(仮称)いじめっ子の呪い
フェイクをそこそこ入れてますが、半実話です。
もちろんですが、この主人公は自分では無いので勘違いは無用に願います。
とあるところに女性がいた。
その女性は通った全ての学校でいじめ抜かれていた。
どういじめられていたかは語らない。
内容までは教えてくれないので、つまりそれだけ思い出すのが辛い位のいじめだったのだろう。
そして学校で話す相手はほぼいじめてくるいじめっ子のみ。
両親は新興宗教にドハマりしていて、それに付き合わされていてプライベートは常に新興宗教漬けだった。
そんな地獄みたいな環境で育った。
前述の通り彼女はいじめられっ子であり、成長期から青春を送った時代まで、ほぼ全てでいじめられていたのは聞けた。
つまりどういう事かと言えば、人との接し方・関わり方を学べる場で、コミュニケーション方法のサンプルがいじめっ子達のみであった。
人をバカにした口調や、暗に命令はするが直接的に◯◯しろとは言わない言い回しでの命令等、実に人に嫌われるコミュニケーション方法ばかりが体に染み付く。
その上でいじめられっ子らしいビクオドと、誰にも相談せず煮えきらない態度のまま1人で完結しようとする無茶無謀と、あまり話してこなかった変な発声の抑揚による話し方と。
そんな様子の割に口から出てくる言葉はいじめっ子由来。
これは、あまりにも歪だった。
その歪さから、社会に出ても他者とコミュニケーションなど上手くいくはずはなく、彼女は就職した職場ですぐに孤立する。
居心地が悪くなって転職しても、そこでもやはり孤立する。
運良くと言うかなんというか、そんなでも結婚してくれる相手が見つかり、新興宗教に縋らないで距離をとれるようになり、家計の助けにとパートへ出るが、やはり他のパート達から距離をとられ孤立する。
就職していた頃みたいに、パートも居場所ができず転々とする事となった。
今は60歳をとうに越えているが、学生だった頃の経験は根深く、結婚して出来た子供にどれだけ改善指導を受けても、コミュニケーション方法は治る兆しもまったく無い。
そうこうしている内に1人で完結しようとする思考でアレもコレもと動き回った結果、体がボロボロになっている。
いじめた側はもう覚えていないだろうが、いじめられた側の傷はずっと残る。
いじめられた経験で人生がひどく歪んでしまうコレは、もはや呪いだ。
後の人生にずっとずっと暗い影を落とす呪いだ。
こんな呪いが、世界に広まりませんように。
未来にあったはずの笑顔を黒く塗りつぶす呪いが、これ以上広まりませんように。
いじめる側なんて、ほとんど遊びの感覚。
ちょっとイジる程度の認識とか、気に食わない相手=絶対悪で悪を排除する俺達は正義。
みたいな感覚でいじめてくるんでしょうが、やられる側はたまったもんじゃないです。
てめーらの歪んだ感性で人をいじめ、卒業してしばらくすればいじめた事すら忘れて、のーのーと善良な市民面して生活する呪いの塊。
確かにいじめられる側には、人をカチンとこさせる要因があるかも知れない。
だからと言ってそれで、それだけでいじめていい理由にはならない。
過去にいじめをした経験のある方。
尊厳を壊されるようにイジメられた側は今でもその傷を抱え、傷に苦しみながらも必死に生きています。
いじめたあなた達が少しでも罪悪感に苛まれながら、怨嗟と後悔に苦しんで生きられますように。