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青真珠


高級宝石店・ラブオウ。


明るく高級感あふれる店内で、店長のラブオウが、ルイの対応をしている。店員もいるが、今は奥に下がっていた。


はじめて来た店ではないので、ルイはリラックスした状態で、店長に今日の目的の品を見せてもらっている。


青真珠の製品は、数は多くないが魅力的な品で、どれも目移りするほど職人技が光る逸品だった。


「へぇ~、大玉の青真珠一粒の指輪が五十万カイルかぁ。隣の指輪は小さな青真珠が横に四粒並んで三十万カイル。

こっちのネックレスは青真珠が三粒ついて、周りには小さな青い宝石がついてるけど、青と青の組み合わせなのに重い感じがちっともしないし、それどころか軽やかささえ感じわ。

良い品ね。百二十万カイルだけど欲しいわ」


「それは良かった。こちらに鏡がございますので、つけて確かめてみて下さい」


「そうしたいのは山々なんだけど、その前に店長さんに聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」


「ええ、もちろん。それで聞きたい事とは」


「こちらの青真珠だけど、少し前に海で手に入れたものがあって、お金に代えたいのだけど、どこか買い取りできる所があれば教えてもらえるとありがたいわ」


「海でですか?それは凄い。お嬢様は冒険者の方でらっしゃったのですね。それもかなりランクの高い方でないと青真珠の採取はできません」


「いいえ、冒険者家業ではないわ。ただ欲しいモノを手に入れたいだけの買い物好きよ」


「ご謙遜を。実力を持った方は実に謙虚ですね。感服します」


依存症並みに好きなだけなんだけど、まぁそれでもいいわ、とルイは思う。


「これを見てくれる?」


ルイは収納魔法で、青真珠を五十粒ほど出して見せた。


「これは素晴らしい。魔法で確認してもよろしいですか?」

「もちろんよ、好きなだけ見てちょうだい」


店長のラブオウが魔法を使い、青真珠の表面を拡大して見せる魔法陣を、空中に展開させる。

まるでモニターのようだ。


「全て良品のようです。色、艶、形、問題ありません。粒が揃っているのが一番凄いですね。このまま穴を開け紐を通せば、青真珠のネックレスが出来上がります」


「厳選して採ったから良かったわ」


「通常は買い取りをしませんが、これほどの品を見逃すのは、宝石店を経営する身として許し難い。ですので、私個人の買い取りで宜しいなら手続きしますが、どういたしますか?」


「そうね。冒険者ギルド以外で売れるとしたら、どこかしら」


「商人ギルドが経営している大手の買い取り店ラックと、道具屋の個人店がいくつかあります。個人店は大金を扱えない場合が多く、経営に関しても独自の特徴がありますので、伝手がないのなら大手に頼むのがいいかと思います」


「店長さんはいくらで買い取れる?」


「私には貴族に売るあてがございますので三百万カイルでいかがでしょう」


「売るわ。この百二十万のネックレス買うから値段を引いておいてね」


「かしこまりました」


ああ良い買い物したわ。これでこのネックレスは、わ・た・し・の・も・の。

恍惚とした表情で品物を見ているルイに、ラブオウも嬉しく思っていた。





ーーーー


ドアに付けられた鈴がチリンチリン音をたてる。

高級宝石店から出てきたルイの表情は明るかった。


次は何を買おうかなぁ。あ、普段着を買うの忘れてた。高級街から抜けて自分に似合いそうな服を売ってる所に移動しよう、と思う。

宿屋のおねぇさんに普段着売ってるお店を聞いてくれば良かった、とルイは少し後悔していた。


ぶらぶらと歩いていると一つの店が気になる。


平民の私服を売っているお店でないのは外観から直ぐに分かったが、目が釘付けになってしまった。



あ、あれは!



ガラス越しに雪の妖精のようなドレスが見える。


興奮したまま駆け寄りガラスに手をついて食い入るように見た。


流れるような白い生地に透ける青色のレースと、細かく付いたホワイトブレスという宝石が光っている。

繊細な薄い素材は、風が吹かなくてもフワリと浮きそうだ。

雪原のような白さに、氷のような冷たさと流麗さを感じる青色。空から雪が降り風になびく光景・・



ほしーーーい!着ないけどほしーーーい!!手に入れたい。好きな時に観賞したい。



そうルイが考えた時には店に入っていた。


そしてしばらくした後、店から出てくる。

ガラス越しにあったドレスは無くなっていた。


「良い買い物した!」


百七十万カイル。懐はすっからかんだが心は充実していた。


よし、海へ稼ぎに行こう。そう思いながら幸せな気分にひたっていた。


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