設定補足(1)
さて、ここで簡単に、世界設定みたいなもの? を補足したいと思います。だが正直何を書けばいいのか分からない。
とりあえず本文中で延々と細かく説明するのが困難な、神話上の歴史設定を書いておきます。
本文中で書こうとしたら、すごいはしょったのにアレだったアレです。
今のところ、基本的にはヘシオドス(「神統記」「仕事と日々」辺り)に語られたギリシア神話をベースとしております。
ですが厳格にそれに準拠しているわけではなく、色々と混ぜたり補ったりしています。
原典が気になる方は、「神統記」はネット上で訳文が全文公開されていたりするので捜してみるといいかもしれません。
* * *
◆宇宙の始まり
・最初に現れたのはカオス、ガイア、エロス、タルタロス。
・カオスは混沌と訳されるが、空隙のようなもの。何もなかった宇宙に、神々が存在できる空隙(空間)を生み出す。
・エロスはローマ神話的な性愛の神ではなく、愛方面の神。
・カオスがエレボス(地下の幽冥)とニュクス(夜)を生み出す。
・エロスがエレボスとニュクスを結びつけて、アイテール(上天の光)とヘーメラー(昼)を生む。
・続いてニュクスは単身で、ヒュプノス(眠り)やタナトス(死)、オネイロス(夢)など数々の神を生み出す。
・一方ガイアは単身でウラノス(天空)とポントス(海)を生み出す。
・ガイアはウラノスを夫とする。
・クロノス(農耕の神。時の神クロノスはまた別の神)、オケアノス(大洋)などの神々を生み出し、世界の形が整う。
・ガイアはキュプロクス(一つ目の巨人)やヘカトンケイル(百の手を持つ怪物)などの恐ろしい怪物も生み出す。
・ヘカトンケイル等のおぞましい姿が嫌になったウラノスが、怪物をガイアの腹の中に放りこむ。
・自分は腹の中に詰められて苦しいし子供達は可哀想なガイアは、ウラノスへの復讐を誓う。
・ウラノスがガイアと同衾した際に、鎌を持って待ち構えていたクロノスがウラノスの性器を切り落とす。
・ガイアの腹の中の怪物たちを助けだして、代わりにウラノスがガイアの腹の中へ。
・ウラノスとガイアは、クロノスが自分の子供に倒されるという実に不吉な予言を残す。
◆黄金時代
・クロノスが神々の支配者に。
・プロメテウス(先に知る者)とエピメテウス(後から知る者)の兄弟が人間を創造する。
・地上は常春、耕さずとも作物が実った。
・人々は老いず、非常に長い寿命を持っていた。素朴で温厚篤実な民だった。
・神々は地上で人々と共に暮らし、人々を助けていた。
・この時代は後世で黄金時代と呼ばれ、この時代に生きた人々は黄金の種族と呼ばれる。
・クロノスはガイアの子レアーと結ばれ、ハデスやポセイドン、ゼウスなどの子供を生み出す。
・自分の子供に倒されるという予言を恐れたクロノスは、子供を次々に飲み込む。
・ゼウスだけがレアーの手引きにより助かる。
・雌伏の時を経てクロノス及びそれに与する神々を倒し、兄弟たちを助けだす。(ティタノマキア)
◆白銀の時代~鉄の時代へ
・ゼウスが神々の支配者に。ここで季節が四季に分けられる。
・何故か黄金の種族が滅びる。
・ゼウスが白銀の種族を作り出す。傲慢で敬虔に欠ける彼らに愛想を尽かして、神々が少しずつ天へと帰り始める。
・冬の寒さに凍える人々を哀れんでプロメテウスが天上から火を盗み出し与える。
・プロメテウスはゼウスの怒りで罰を受け、山に繋がれ禿鷲に肝臓を啄まれ続ける刑に。
・地上で正義の行われない事に怒ったゼウスは、身を窶して下界を視察。
・立ち寄った村で、動物の臓物に弟の臓物を混ぜたスープを出されたゼウス。義のない事に絶望し白銀の種族を滅ぼす。
・次にゼウスに創造された青銅の種族は野蛮で好戦的。
・青銅の種族は鉄器を鋳造して武器を作り、地上は醜い争いで溢れ、彼らは闘いによって自ら滅びた。
・絶望した神々、本格的に地上を離れ始める。
・世は神々が人間と交わって生まれた半神の活躍する英雄時代へ。
・ヘラクレスやアキレウスなどの英雄が華々しい活躍をする。
・やがて彼らも天上へと帰り、英雄不在の鉄の時代へ。
・人々は社会を作り、国家を作り、戦争を始めた。
・最後まで人への望みを捨てられず残っていた旧き神・アストライアは、陰惨な戦争のありさまを見て絶望し天へ帰る。
◆アトランティスとパンドラの箱
・黄金の種族のうちの少数は、滅びる前にアトラスの守護に守られた島・アトランティスに移住し命脈を保っていた。
・外との交わりを絶った孤島で、黄金の種族はつつましく生きていた。
・鉄の時代に入る頃、ある神を奉じる一派で、不死を生み出す研究が行われ、それを実現する装置が作られる。
・実験は失敗。深淵から這い出したあらゆる負の概念は人々を無へと還し、アトランティスは大混乱。
・逃げ出した者が持ち出した装置を受け取ったエレボスの巫女はそれに加護を与える。
・装置はオリハルコンの鎧を作り出し、無へと戻される事への耐性と、負の概念を深淵へと送り返す力を装着者に与える。
・装着者は負の概念と戦い続けるが、装置の動力たる虚無に死ぬことだけを喰われ不死に。
・深淵から多くのものが溢れた事、人が不死を得た事に神々が怒る。
・怒った神々により局地的な大津波と地殻変動が起こされ、アトランティス水没。
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とりあえずこんな感じです。やっぱりかなり省略していますが。
パンドラの箱の説話に出てくるはずのあの人がいないんじゃないの? みたいなのはとりあえず今の時点では伏せておきますという事で。
何か分かりづらい点などありましたら、(その時点で答えられる範囲で)随時補足していきたいと思いますので、ご質問等頂ければと思います。