよね、限られた資源がもっとも採れる鉱脈が消えては……」

「……仕方ありませんね。では、イス国にそう伝えておきます」

 少年たちの姿が消え、声も聞こえなくなると同時にそばのメイドに伝えた。

「明日正午五時に、イス国へ宣戦布告を申し込む。分かりましたね?」

「はい!」

 姫様は考えた。イス国に勝てるかどうか。

 だが、姫様は負けることはないだろうと踏んで、宣戦布告を申し込もうとしてるのだ。

 何故なら、心の中の何処かであの青年に期待してるのだから。

 そう、彼なら絶対に、この国に平和を齎す。そう確信していたのだから……。

 だがそれが、後に裏切られることになると、この時姫様は思ってもいなかったのだった……。

どうも、昨日担任からタバスコを貰ったナムです。

主人公は軽いチート系にしますが、敵はそれをはるかに上回るチートにする予定です。

まあ、凄いのは殺しの技術だけの予定ですけどね。


契約の場所を変えた理由は簡単、書いてたらこうなった!

あと、敵とのフラグとか書くにはこれが一番だと思ってですはい。


では皆様、誤植ご指摘などあれば感想お願いいたします。


5/13 描写追加&修正

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