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28話 西洋vs中華


「あれ霧子に花華? 一緒にいるなんて珍しいな」


 霧子と花華は初対面の時こそギスギスしていたが意外に趣味が合ったらしく、メールのやり取りもしていることは知っていたがこうやって一緒に買い物に来るまでの仲になっていたのは初耳だ。


「花華さんとは偶然学校の帰りに会ってね。アタシはお菓子を買いに来たの。勉強でちょっと糖分欲しくて」


「私もただ買い物しに来ただけですよ。夜道君は夕飯の買い出しとかですか?」


「あっそうだ。実は色々あって……」


 俺は探偵事務所であったことを話し、二人に夕飯を事務所で食べないか誘う。


「兄さんの新しい職場中々フットワークが軽いところだね」


「そうだろ? まっ、悪い人達じゃなさそうだし安心したよ。それでどうする?」


「アタシは別に構いませんが……」


「じゃあ私も行く! 行って美味しいご飯いっぱい食べます!」


 花華は初対面の二人相手に断りそうだったが、俺の手料理に惹かれてついてくることにする。

 そのことをベラドンナにも伝えて了承を得て、食材を買ってから四人で探偵事務所に戻る。


「よぉ夜道。何やら面白い戦いをするみたいだな」


「えっ……フォルティー? 何でここに?」


 事務所の応接間にはフォルティーがソファーに深々と足を組んで座っていた。

 

「彼は依頼人さ。何やら面白い魔物を探して欲しいそうだ」


「それで……できるのか? できないのか?」


 自分で一回否定した案を採用するほど情報がないのだろう。フォルティーは強気な態度で彼女を睨みつける。


「わたしに解決できない事件はない。いいよ、引き受ける。ただし……」


「何だ? 依頼料が足りないならもう百万出すが……」


 フォルティーは上着の内ポケットから膨れた封筒を取り出し机に叩きつける。しかしシャーロットはそれを突き返し口角を上げる。


「いや、一つ頼みを聞いて欲しい。君も今から行う料理対決に審判として参加してくれ」


「は?」



☆☆☆



「どうしてこうなった……」


 急遽用意された白いテーブルクロスが引かれた長机に座る俺とベラドンナ以外の四人。

 各々二枚の紙とペンを渡されており、十点満点評価で俺達の料理を採点するとのことだ。


「この前の事件の件のお詫びの一部って考えたらどうですか?」


「あれは慰謝料払ったしもう終わったことだろ……はぁ。おい夜道。知り合いとはいえ俺は平等に評価するから手抜くなよ?」


「分かってるって」


 フォルティーはあまり乗り気ではないが、他三人は俺達の料理を楽しみにしている。

 俺とベラドンナはほぼ同時に料理を終え四つの皿を長机に運ぶ。


「こちらイギリス名物のフィッシュアンドチップスです」


 俺でも名前くらいは聞いたことのある料理だ。薄い衣を纏った白身魚にじゃがいもから作った細切りにされたプライドポテト。

 その他調味料も巧みに使いこなしておりその腕前は中々のものだ。


「俺の料理は餃子だ。この前花華とフォルティーとで行った店のを参考にしてみた」


「アタシを置いてそんなお店に行ったの?」


「……ごめん。今度連れてくよ」


 霧子からの険しい視線を受けつつ俺も皿をみんなの前に並べる。

 四人同時に二つの料理を食べ始め、そこまで量がなかったこともあり五分も経たずにみんな食べ終わる。


「じゃあ採点の方に移ろうか。ベラドンナ君は赤い紙に、夜道君のは青い紙に点数を書いてくれ」


 みんな点数を書き入れそれを机に伏す。


「じゃあまずベラドンナ君の点数から発表しようか。みんなわたしの掛け声と共に紙を上げてくれ」


 赤い方の紙を手に持ち各々シャーロットの掛け声を待つ。


「じゃあいこうか。はい!!」


 赤い紙が上げられ点数が公表される。シャーロットが十点。他三人か九点だ。


「わたしは満点にしたが……いや美味しかったんだが、この味はあまり日本人向けと思わなかったな」


「あぁ……私が感じた違和感はそれだ。美味しいけど何かが違う気がして」


「ぐっ……不覚」


 自分は外国に行ったことがないが、それでも日本と他国では食文化や味覚などが違うだろうことは容易に想像できる。


「よし次は夜道君の番だ。みんな準備はいいかい?」


「構わん早くしろ」


 茶番を早く終わらせたいのかフォルティーは悪態をつき急かす。彼女は悠々と受け流しつつも先程同様に掛け声と共に点数を発表させる。

 フォルティーが九点。それ以外のみんなが十点という結果になった。


 ベラドンナ三十七点。俺三十九点でこの料理対決は俺の勝ちとなるのだった。

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