↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】クリムゾン・コート・クルセイド Vol.Ⅱ ”平和たる軍靴"  作者: アイセル
第四章 Cog By Cog

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/175

歯車は嚙み合う―⑧―

当作品の無断転載、AIを含めたあらゆる二次利用を禁止します!!

Do not reupload / use my writing for any purposes, including for AI!!

 ロック、一平とエヴァンスの間に散った銀の雫が火元となり、二人を遮った。


「ちょ、ま――って、熱ッ!!」


 炎の熱さに戸惑う一平。


 ロックは"磁向防《スキーアフ・ヴェイクター》"を発生。


 発火しかけた銀の雫を"ブラック・クイーン"から弾き飛ばし、炎を爆散させた。


 "ザ・ネーム・オブ・ザ・ゲーム"。


 ダグラスの持つ、"獅子の頭を模した右手甲"と"蜂の針を模した左手甲"の一対で成る"命導巧(ウェイル・ベオ)"。


 主な特徴としては、粉末アルミニウムと酸化鉄の混合物と"リア・ファイル"を併せた"銀色の雫"であるナノ粒子ジェル――"銀の血蜜《トーヴ・アルギッド・スアス》"――を攻撃の際に散布し発火させる。


 爆散した炎を煙幕にしてロックに迫るダグラス。


 彼の左腕の針がロックの顔を捉える。


 ロックは右手の"ブラック・クイーン"の"籠状護拳(バスケットヒルト)"で、針の一撃を受け止めた。


 針の一撃が"籠状護拳(バスケットヒルト)"の表面を滑ると、ロックはダグラスの伸びた左腕に右肘を振り落とす。


 ダグラスの左の剛腕が下がり、首から胴が開けた。


 ロックはダグラスの懐に入り込み、顎に目掛けて頭突きを放った。


 ロックの攻撃に、ダグラスの巨体が大きくのけぞる。


 "ブラック・クイーン"の"籠状護拳(バスケットヒルト)"越しの右拳打で、ロックはダグラスの左頬をぶち抜いた。


 ロックは続けざまに放った左鉤拳打(フック)で、"ファーの大男"の顎(チン)を狙う。


 しかし、ダグラスはその攻撃に直立で堪えた。


 損傷(ダメージ)を負いつつも、ダグラスが踏ん張る。


ロックは順手に持ち替えた"ブラック・クイーン"で右から左斜め下へ、ダグラスを斬った。


斬撃を受け、後退さるダグラス。


ロックは、彼に寸暇を与えず、逆手に持ち替えた"ブラック・クイーン"で胴を左から斬り上げる。


反撃として右腕に"銀の血蜜《トーヴ・アルギッド・スアス》"をダグラスが覆う。


だが、ロックは"銀色の雫"で強化した拳打を許さない。


斬り上げた斬撃による勢いを維持しながら、再度順手に切り替え、右袈裟斬りをダグラスに放った。


ダグラスも"命熱波(アナーシュト・ベハ)使い"として、"磁向防《スキーアフ・ヴェイクター》"でロックの連撃を防いだのだろう。


斬撃を防ぎ切ったのと引き換えに、その衝撃をまともに受けたが故に、ダグラスの頑健な足腰が大きく揺れた。


 "駆け抜ける疾風(ギェーム・ルー)"。


神経強化を行う"疑似物理現象"で、ロックは自身の瞬間速度を高める。


 神速の突進からの頭突きをダグラスに放った。


「なかなか、大胆じゃないか……"スパイニー"?」


 ロックの頭突きで、鼻血と歯を垂らすダグラス。


「おいおい、化(・)け(・)物(・)染(・)み(・)た(・)タ(・)フ(・)さ(・)を持ちながら、ずいぶんと……カ(・)マ(・)ト(・)ト(・)ぶ(・)っ(・)て(・)ん(・)じ(・)ゃ(・)ね(・)ぇ(・)か(・)?」


 ロックの不敵な笑みに、ダグラスが血化粧から怪訝な顔を示すが、


「これから、テメェを殺(・)す(・)ど(・)こ(・)ろ(・)か朝(・)日(・)を(・)拝(・)む(・)度(・)に(・)生(・)ま(・)れ(・)た(・)こ(・)と(・)を後悔させてやるんだからな!!」


 ロックの嚇怒に満ちた月夜の湖畔色の眼光が、ダグラスの両眼を染める。


 ダグラスに映るロックの眼は、彼の放った炎が怒りとして表れているようだった。


 ロックは、怒りに震える自らの像に呼応するように、ダグラスへ向かう。


 ダグラスも動き、ロックの振り上げた右拳に合わせて、自らの右拳を振りかぶった。


 ロックの右手の"ブラック・クイーン"の紅黒の刃が"籠状護拳(バスケットヒルト)"から伸びる。


 ダグラスが銀色の雫を、"ザ・ネーム・オブ・ザ・ゲーム"から溢れさせた。


 紅黒の一振りに対して、銀色の奔流がダグラスを守る。


 銀色の奔流が反り立った刃を作り、ロックの一振りを弾いた。


 二つの刃の交錯が煌く。


 刃の表面が、ロックの向こう側の炎の壁を映した。


 刹那、鏡像の炎が弾(・)け(・)る(・)。


 弾けた炎から吹き飛んできたのは、エヴァンスだった。


 狼狽した声を出すエヴァンス。


 彼女が炎から離れる。


しかし、炸(・)裂(・)す(・)る(・)炎(・)が白いハーフコートの刺客を追いかける。


エヴァンスを追い詰めるのは、一平だった。


 "爆衝烈拳《ドーン・ナ・セーイジェ》"による爆轟の進撃が、エヴァンスのナノリボンで強化された足技を跳ねのけている。


エヴァンスの華奢な身体が、一平の爆轟の突進に吹き飛んだ。


膝を地につけ、彼女の凹凸のハッキリした顔に、悔しさと疲労が宿る。


 一平が好機と捉え、エヴァンスに右拳を振りかぶった。


 しかし、一平とエヴァンスに割り込む人影。


 それは、二つとなり一平に襲い掛かる。


「――テメェら!?」


 一平が驚いたのは、二つの人影。


 それは、ダグラスとエヴァンスに付いてきた二人の男性"政市会"会員だった。


 彼らの四肢から、静電気が弾けている。


 その弾ける電流による痛みで、彼らの顔に苦悶が宿っていた。


「……助け……て……」


「みんな、焼か……れ……て……」


 一平がエヴァンスへの追撃を止める。


 ただ、自由を奪われた苦痛に喘ぐ、二人の"政市会"会員からの"スウィート・サクリファイス"の射撃が放たれた。

面白いと思ったら、リアクション、評価にブックマーク、よろしくお願いいたします!!


© 2026 アイセル

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。